こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
アジャイルコーチの天野さん家永さん木下さんのお三方がアジャイル実践者からのお悩みに回答するイベントです。
今回のテーマは、「長期的な予定のたて方とチーム外へのうまいみせ方は?」でした。
会の様子
前提条件
なんで誰に見せるのか?という部分に関して、
- BtoB環境で顧客に見せる
- BtoC環境で利用者に見せる
- エグゼグティブ層に見せる
という前提が置かれました。
基本思想
アジャイル開発を進めていくうえでの大前提として、虚栄ではなく誠実に事実を早めに伝えることが重要だという話が出ていました。
また、アジャイルでは、早い段階で顧客の期待とチームの実力のGapをなくし、重要なものから短期リリースして定期的に計画を更新していくんだというお話もありました。
プラクティスとしては、リリースバーンダウンチャートやユーザーストーリーマッピング、初回のリリース計画などが挙げられるということです。
Q&A
今回は、内容に入る前に参加者からのQ&Aがあり、そこで大部分の時間を使いました。
以下、質問と回答を一問一答形式かつ常体で記載していきます。
毎回のスプリントレビューで初回リリース予定の更新を変更し続けた結果、ステークホルダーからの期待値やチームへの信頼度が下がってしまっている。どうしたらいいのか?
- 結果として実態が示されることで信頼を獲得できている
- もし過剰にできない約束をしてしまっていると、どんどんバグが出て負のスパイラルに陥る可能性がある
- チームの能力が足りていないなら他チームの力を借りるのも選択肢としてはある
- アジャイルに限らないが、リスケするときには少しずつ延期するというよりは一回でばんと遅らせる必要もあると思っている
- やりたいことが増えているスコープクリープ的なことが起きていることを透明性によって示す
- 完全な実績が分かったり見積もりできることはあまりないので、幅を取って相手に見せる
- 意思決定に必要な情報を相手に提供し、hogeをやるとこれだけ時間がかかってしまうけれど、fugaをするとこれだけ時間が少なくなるよ、というのを提案する
スケジュール変更や実装すべき価値の量の変更にネガティブなイメージを持たれている。プロセスよりも結果しか見られないエグゼグティブ層にアプローチする良い方法はあるか?
- エグゼグティブ層を最初から巻き込んでおくとよい
- 最初にトレードオフ・スライダーを書いておく
- No Estimateの考え方を伝える
- とんちのような方法だが、100作らないときに60しかできていないときに、100作れていないことではなく60作れていることを重視して相手からどう見えるかを変えてしまう事例がある
会全体を通した感想
珍しく元々のテーマからは少しずれて参加者からの質問対応に大部分の時間を使ってくれたのですが、元のAgendaを変えてでも、困っていそうな状況に対して熱心に向き合うのがお三方らしくて素敵でした。
長期計画の問題は、アジャイルだからこそ難しくなるという問題ではなく、システム開発をしていくからこそ難しくなる問題だと再理解できました。