こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
匠Method提唱者の萩本順三さんが、日本人をテーマに製品開発、企画について講演してくれるイベントです。
会の様子
第1部 日本らしい独自のイノベーションを起こすために知っておくべきこと~匠Method習得における本質的価値とは~
はじめに萩本さんから、匠メソッドがどのような考え方に基づいているのかのお話がありました。以下、内容を記載していきます。
日本人の特異性(強み)
はじめに日本人がどのような点が優れているとされているのかという話がありました。以下のような話が挙げられていました。
- 自身の仕事を極めるような仕事道(大きな発明は少ないが、小さな発明を多くする)
- 相手のことを想うホスピタリティ
- 卓越した技を追求する匠の技
具体的な製品レベルの例として、トイレや新幹線、ネジ、スーパーカブが挙げられていました。
日本人の特異性(弱み)
逆に日本人がどのような点が弱みとして挙げられているのかという話がありました。以下の点が弱みとして挙げられていました。
- 他人や他国から認められてブランド化される(何が価値かを見つけるのが下)。物語を作り語るようにしていくことで解消される。
- 無価値なものを「慣習」として扱ってしまうことが多い(誰も使わない機能が多数ある製品を作ることが多い)。価値から「なぜ」の問いを始める
匠メソッドの知情意
匠メソッドでは、上述した日本人の強み弱みを活かし、知情意を重視しているということです。各要素の内容は以下のとおりです。
- 知(細部へのこだわりを持ち、知を形成する)
- 情(おもてなしをすることで情を磨く)
- 意(社会を想う心など自分たちの未来のために意志を持つ)
知情意を意識している具体例としては、ホテルマンなどが挙げられるということです。
影響を受けた本
上記のような内容は、以下の本から影響を受けたということです。
第2部 匠Method談義
萩本さんの講演の後は、萩本さんと佐藤さんで匠メソッドや講演に絡めた談義を雑談的に話していきました。以下、トピックごとにいくつか内容を記載します。
日本人の特異性はなぜ染み付いているのか?
教育*1や宗教(仏教)の影響じゃないか?という話が挙がっていました。
要求分析ツリーの良いところ
要求分析ツリーではコンセプトが3つしかないので絞らないといけないのが非常に良いというお話がありました。
匠メソッドを使ってみて驚いたこと
感性と論理性を行ったり来たりできるフレームワークであることが、使ってみて驚いたという話が出ていました。作った萩本さん自身も、この驚きは感じたそうで、自分が作ったけれど面白いなあと思ったそうです。
講演であった物語とは具体的に言うと何なのか?
小さなアイデアを価値分析モデルのステークホルダー欄に記載し、価値デザインモデルでビジョンやコンセプトなど未来までのストーリーを書くことで俯瞰的な視点でアイデアを磨き上げることができることを「物語」として定義しているそうです。
会全体を通した感想
知情意の考え方は今回初めて知ったので、整理の仕方として面白いなあと感じました。
主語が大きすぎる話になっていないのかは気になりながら聞いていたのですが、参考書籍なども提示されていたので、そちらも見ながら再度動画を見返してみたいと思います。
*1:「人様に迷惑をかけちゃだめだよ」と言われたりしがち