agilepbl.org
こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
Opening
伊藤さんから簡単に今日の会の趣旨説明やスポンサー紹介、会の流れやグランドルールなどの説明がありました。
Jyozawa Shunsuke / Kondo Atsushi / NAKANO Eito / SOTOZAKI Kensuke / SUZUKI Mizuho - 騒がしい5人のスクラム生活~「はこレクト」作ってみた~
confengine.com
チーム開発未経験の3人がどのようにして初めてのチーム開発を行っていったのか?という話を聞いていきました。まずは、
といった取り組みを行ってスクラムの知識を底上げしたりスクラムに慣れたということです。
また、開発の中で、議事録を丁寧に書いたり、会話脱線防止係をおいたりといった工夫が挙げられていて、わいわい騒がしいチームの特性に合わせた工夫もされたということでした。
未経験で理解が浅いスクラムに苦戦したり共通認識のブレが頻発したりといった点には苦しんだものの、プロダクトのアップデートがインクリメンタルにされていく様子を見れたり、新しい技術に触れられたりチームで仲良く開発ができたりと、楽しい開発ができたというのは素晴らしいことだなあと思いました。
enPiT修了生の日常の仮説検証〜研修・業務でチャットを活用したら信頼と繋がりを得た話〜
confengine.com
続いてKatsuyaさんからPBLで学んだことを社会人一年目の現場でどのように活かしたのか?という話を聞いていきました。
enPiTでは、
- 問題解決に対する姿勢(=困りごとから考える)
- ふりかえりをする
- メンタリング
- テキストコミュニケーション
といったように様々なことを学ぶとともにKatsuyaさんはスクラムが大好きになったそうです。
もちろん現場でもこの経験は活かされたそうで、特に問題解決をする際に困りごとから考える姿勢は研修の際に役に立ったということでした。
具体的な例としては、新人研修で質問チャンネルがあるけれどなかなかそのチャンネルで話が聞けないという困りごとにフォーカスするために実況チャンネルを勝手に作ってみたエピソードを挙げてくれました。(この作ったチャンネルはフィードバック+ふりかえりをもとに改善を繰り返して最終的には研修で表彰されるまでになったそうです)
発表が上手で、会場も盛り上がった発表でした。
推し活カレンダー/All-about-your -faves-Calendar
confengine.com
続いて、こちらの発表を聞いていきました。
最初に、めちゃくちゃ具体的なペルソナを設定したそうで、その上でユーザーリサーチを実施し、処理フローを整理して開発を実施したそうです。(開発はMySQLの参照問題などに苦しんだものの最低限の機能開発はできたということでした)
アジャイル開発ではデイリースクラムミーティングをできる限り実施したり*11週間ごとに進捗報告をしたりチームの得意分野に合わせてタスク分担したりといった点を工夫しながら進め、最初は微妙な距離感があったチームも最終的にはいい意味で遠慮がなく1限に間に合うチームになったということでした。
デザイン力がめちゃくちゃ高いプレゼンで、過去に自分が経験したことのないプレゼン体験でした。
悔しすぎて授業が終わった後成果を出したチームの発表
confengine.com
続いて、enPiTの発表会では表彰されなかったことが悔しくて授業が終わった後も開発をやり続けた結果外部企業の成果発表会で賞をもらったチームの話を聞いていきました。
最初に、成果発表会で賞をもらったAI Speculation Quizの簡単な紹介を見せてもらいました。(めちゃくちゃ発想力が豊かなプロダクトで、ぜひ触ってみたいと思えるプロダクトでした)
その上で、このような成果を出せた理由として、
- 基本を抑えた上で工夫する(アジャイルソフトウェア開発宣言の価値観をまずは意識しながら、ふりかえりの中で適宜使えそうなものを取り入れていく)
- 価値を追求するなら0からやることを躊躇しない(途中で競合アプリが出てきた際、1から作り直しをすることを決定した)
- 粘っていればいいことがあると考えていた
を挙げてくれました。
パッション溢れる発表から突き通す力を感じて、すごく楽しい発表でした。
デモ展示
続いて、ここまで発表された方々を中心にデモ展示が行われました。
ただ、デモスペースが大盛況でデモを見るスペースが乏しかったことと、スポンサーセッションのスライド準備を急遽していたこともあり、デモを見ることはできませんでした。
その代わり、けんちゃんを拝んでいたり村上さんやkiroさんやまつしゅーさんやゆーじさんや47機関メンバーと雑談をしたり、リアルKatsuyaさんに初めてお逢いしたりしていました。
ランチ
豪華な(?)ランチを食べていきました。
一応ランチスポンサーですが、手配は全部きょんさんがしてくれていたので、自分は何もせずただご飯を食べているだけの人でした笑
ランチ中は、主に47機関メンバーとChatGPTや週末の話などを雑談していきました。
スポンサーセッション〜株式会社エイチーム〜
「スクラム開発を導入して得られたもの」*2というタイトルで、株式会社エイチームさんの発表を聞いていきました。
スポンサーセッションといいつつも会社紹介はそこそこに、実際に会社でスクラムを実践している様子を(スクラムイベントを中心にしながら)エイチームさんが抱えている引越し侍というプロダクトの刷新プロジェクトを例に説明してくれました。
スクラムを導入したことで、
- プロダクトの状況を全員が把握できるようになったことで、ステークホルダーがチームの状況を知ることができ、無理難題をふってこなくなった
- 自己管理的な組織ができたことで、マネージャーがチームの改善を行っていたのがチーム全員で改善する方向に変わった
というメリットが発生したという話や、スクラムを導入したことで出てきた課題の話などを素直に話してくれているのが素敵でしたし、一緒に学ぼうという姿勢を常に打ち出しながら発表されていたのも非常に好感が持てる発表でした。
話してきました。
計画通り1時間前に準備を終え、計画通りぶっつけ本番で突っ込んだので、計画通りの出来に落ち着きました。
地味に(?)47機関メンバーが対外的に話しているのはレアなので、勝手に興奮していました。
発言をすべて可視化したらわいわい開発できた件
confengine.com
続いて、RSGTやスクフェスですっかりおなじみになったうきうきなっとうさんから話を聞いていきました。
発表では、琉球AgileMiniCampで発明した
の2つのフレームワークの話を中心にしてくれました。
おーててつないでさあわたろは、同じことを同じタイミングで実施する際に活用するフレームワークで、付箋量を増やすためのKPTでの活用事例を説明してくれました。
このゆびとーまれは、違うことを違うタイミングで行う際に使用したフレームワークで、タスク分担の際に活用した事例を話してくました。
うきうきなっとうの方々の発表はRSGTでもスクフェス福岡でも聞いていますが、今回は10分バージョンにも関わらず発表の練度が上がっている様子を見られて、すごくよかったです。
琉球大学のDX化(RX)やってみよう!
confengine.com
続いて、沖縄から海を超えてやってきたチームの発表として、入構許可証発行手続きをペーパーレス化するプロダクトをアジャイル開発で実践した体験談を聞いていきました。
アジャイル開発初実践ということもあって、
- 初めて使うツールなので機能を実装するまでに遠回りしてしまう
- 依頼者と開発者の認識齟齬発生
- データ損失
といった課題が出てきたそうですが、チーム全員でいかに協力するのか?という点にフォーカスし、
- 関わる相手を知る活動を増やす
- 何を何のための目的で実施しているのか?を都度確認する
- バックログなどを活用した状況可視化
などの工夫を行っていったということです。
落ち着いた発表の中でも確実な前進や前に進む勢いを感じる内容で、素晴らしかったです。
筑波大生のための匿名掲示板「A+つくば」をアジャイル開発し、現在も運用している話
confengine.com
続いて、enPiTの中で開発した匿名掲示板*3開発の話(初期リリースから運用保守まで)を聞いていきました。
ファーストリリースは夏休みの一ヶ月で行ったそうですが、これはPOの熱意や短期的な締め切り, 2日に一回行ったデイリースクラム、開発者の高いモチベーションが寄与した結果だそうです。
その後運用保守をしていくにあたっては、使用したユーザーからのフィードバック*4を受けながら雑談スレッド機能を作ったり、質問をもっと見る機能を作ったということでした。
また、機能拡張していくのはユーザーに喜んでもらってユーザーを増やしてもらうためにやっているため、決してソフトウェア開発やソフトウェアの機能拡張だけにこだわっているわけではないというお話もありました。
最後には今後プロダクトが目指したい姿の話をしてくれたのですが、プロダクトの利益やCI/CDなどを通した開発効率の向上なども話されていて、全体を通してマチュリティの高さと視野の広さに驚かされる発表でした。
最高の開発手法、アジャイルを捨てよう!!
confengine.com
次に、MTGなどが多いアジャイル開発に疑問を抱き、アジャイル開発を捨てた結果起きた話を聞いていきました。
アジャイルを捨ててとにかく開発に集中した結果、最初は爆速でチケット消化が進み、フロントエンド/バックエンド含めあっという間に実装ができたそうですが、一週間位進むと頭の中がとっちらかってしまい、最低限情報を整理しようとした結果、5W1H(何を作るの?どうやって作るの?いつまでにやるの?)を中心に情報をまとめることにたどり着いたそうです。
後半はこの5W1Hにしたがって色々アレンジをしていくとWFやアジャイルに近づくのでは?という内容で、見たことがあるドキュメントや見たことがある風景が出てきて、どんどん発表に引き込まれていきました。
デモ展示
今度こそデモを...と思いきや、推し活カレンダーを作成していたチームの方々やazamiさんやKatsuyaさん、宮本さん...たくさんの方々がスポンサーブースに来てくださって、LTで話していたネタの深堀りなどをしていきました。
判断が遅い!ズ(仮)がいいチームになった話
confengine.com
続いて、筑波大学で今年のenPiT最優秀賞をもらったというこちらの発表を聞いていきました。
発表では、実際に作った「青い栞」を開発していく過程を中心にお話してくれて、以下のような工夫を紹介してくれました。
- 感謝の気持ちをひたすら投稿する遊び心を取り入れたチャンネル
- 自動デプロイパイプラインの構築
- 分散型休憩システム
- 並行作業と集中作業の活用(最初はモブで初めて次にペア作業、最終的には個人作業という段階を踏んでいった)
- 名言集(迷言集?)
- AMFのカスタマイズ
これらの工夫が生まれた背景として、いいプロダクトを完成するのはもちろん大事だけれど、それ以上にチームをうまいこと回す&残業0を目指した結果生まれてきた工夫だという部分が個人的にはすごくいいなあと思いました。
函館補完計画 : 序 〜助走付きスクラムを導入した話〜
confengine.com
次に、公立はこだて未来大学のプロジェクト学習でスクラムを実践した話を聞いていきました。
こちらのチームでは、スクラム未経験であるばかりかサービス開発をすることが半数メンバーにとって未経験だったが故にスクラムでモチベーション維持していくのが難しいと判断し、助走つきスクラムを導入したそうです。
具体的には、
- 非同期デイリースクラム(決められた時間の間に進捗をSlackへ投稿)
- なんちゃってスプリント(SMが宿題という形で学習タスクを設定し、発表)
- 無自覚なスプリントレトロスペクティブ(自分の行動でよかったところのみを挙げて褒めてもらう)
を実施したそうで、うまく助走できたことで楽しくスクラムを実践できたということでした。
自分たちのモチベーション維持を第一に、無理なく楽しみながら持続可能な開発をしている姿が印象的で、スクラムの楽しさがひしひしと伝わってくる発表でした。
enPiT修了生は、大学卒業後の一歩をどう選んだか
confengine.com
最後に、不確実性が高い就職活動でazamiさんがどのような道のりを歩んできたのかを聞いていきました。
最初は国家公務員を目指していたものの、enPiTでPBLやスクラムを経験したことで就職活動に対するモチベーションや取り組み方が大幅に変わったということで、以下のようなアプローチを就職活動では取るようにしていったそうです。
- 自分がやりたいことや考えていることをどんどん大人にぶつけてみる
- 自分をサポートしてくれるネットワークを独自に構築し、信頼できる先輩や信頼できるリクルーターに大事な面接前に壁打ちをお願いしてみる
- 内定先で実際にアルバイトをしてみることができないかお願いしてみる
全体を通して素晴らしい発表だったのですが、自分が楽しいことを大切にしている部分や、授業で経験したアジャイルをソフトウェア開発を超えた形で適用している部分、例え難しいテーマであっても自分の人生に関わるテーマに対して真摯に向き合い続けている部分の3つは本当に感銘を受けました。
デモ展示
ついにデモを見るときがきたか...?と思いきや、うきうきなっとうのふじえもんさんとはやとさんが来てくださり、
- 本の読み方
- アウトプットをインクリメンタルにしていくコツ
- 自分がしたアウトプットをどのようにふりかえりするか?
- 自分が楽しいことをし続けるために工夫していること
- パーソナルコーチングの話
などなど、いろいろな濃い話をすることができました。
RSGTでお話することはできたものの、そのときはワークショップ形式で形式的な会話に近い話しかできておらず、今回のような濃い話をすることはふじえもんさんとできていなかったので、満足感溢れる素敵な時間を過ごすことができました。
クロージング
最後に川口先生とChiemi先生からクロージングがありました。
簡単に今日の総括があった後、個々人のNext ActionやAgilePBL祭りというコミュニティのNext Actionを考えていきました。
以下のようなNext Actionが出ていました。
- この場の学びがより浸透できるように、これからも手を動かし続けたい
- なんでもかんでもやってみるのは大切にしつつ、登壇する際に内容を絞って言語化できるようになりたい
- スポンサーになれるように動いていきたい
- こういう場を作り続けていきたい
その後は、AgilePBL祭りができた経緯として、チームが経験するすべてのプロセスを経験できるような場を作りたいと思っていてその一歩として実施しているという話を聞いていきました。
この後の懇親会につながる素敵なクロージングでした。
全体を通した感想
素晴らしいセッションをたくさん浴び続けられて楽しかったのはもちろん、デモ展示の時間でスポンサーブースに来てくださったみなさんと濃い雑談をすることができ、めちゃくちゃ楽しかったです。
発表してくれていた方々が皆さんとにかく楽しそうだったのがすごく印象的で、自分自身が楽しめているか?を今後問い続けていきたいなあと改めて思いました。
初参加でしたが本当に充実した時間を過ごすことができて、大満足の1日でした。