こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
以下、イベントページから引用です。
「合宿をしなさい。形式的な会議で決めることはできない。合宿をし、一緒に飯を食い、泊まって徹底的に話をする。
そうすると、形式知は脱ぎ捨てられ、自分の主観で話をするようになる。そこからはじめて、一つの共通理解が生み出される。この過程をみんなで踏みなさい」これは『アジャイル開発とスクラム』に掲載されている野中郁次郎氏の発言(一部抜粋)です。
まさにこの言葉に合宿をやる意義が凝縮されていると思います。
とはいえ、準備などのことを考えると合宿をやるのに二の足を踏んでしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回のウェビナーではそういった方の背中を少しでも押せるように、合宿経験者がそれぞれの事例をお話しします。
会の様子
チームに協働の意識を芽吹かせる合宿のススメ
最初に小泉さんの講演を聴いていきました。
小泉さんは2023年7月から2024年3月に至るまで合計4回合宿をしているそうで、合宿を行うにあたっては、最初に計画&準備をしているということでした。
計画&準備はメンバーからの疑念噴出などがでてくるタイミングということもあって一番大変ということで、予定日だけ仮決めしてしまい、少人数であればAirbnbで家も借りてしまうのがよいと思っているというお話がありました。
こうすることで、なしくずし的に合宿をやることが決まっていくので、おすすめだということです。
合宿当日は最初はタイムライン作成などでinputから入り、1日目の飲み会で関係性向上のためのワークショップをするところが一つの山になるということです。ワークショップに関してはドラッカー風エクササイズを活用して時間制限などがない状態でリラックスして自己開示をするのが重要だということでした。
ドラッカー風エクササイズに関しては、場が温まってきたタイミングではB面を実施するのもおすすめだということでした。
他にも、ジョハリの窓からこんにちはゲームをするといったワークショップもおすすめだそうです。
どんなワークショップをやるにしても、緊張感が多少あるような自己開示をすることが大切で、何をやるかよりもなぜやるか?を大切にすることが重要だということでした。
こうしてワークショップを実施して関係性を作った後は、ラディカルビジョンステートメントなどを活用するなどしてビジョンを設定したりするということです。
最後に、合宿後は、満足度調査をすると評価のハックができてしまうため、仕事につなげるまでが合宿であることを最後に共有することが重要だということでした。
株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ様と2回合宿したお話
続いて渡辺さんから、オンラインでずっと仕事をしてきた中、ようやくコロナが明けてオフラインで会えるタイミングでクライアントと実施した合宿に関して話がありました。
最初の合宿では、
を実施し、2回目の合宿では、あだ名で呼び合うという工夫をしたうえで、
- 感情曲線を活用したふりかえり
- 未来日記を作成し皆が見える場所に貼る
- お困りごと相談会+懇親会
を実施したということでした。
2回の合宿を通して、リモートでは気づかない気づきがあったり、相手の理解が深まったり、チームで笑いが増えたというお話がありました。
合宿はいいぞ
続いて上坂さんから、チーム立ち上げのタイミングでキックオフ合宿をしたエピソードに関して話がありました。
色々な取り組みをしたためすべてを今日のイベントで紹介することは難しかったということでしたが、以下に実施したコンテンツを記載していきます。
互いを知る(1回目の合宿)
POから直接「こういうサービスを作りたい」という話を聞いたり、偏愛マップで自己紹介をして懇親会を実施したということです。
チームビルディング(1回目の合宿)
なぜここを各メンバーから洗い出し上でチームメンバー決めを実施したということでした。
お別れ会(1回目の合宿)
ジブリの森美術館に行って、雑談をしたりしながら素晴らしい合宿をふりかえりしたそうです。
2回目の合宿でやったこと
1回目の合宿が成功したこともあり、2回目の合宿も実施したということです。
ドラッカー風エクササイズを実施したり、バリューズカードを実施して、チームの価値観とそれぞれの人生で大切にしたいことを確認したりして、最後は深大寺を巡ったということでした。
なぜ研修を合宿型でやるのか?
最後に木下さんから、合宿型の認定スクラムマスター研修を反転授業の形式で実施した話を聴いていきました。
研修所までバスで合宿施設(ルポの森)へ移動した後、4人×4チームを組んで研修を行ったそうです。
研修の中では、社内見学をした後に紙飛行機ワークショップを実施したりしたということでした。
研修の後は飲み明かせるスペースを用意して懇親会を行い、研修の最後には、「スクラムとはなにか?」を各チームでOutputしてもらうようにしていたそうです。
こうした研修は、反転授業活用して設計したそうですが、同じ経験をしてもぜんぜん違う見方をしたりする人や経験から考えると突飛なことをやってしまうような人が出てくることが大切だと考えているそうで、コルブの学習モデルを回す中で個々人がぜんぜん違うことをしてもらえると嬉しいという話がありました。
Q&A
発表の後はQ&Aがありました。以下、質問の内容と回答を常体かつ一問一答形式で記載していきます。
泊まりで合宿する場合、平日に開催するのか?土日に開催するのか?勤怠はどうしているのか?
どちらもある。土日開催なら休日出勤扱いにしている。合宿をやると決めて会社と相談したらうまくいった。
合宿を嫌がるメンバーはいないのか?
- 合宿が嫌という人はあまりいないと思っていて、家庭事情で自分だけ参加したくないのが嫌という人はいると思っている
- 過去には経験がない。もしいたら、「何をしたいのか?」と聞かないようにする
- 過去に経験がない。もしいたら、嫌な理由を直接聞いてそこに対処すると思う
合宿は狙って効果を出しに行っているのか?狙わずに効果が出ているのか?
- 実際は狙っている。食べたり飲んだりしてリラックスしながら関係性を深めるのは鉄板だと思っている
- ご当地のお土産を持っていって雑談をしたり、美味しいご飯を食べにいったりしている
- 狙わずともお酒を持って話をするだけでも全然違うと思う
合宿人数の上限はあるのか?
- 人数が多い場合は人をグループ分けしていた。15人なら3チームに分けるなど
合宿でやらかしたエピソードはあるか?
- PO忙しい問題により、POがずっといてくれなかった(懇親会だけ死守していた)
- 付箋を壁に貼ったりして色々書いた結果壁が汚れたり、道具が使えなかったりした
- タイムキープが難しかった。ワーキングアグリーメントを作るときは特に苦労した
会全体を通した感想
自分は、はじめてオンサイトでイベントに参加したときも、合宿に初めて行ったときも、オンラインとはまるで違う感覚をうけたので、お三方のどの話に関しても共感がありました。
チームで合宿したことはまだないので、今日の発表を聞いてぜひやってみたいと思いました!