こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
天野さん木下さん家永さんのお三方がアジャイル実践者のお悩みに答えていくイベントです。今日のテーマは、「開発進捗が芳しくない場合にスクラムマスターがやることは?」でした。
会の様子
前提整理〜芳しくないとは?〜
まず、開発進捗が芳しくないとは何か?という話をしていきました。
- リリースバーンダウンチャート通りに進んでいない
- 毎スプリント、次のスプリントにPBIが持ち越しされている
などが状況として挙げられるのではないか?という話が出ていました。
チームが問題に気づくためにどうすればよいのか?
透明性を上げることが一つの方法として挙げられるということで、例えばリリースバーンダウンチャートを毎日記録したり、ベロシティを定期的に計測することが重要だというお話が出ていました。
チームが問題に気づいているが行動しない場合はどうすればよいのか?
上記のような施策を取って問題に気がついた場合、どういうことをするのか?という話が次に出ていました。
最初のステップとしては、皆でリリースバーンダウンチャートやベロシティを見て、プランニングのタイミングで「このままでは終わりそうにないよね」といった問題提起をまずすることが重要だということでした。
ただ、問題提起をするだけでは悪い言い方をすれば「ただ言っているだけ」の人になってしまうため、そこから施策を打っていくことが重要だということです。
ありがちな問題に対する施策
問題提起をした後の行動例として、パターンごとに話がありました。
リリースバーンダウンチャートが最初から基準線の上
予定通り着地しないことが分かっているのに放置されていることが問題であり、これは、
- 希望的観測が常にされている
- 何が何でも全部やりたいという気持ちがある
- エンジニアとして「できない」を言いたくない
- 調整コストが高すぎる
といった原因が考えられそうだということです。
そのため、外部ステークホルダーやPOとの調整をしたり、希望的観測ではなく実績に基づいて根拠ある判断をしたり、一旦立ち止まってチームで話す時間を設けるのが良いということです。
リリースバーンダウンチャートが徐々に基準線から遅れてくる
ベロシティが下がってきているのであれば、その原因を考えて仮説を立てることがまずは必要だという話が出ていました。
典型的な原因としては、技術的負債の蓄積やバグの数の増加、問い合わせの数の増加などが考えられるということです。
原因ごとに対策を打っていく必要がありますが、完成の定義を強くしていくことは一つの対策として取れるというお話がありました。
他にも、純粋な技術スキル不足を解消するために研修を実施したり、外部のプレッシャーを和らげることも方法の一つだということです。
会全体を通した感想
透明性を上げるために取る施策がベロシティやリリースバーンダウンチャートというのは少し意外でしたが、何も取っていないチームであればはじめの一歩としては十分効果があるものなのかな、とお三方の実践経験を聞いて感じました。
そもそもの話をしながらも聞かれた問題に対して真摯に回答している様子は非常に勉強になりました。