天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

JaSST nano vol.1に参加してきた

jasst-nano.connpass.com

今日はこちらのイベントに参加してきましたので、感想と会の様子を書いていこうと思います。
いつの間にか凄い人数が参加するイベントになっていて、最初は定員制限に引っかかって入れない状態でした!笑

会の概要

以下、Connpassのイベントページから引用です。

JaSST(ソフトウェアテストシンポジウム)は東京を始めいくつかの地域で発表を募集していますが、なんだか審査もあるみたいだし、ちょっとハードルが高いという声を耳にします。そこで、誰でも気軽にトークできる小さな小さなJaSSTを始めてみることにしました。

名前は「JaSST nano」です。「こんな気軽でもJaSSTなの!?」という意味合いで名付けました。

1ヶ月に1度、19:00から1~2時間、オンラインで開催します。テーマはソフトウェアのテストやQA、品質に関することなら何でも構いません。レベルとか質とか関係ありません。話したい人が話したいだけ話す、という趣旨です。発表したい人は5分から90分まで好きな時間で申し込んでください。

気軽に参加できるJaSST、最高ですねー

オープニング

西さんからJaSST nanoを開催した経緯について話がありました。
JaSSTは審査があって中々登壇ハードルが高いということで、今回のJaSST nanoが開催されたということです。
ちょっと話してみたい人の話を飲みながら食べながらゆったりとリラックスして聞く、という会とのことです!

LT大会

ちょっとした工夫でリモートワークでも伝わりやすいバグ票のコツ@かわくみさん

画面キャプチャを載せる時、キャプチャの代わりに動画を載せるようにした所、バグの再現確認がしやすくなったという話でした。
確かに画面キャプチャよりも分かりやすい場合もありそうですし、画面キャプチャに文章で補足したりする手間も減りそうで、良い取り組みだ!と思いました。
画面キャプチャをデフォルトで取得すると、探索的テストの様子など、スキルの伝承にもつながりそうだなあーと思っていました。

"映え"を評価する~UXテストの取り組みなの~@HOLLYさん

タイトルからして既に面白いことが確定していそうな発表でした笑
発表内容はプロダクトリアクションカードやインプレッション・テストを組み合わせてUXを詳細に分析してみているという話で、実践的で面白かったです。
プロダクトリアクションカードについては、存在は知っていたものの118個はちょっと多いし使いにくそう...と思っていたのですが、単語を118個の中から選んでもらうのではなく、ランダムで7つ抽出して、その中から選んでもらうようにすることでリアクションをしやすくした、という話は目から鱗でした。

QA素人がゼロからQA組織を立ち上げるの@石橋さん

どういう課題感を持ってQA組織を立ち上げたのか、実際にどういうプロセスを経てQA組織を立ち上げたのか、という話を伺うことができました。
結果ではなく、結果に至るまでのプロセスだったり、QAがいないことによる問題意識について詳細に深堀をしていたので、大変最高になりました。
自分の所属するチームで抱いている課題感も幾つかあり、課題をより深堀できたものもあり、発表を聴くことができて良かったです!
↓参考記事

qiita.com

TOEIC500点未満だった私がアメリカに赴任してQA組織を立ち上げたの@ひでちんさん

冒頭のラーメンの話と、途中にあった英語をどうやって勉強したかの話に吹き出しました

石橋さんに続いてのQA組織立ち上げの話だったのですが、石橋さんがQA組織がいないとどのような悪いことが起きるのか、どのようにQA組織を立ち上げることを経営陣に説得したか、という話だったのに対し、ひでちんさんは採用やオンボーディングについて焦点を当てた話をしてくださり、二つ合わさってバランスの良い発表でした。
採用の話もオンボーディングの話も難しいテーマですが、nanoらしく、ちょっとしたコツを聞くことができて、良かったです。

テストの7原則から学ぶ恋愛のヒントなの@もがねさん

タイトルの通り、テストの7原則を恋愛に例えて、初心者でもテストにおける原則を理解しやすいように説明してくれるという発表でした。
個人的には、殺虫剤のパラドックスを恋愛で説明していた、喜ばれたからと言って同じデートスポットに行き続けたり、同じ料理を作り続けたりするのはやめましょうという話と、恋愛のシフトレフトが最高でしたww*1
テストの7原則以外でも、是非話してほしいと思いましたw
プレゼンテーションがとってもお上手で、TwitterもZoomのチャットも大盛り上がりでしたw

10年選手なプロダクトの品質向上に挑むの@renさん

自分も歴史が長いプロダクトを開発しているので、プロダクトの品質向上をさせるために立ちはだかる課題が似ていたので、品質特性の活用方法や、ドメイン知識を獲得する方法として、要件定義を顧客とする場を活用するという話は参考になりました。
新卒2年目ということですが、発表もめちゃくちゃ堂々とされていて、できることから少しずつ、漸進的に品質の作り込みをされていて、純粋に尊敬しました。

テストケースってなんなの?@やまずんさん

普段開発していて何気なく使用する"テストケース"という言葉に焦点を当てて、どのような定義が"テストケース"という単語にはあり、様々なテストケースの背景があるよね、という話をしました。
自分の職場でも、チームによってテストケースをどういう用途で使っているのか、どういう構成要素がありどういう違いがあるのかを改めて考えてみて、テストの弱点を見つける手がかりにしていきたいなーと思いました。

行ったことない新興国で触ったことないプロダクトのQAを2週間で立ち上げたの@とくさん

タイトルからしてとんでもなくすごい話なのですが、想像通りとてつもない生命力と何でも楽しんでしまおうというマインドが見受けられる発表でした。
目標を明確に定義して具体的に何をするか考えるのではなく、今より良い方向にするためにできることを、楽しみながらやっていく様子が伺えて、刺激を受けました。
また、分かりにくい言葉にあれこれ定義づけしたり、専門用語を多数使ったりするのではなく、伝えたいことをシンプルに相手に向かって話す、というのも参考になりました。

テストケースを作ってもらうときに気を付けていたことをお話するの@ぞのさん

JSTQBシラバスにある理論的な説明を、現場でテストケースを作る時に如何に意識していたのか、という話をしてくれました。
自分もJSTQBシラバスは一通り読んで、ぞのさんと同じように、勉強して参考になったけどこれを現場で適用させる所は一筋縄ではいかないことを実感していたので、共感できる内容も学びも多かったです。
試験のメタファーでテスト分析、テスト設計、テスト実装を捉える発想が面白かったです。

全体を通した感想

次回以降どういう形式になるか分かりませんが、今回はお手頃ですぐに実行できる話やゆるいけど考えさせられるような話、ただただ面白い話など、バラエティーに込んだ発表を多種多様な参加者の方から聞けて最高でした!
Twitterで普段様子を拝見している方々の発表も聴けて楽しかったです!

 

*1:リグレッションテストは価値があるので家事はやりましょうという話もありましたw