2023年は学んだことをプロポーザルにしたためるという取り組みをした結果、70個くらいのプロポーザルを考えることができ、参加予定の各地域スクフェスに複数本のsubmitをすることができました。
本記事では、このような取り組みに至った過程や取り組みの効能に関して説明をしていきます。
confengineのポイントがもし溜まったら、もう少しプロポーザル出そうかな...
— aki.m (@Aki_Moon_) 2023年10月8日
学んだことをプロポーザルにしたためておく習慣をつけたお陰で70個くらいプロポーザルがあるから、「プロポーザル何だそう...」から「プロポーザルどれを出そう...」になったのは今年の成長ポイントかもしれない
やっていること
タイトルに書いた通り、勉強したことを定期的(1日1回)にプロポーザル形式でまとめるようにしています。
プロポーザルの形式は、confengineの形式に準拠しています。
このような取り組みに至るまでの過程
2022年、各地域のスクフェスを中心としたカンファレンスにプロポーザルを出し続けていたのですが、プロポーザルのネタがないことに対して常に悩み、プロポーザルの締め切り直前に慌ててプロポーザルを考えることが続きました。
その際、以下のような問題点が発生しました。
- プロポーザルを考えるのにかなりの時間を要すため、スクフェスに連続して参加するとプロポーザルを考える→登壇の準備→プロポーザルを考える...という状態になり、日常的に学習に充てる時間が減少してしまう
- プロポーザルを考えるのが締め切りギリギリまでずれ込んでしまった場合、プロポーザルを書いた時点での話す内容のイメージと登壇時点での話す内容のイメージの乖離が大きい(プロポーザルにlikeをつけてもらった人の期待と実際の登壇内容が乖離する可能性がある)
- 上記問題点が発生することにより、カンファレンスでの登壇に対するモチベーションが低下
カンファレンスで話すことの意義には普段学んだことの棚卸しと学んだことを色々な人に伝えることなどが自分の場合はあるのですが、上記に記載したような問題点があることからそれまでのやり方はもっと改善の余地があるのは自明で、何かしらの工夫ができないか試行錯誤していました。
そこで、まず最初に試してみたのが、プロポーザルを1つのカンファレンスに10個出すことを目標にしてみることでした。
10個プロポーザルを書いて一気にリリースしようと思ったんだけど、confengineの仕様的に無理だった…
— aki.m (@Aki_Moon_) 2023年1月20日
結果的に仕様上10個出すのはハードルが高いことがわかったのですが、この取り組みをした際、これまでの自分は以下のような思考回路を辿っていたことに気が付きました。
- カンファレンスにプロポーザルをsubmitする直前に話せる一番良い内容を考える
- 現時点までで学んだことを統合して何かしらカンファレンスで話せるような話にできないかを考える
- 2の取り組みは直前のカンファレンスでもしており、その結果生まれているのが直前のカンファレンスのプロポーザルのため、直前のカンファレンス〜現時点で何かしらカンファレンスで話せそうな内容がないかを考える
同時に、このとき2や3の「統合」が自分にとってはハードルが高いことに気が付きました。
何かしら問題意識を持って何かを学んでいるのですが、問題意識は移り変わることが多い上に、特にその移り変わりを記録しているわけではなかったので、話を一つにすることが難しいためです。
そこで、何かしら問題意識を持って何かを学んでいる際に、snapshotを細かく取るようにすれば、プロポーザルが書きやすくなるのでは?と思いました。
このsnapshotを取る際には、どうせならconfengineのプロポーザル形式に沿って整理しておくと後でプロポーザルとして取り出しやすいですし、プレゼンテーションを作るとなると問題意識やその問題意識をどのように解決するのかを言語化することが必要になってくることが多いので、学んだことの整理もなると考え、プロポーザルとしてまとめるようになりました。
この結果、後述するようなメリットを感じるようになり、一つの勉強方法として日常的に用いるようになりました。
プロポーザル形式で学んだことを整理することで得られるメリット
プロポーザルを書くまでにかかる時間の削減
プロポーザルは日々少しずつ整理しているので、たくさんの学んだことを整理していた以前と比べて、プロポーザルを書くまでにかかる時間が80%ほど短縮されました。
ハイペースで色々な種類のプロポーザルを出せる
プロポーザルが日々学習すればするほどできあがるので、色々な種類のプロポーザルがどんどんできて、カンファレンスにプロポーザルをsubmitする際は、
- そのカンファレンスのテーマ性
- カテゴリーのバランス
- 既に出ているプロポーザルとのバランス
を考慮して、手元にあるプロポーザルの中から選ぶだけでよくなりました。
副次的な効果として、既に出ているプロポーザルとのバランスを考えて締め切り間際にプロポーザルを出す戦略をとることで、Acceptされる確率を上げるための手札が一つ増えました。
学習効率アップ
何を問題意識として学んでいるか?自分がどのようにその問題を解消しようとしているのか?をプロポーザル形式で言語化する習慣をつけたおかげで、むやみやたらに学ぶようなことがなくなり、学習の効率が上がりました。
学んだことが視覚化されることによるモチベーションアップ
プロポーザルがすごい数できることで、日々学んでいる自覚が持ちやすくなり、カンファレンス参加や学習のモチベーションが上がりました。
プロポーザル形式で学んだことを整理することのデメリット
多くのメリットを感じている一方で、プロポーザル形式で学んだことをまとめると、学びがきれいな形になり過ぎてしまうことはデメリットとして感じています。
問題解決にあたって他にももっと良い方法がある可能性があるのに、プロポーザル形式でまとめているときれいに問題が解決できているような錯覚を得やすくなったり、ストーリー形式でまとめることで論理性が落ちることがあるのですが、このことにプロポーザル形式でまとめていないときと比べて気が付きにくくなってしまいました。
そのため、最近では敢えて不完全な形でプロポーザルとすることで、submit前をはじめとしたプロポーザルを見直すタイミングで気が付きやすくするように工夫をしてみています。