天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

Markin' Quality 第13回:ソフトウェア品質をリードするために・2に参加してきた

markin-quality.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

品質の話を会社でするのは、どんなときでしょう。市場で不具合が発見されたときでしょうか。プロダクトの動作保証をどうやってやるかを議論するときでしょうか。リスクの大きさを語るときでしょうか。テストは品質保証(QA)の重要な話題です。非常に重要であるがゆえに、品質保証といえばテスト、もっと言えば、品質といえばテストの話と捉えられることもあります。一方で、品質は経営課題でもあります。品質を上げて、自社にとってどううれしいのか。それを経営陣に語ることができるQAエンジニアは(特にリード職において)欠かせない存在になっています。不具合ひとつで会社が傾くことも、あるのですから……。

会の様子

導入〜品質ナラティブの説明〜

責任ナラティブ*1/検証ナラティブ*2/価値ナラティブ*3といった3種類の品質ナラティブの紹介がありました。

このうち、検証ナラティブはかなり考えられている一方で、価値ナラティブはあまり考えられていないというお話も出ていましたが、重要なのは3つのナラティブをそれぞれバランス良く考えることが重要だということでした。

それぞれのキャリアを品質ナラティブでふりかえる

簡単に定義の説明があった後は、メンバーそれぞれは責任ナラティブ/検証ナラティブ/価値ナラティブがキャリアの中でどのように変遷していったのか?という話を聞いていきました。
それぞれのキャリアが聞けつつ、価値観や仕事に対しての考え方がどのように変わっていたのかの話や、組織の成長に伴い品質ナラティブのバランスがどのように変化したのかが聞けて、非常に面白かったです。
特に、KEN-sanの(友達の)組織変遷の話と、各フェーズでQAの仲間やQAプロセスの整備をどのような考え方のもとで行ったのか?という話が聞けたのは最高でした。*4

全員品質

全員品質とよく言われているけれど、具体的にどのように実現するの?という点がyoyaさんは気になるそうで、QA界隈でよく言われている全員品質の考え方*5と責任ナラティブの関係性について話をしていきました。

最初におおひらさんが、プロダクトの価値が最終的には重要なんだから、チーム全員でユーザーやビジネスの解像度をひたすら上げ続けることが全員品質の一つの形になるのではないか?という話をしてくれました。

この話を受けて、Markさんもソフトウェア開発に捉えられているだけでは結局だめだという話をしてくれて、如何に使ってもらえるプロダクトになるのか?を考えるのが重要だということを強調してくれました。

また、Mugaさんから、全員品質は世界観の一つとして考えられるのではないかという話や、Question Askerとしての役割をQAがはたすことが重要だと考えられるんではないか?という話も出ていました。(yoyaさんはQuestion Askerへの一歩として、内省が始まることが一つのシグナルだという話をしてくれました)

KEN-sanは、ユーザーの価値を考えるといった部分は重要だと思いつつも、KEN-sanの目の前にある課題(Tech企業に存在するプロフェッショナリズムが高いメンバーのパフォーマンスを発揮するのを阻害されているものをなくしたい)を見ていくのが現状だということで、あまり今のフェーズで全員品質やユーザーの価値を皆で考えようというところは見えてこないなというお話をされていました*6

会全体を通した感想

JaSSTの2次会イベントだったということですが、1次会に参加していなくても充分楽しめるイベントでした。
いつもと違って?話の収束や議論の整理をMarkさんががしがししていたので、話にメリハリが出ていたように個人的には感じました。

そして、最後のめちゃくちゃなパスを見事に処理するmugaさんはさすがでした笑

*1:品質のオーナーシップ。誰が品質に責任を持つかが考えられる

*2:品質向上のソリューション。品質向上につながる正しいテスト技法やテストツールといったHOWが扱われている

*3:品質への投資とリターン。品質の見返りを考えられている

*4:友達の話ということではありますが、組織の話だったので具体的な内容に関しては一応伏せておくことにします

*5:メンバーそれぞれが「品質」に対して自分自身の役割を理解している

*6:もちろん議論をしていくことは重要