天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます

Agile Tech EXPO - New Normal Agile Episode 2に参加してきた

agiletechexpo.connpass.com

202107.agiletechexpo.com

今日はこちらのイベントに参加してきたので、会の様子と参加した感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、Connpassのイベントページから引用です。

 Agile Tech EXPO は、アジャイル開発を実践している方々、アジャイルに興味がある方々に向け、マインドやフレームワークに加えて、技術の最新動向をお届けするカンファレンスです。

全世界どこからでも無料で参加ができ、エンジニアに留まらず、どんな職種の方でもどんな業界の方でも、学生もユーザーも、どなたでもご参加いただける、交流の場を目指しています。アジャイルを一緒に勉強したい方、体験したい方、お気軽にご参加ください。

一緒に新しい学びの空間を創っていきましょう。

会の様子

時系列で会の様子を書いていきます。

アジャイルガバナンスとシビックテック

コード・フォー・ジャパン代表理事の関さんの発表でした。
技術は人を幸せにしてるか?という強烈な問いからスタートし、その問いに対して関さんなりの回答がされていきました。
旧来の地方自治体が取っていた伽藍モデルの問題点と、伽藍モデルからバザールモデルへ変遷していく意義や、COCOAをはじめとして実際にバザールモデルに変遷していくための過程も紹介されていました。
行政とアジャイル、行政とOSSというのは、あまり事例としても聴かないですし、なんとなく遠い所にあるような気はしていましたが、全然そんなことはなくて、むしろ行政だからこそアジャイルに、という話が印象的でした。
また、技術を幸せに使うために、行政の未来を良くするために、政治的な意思表示も気軽に、積極的にして欲しいという話も、今の自分にあまりできていない点だったので、刺さりました。

アジャイルガバナンスレポート(by 経済産業省)は講演の中で一部紹介されていましたが、読みやすそうですし、これまで自分があまり触れてこなかった考え方が多数紹介されていたので、是非読んでみようと思います。
素晴らしいkeynoteでした!

www.meti.go.jp

https://speakerdeck.com/halsk/aziyairugabanansutosibitukutetuku

マーケティングもリモート×アジャイルに ~ Agile Studio マーケティングチームの事例

岡島さんと川西さんから、マーケティングチームがアジャイルになっていった話と、アジャイルになっていく中で(主に川西さんが)感じた変化について話してくれました。
永和さんで、しかもマーケティングチームには平鍋さんも在籍しているということだったので*1、最初からアジャイルに活動していたのかと思っていましたが、全然そんなことはなくて、より成果を出そうと試行錯誤した結果、元々4半期に一度やるかどうかだったふりかえりが、高頻度(その日に何かイベントを行ったりした直後)になっていったりと、一つ一つステップを踏んで成果を出していったという話を聞けたのが良かったです。
透明性が高い文化を感じられたのも印象的でした。

世界50万人が学んだ「スクラムマスター」トレーニングとは?

Joeさんのスクラム研修がどんな構成なのか、どんな雰囲気なのか、という話をしてくれました。
話はJoeさんらしい楽しい空気、優しい空気で終始行われていました。自分自身がJoeさんの研修を受けていたこともあって、エモさもあり、楽しかった研修を思い出すきっかけにもなり、最高でした。
参加者のみに共有された資料もあり、アジャテクの場でJoeさんの話を聞くことができて良かったなあと思える話でした。

過去に研修参加した際のスライドを貼っておきますので、興味がある皆さんは是非参加してみて下さい!

aki-m.hatenadiary.com

aki-m.hatenadiary.com

 

あじゃてく Lightning Talks

恒例のLTセッションが今回も行われていきました。
5分に凝縮された内容がLTという形でぎゅっと詰まっていましたし、どのセッションも各社&発表者個人の色が出ていて最高でした!
個人的には、ユーフォリアさんの発表で、「アジャイル開発とスクラムのボールがアメフトボールになってしまっている。。」という話がツボでしたw

なぜ、アジャイル開発はうまくいかないのか?~プロダクトオーナーをサポートすれば、きっとうまくいく!~

サービスのオーナー企業と自社(開発会社)との関係ごとに、プロダクトオーナーがどういう罠を踏みやすいのか、プロダクトオーナーに対してどのようなサポートをしていくべきか、という話がありました。
チャットの方を見ていても、みなさんPOのサポートに苦心していたり、忙しくなりがちなPOが中々機能せずに様々な工夫をされているようだったので、自分自身も勿論、具体的にどのようなサポートをPOにしているのかが聞けて有意義なセッションになりました。

技術を楽しむ設計

技術書典を主宰されている日高さんから、技術を楽しむために開催されている技術書典がどのようにデザインされているか、という話をしてくれました。
技術者の方々だと一度は聴いたことがあるであろう技術書典の裏側や、COVID-19をはじめとした、様々な苦難や失敗、それらの失敗に対して技術でどのように対処してきたのか、という話を聴くことができました。
keynoteにあった、人を幸せにする技術をまさに体現した話だなあと思いながら、聴いていました。
失敗を致命傷にしない、参加者の皆に失敗を公開して後戻りがしやすい設計にする、といった話については、イベント運営の話ではなく、システム開発でも言えると思うので、現場でも生かしていきたいです。

最後に、技術書典には、自分が一部執筆した本も出典されているので、宣伝させてくださいw

 

booth.pm

techbookfest.org

medibaにおけるアジャイル実践記

森竹さんから、medibaでアジャイルを推進するにあたって、具体的にどのような取り組みをボトムアップでしていったのか*2という話を伺っていきました。
話の具体性が高かったので、幾つかの事例は実際に現場に適用できそうなものが多くありました。
読書会の話などは、発表から派生して、チャットでブログを皆で読む会を開いている話など、森竹さん以外の知見も伺うことができたのも良かったです。
順調に一歩一歩進んでいるように見えたところで、いきなりチームメンバーが半分変わるなどといった様々な苦難が起きて、その中でもやれることを確実にやっていった森竹さんのお話は、森竹さんの語り口も相まって、心にしんみりとささるプレゼンテーションでした。

雑談対話ロボットをAgileに作る

雑談ロボットという、どういう状態になったらゴールと言えるのかというのが中々見えないプロダクトを、実際にどのように開発していったのかというのを発表してくれました。
ロボットの開発にあたって、ニューラルネットワークをはじめとした技術要素は勿論ですが、より人間らしい自然な対話とは何か?という分析や、実際にユーザーからのフィードバックをどのようにしてプロダクトに活かしていくのかという話...プロダクト開発に必要な内容がぎゅっと20分に濃縮されていた印象深い発表でした。

あじゃてくらしい、高い技術力とアジャイルが融合した話を聞くことができて大満足でした。(発表にあった内容を詳細にしたもののリンクを↓に貼っておきます)

qiita.com

また、実際に制作したRomiちゃんも登場していましたが、相槌も打ちながら自然な会話をしてくれていて、めちゃくちゃかわいかったです!

romi.ai

インフラチームのアジャイル実践ジャーニー

自分自身と同じ金融ドメインの発表ということで、楽しみにしていた発表でした。
高頻度でリリースすることが難しかったり、クローズドな業界で中々発信をしていくのが難しかったりという制約があると思うのですが、これらの制約の中でいかに最適解を考えたか、というお話が聞けて、目から鱗の発表でした。
専門かという立場でコンシェルジュという役割を意図的に置いたり、組織構造やチームの体制を大胆に転換したり、スキルアップを自然としたいと思えるようなレーダーチャート作成したり、チームで英語しか使えない縛りを作るなど*3、一つ一つ考え抜かれた施策が紹介されていて、学びが深かったです。
「無理な理由を探さずに、できなくてもいいからやれることをまずやってみよう」という話はとってもよく刺さりました。

www.youtube.com

プログラマとしての良心に従い続けるためにはどうすれば良いのか?

プログラマとしての直感に反する行為*4に対して向かい合うために、ソニックガーデンが取っている「納品のない受託開発」という戦略の説明を具体的にしてくれました。
コードレビュープロセスや、継続的なプロセス改善に伴う技術的負債を作らない仕組みを聴くことができたのも勿論良かったのですが、「プログラマの良心を無視してエンジニアリング組織を設計することはできないし、プログラマの違和感を組織に反映させやすいような組織設計にしていくんだ」という最後の話が非常に共感できる話で、最高のプレゼンテーションでした。
また、最後のプレゼンテーションだったということもあり、今日のこれまでの発表であった内容を引用して、今日のイベントを締めくくるような内容になっていたのもエモかったです。

会に参加しての感想

Agile Tech EXPOらしく、今回も盛りだくさんのコンテンツでした!
セッション同士の合間にもAsk the speakerで発表者から直接話を聞けたり、今日この場だけのイベントが開催されたり、息をつく間もないくらい大盛り上がりしたイベントだったので、今回も参加することができて良かったです。
どのセッションも印象的でしたが、全体を通して技術的な要素が多く含まれた発表が多く、あじゃてくらしいというかあじゃてくでしか聞けないような発表が多かったのが、とっても良かったです!
また、セッション間の移動をスムーズにしてくれるための案内や、発表中気になった情報をDiscordで丁寧にフォローしてくれたりと、運営の皆さんのお陰で、より楽しめたのかなと思っています。どうもありがとうございました!

*1:冷静に考えて、社長がスクラムチームにいて、しかも非POというのは中々普通の会社ではない話で凄いですね!

*2:社内外のイベント開催、読書会、チームビルディングで実際にやった手法(偏愛マップやニコニコカレンダー、独り言からの雑談...)、Gatherを用いた場づくりの工夫

*3:英語のスキルアップ&日本語が話せないメンバーとのコミュニケーションを強化することが目的

*4:テストは機能を直接作るわけじゃないからいらないよね、設計する人/開発する人...のように細かく分類する...