天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

アジャイルカフェ@オンライン 第39回に参加してきた

agile-studio.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

アジャイルコーチの木下さん家永さん片岡さんのお三方が、アジャイル実践者のお悩みに対してあれやこれや考えてくれるイベントです。(普段は木下さん天野さん家永さんのお三方が答えてくれますが、今回は天野さんが不在でした)

今日のお題は、「スコープMAXになりがちだなと思いますが、スコープを絞るためにやると良いことを知りたいです」でした。

会の様子

スコープMAXとは?

質問にあった、「スコープMAX」とはどのような状態か?という部分がどういう意味なのか理解を合わせていきました。

必要だと思われている機能のうちすべての機能が作られることをイメージしているということで、このイベントの場での理解は合いました。

優先順位づけ

牛尾さんから木下さんから聞いた話として、「日本の場合は優先順位づけというと10個のうち1-10まで(少なくとも1-8くらいまで)決めることがイメージされるが、アメリカだと1-2個何を最初にやるのか決めることがイメージされがち」という話の紹介がありました。

後者の(牛尾さんが言うアメリカの)優先順位づけができていれば、スコープMAXにはなりにくそうだよね、という話がありました。

スコープMAXになる理由

続いて、スコープMAXになりがちな理由に関してディスカッションがありました。以下の内容が挙がっていました。

  1. 機能ばかりのバックログになっている
  2. アジャイル開発の優先順位づけというコンセプトが伝わっておらず、スコープを削ることに合意ができない(本当にコンセプトが伝わっていないのかはいつも疑問に思っている)
  3. 優先順位づけの方針や優先順位づけのプラクティスを知らない
  4. 開発者(プロダクトを作る人)がオーバーコミットしてしまい、「すべてやります」と言ってしまっている。予算取りしちゃって全部作ることが「約束」されてしまっている
  5. 開発者とプロダクトオーナーのパワーバランスが壊れている

スコープMAXになりがちな状況を打開する方法

スコープMAXになりがちな理由に対して話した後は、挙げられた理由に対してどのように状況を打開していくのか?という話がありました。以下、「スコープMAXになる理由」で挙げた理由それぞれに対してどうやって打開していくのか?という話を書いていきます。

  1. ユーザーストーリーの作り方を学び、タイトルで「こういう部分がユーザーにとっては嬉しい」という話をする
  2. ステークホルダーが入れ替わっていないかや主要ステークホルダーとのコミュニーケーションをSMが率先して担う(ただしこれだけやって解決することは少ない印象がある。例えば、コミュニーケーション不全になっている別の原因がある)
  3. インセプションデッキをやっておく。特にトレードオフスライダー
  4. Whyに立ち戻る。本当にこれ全部作る必要があるんだっけ?というのを話し合っていく
  5. ベロシティやリリースバーンダウンチャートなどを活用し、「ここまで自分たちはできるよ」というのを常日頃からモニタリングしておく

会全体を通した感想

アジャイル開発の優先順位づけというコンセプトが理解されていない」「アジャイル開発の理解が足りない」という話が出た後に、本当にそうなの?といつも思っているという話が木下さんから聞けた部分が個人的には一番面白かったです。

今日は天野さんがいない変則的な会でしたが、片岡さんが見事に代役を務められていて、いつもと違う視点での意見が活発に出ていたのが印象的でした。