天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

個人的に推しているRSGT2024のプロポーザルたち

2024.scrumgatheringtokyo.org

来年もRSGTが開催されますが、面白そうなプロポーザルが今回も多数出ています。

自分自身もプロポーザルを見ながらlikeを押していったのですが、数が多いだけに埋もれてしまっているプロポーザルも多くあるのではないか?と勝手に思ったので、個人的に特に推しているプロポーザルを幾つか勝手に紹介してみようと思います。

金融商品取引サービスをアジャイルに開発し続ける上での学びと取り組み〜信頼性とアジリティの両立を目指して〜

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金融×アジャイルのプロポーザルです。

具体的なコンテキストは聞かないと分からない部分もあるのですが、ETFを扱うサービスだと一つの障害が金融庁報告になるようなシステムも多くあるため、その中でアジャイル開発をどのように実践されているのか?というのは非常に気になっています。

また、こちらも具体的なコンテキスト次第な部分はありますが、金融領域は一般的に不確実性が極めて高い領域でもあるので、リリース速度を早めることも重要であり、上記の障害を起こさないコンテキストとの両立という面でも、話が聞けそうで期待しています。(このあたり、トレードオフでもないしだからこそアジャイル開発なのですがそういう展開になるのかな...?)

プロダクト価値を高めるためテスト活動についての考察

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テストの街葛飾で出しているからなのかプロポーザルがやや雑ですが笑、要件定義段階ででテストを取り入れる活動を実践されている方から具体的な話が聞けるのは楽しみにしています。

「要件定義工程があるのはアジャイル開発ではない」という話も聴いたことがあるのですが、プロダクトの要件を考えるような場面では必ず役立つ話になると思うので、実用性もありそうなプレゼンテーションだなあと思っています。

あと、「アジャイルテスティングと品質」カテゴリーではなく「技術プラクティス」カテゴリーに入れている点にも強い拘りを感じられてよいです。

Bringing Open-Source Brilliance to Scrum Teams: A Guide to Enhanced Collaboration

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OSSを取り入れたアジャイル開発を実践されている企業の事例や、OSSアジャイル開発をコラボレーションするためのTipsをGitHubの方から聞けるという点で、かなり楽しみなプレゼンテーションです。

Abstractにはないのですが、DevOps Days Tokyoや別のコミュニティイベントではGitHub Copilotの展望やGitHub CopilotとOSSのような話も何回かされている方なので、そのあたりの話が聞けそうな期待があるのも個人的には楽しみにしています。

約30年の時を超えたデザインパターンの価値 -現代のスクラムチームの開発者がGoFデザインパターンを学び直し得たもの-

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デザインパターンは度々TLで批判の対象になっているのを見かけますが、CSD研修でそのデザインパターンを学び直したことでどのような価値を見つけ、スクラムとどのような親和性があることに気がついたのか?という話が聞けそうで非常に期待しているプロポーザルです。

プロポーザルもかなりしっかり書かれているので、実際に聴いてみて「あれ、こういう話じゃなかったんだよなあ...」とはならなさそうなのも好印象を持っています。

自分自身、デザインパターンは書籍も読んで、実際のプロダクションコードにも(主にリファクタリングの文脈で)適用した経験もあったりはするのですが、正直今からエンジニア始めるとしたら優先的に学ばなくても良いかな?とは思っている部分なので、ここがくつがえるような気づきが得られることも勝手に期待しています。

アジャイルの価値を活かせる受託開発案件の取り方・始め方

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「受託開発におけるアジャイル開発の実践の話題は、アジャイル関連のカンファレンスなどでも聞けるようになってきていますが、それらのセッションの話題は開発フェーズにフォーカスしていることが多く...」というプロポーザルの問題意識を読んで、「そうそう!」とめちゃくちゃ共感したプロポーザルです。

受託開発の実践もめちゃくちゃされている新さんのプレゼンテーションですし、Outlineを見るとコンテキストごとに話を分けて展開されそうなのも好印象を持っています。(こうした受託開発関連のプレゼンテーションを聴くと、「受託開発」という主語が広すぎて適切ではないと感じるような場面も多いため)

A True Story of Agile Coaching in Ukrainian Armed Forces

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このプレゼンテーションが日本で聞ける可能性があるというだけでものすごい衝撃を覚えるプロポーザルです。
ウクライナ兵のリーダーとしてアジャイルリーダーシップを適用したマネジメントを行ったという話は、このプレゼンテーションを聴くためだけにお金を払う価値があり、もはやkeynoteとして聴くようなレベルの話だと思っています。

ストーリーに身が入りすぎて頭に内容が入ってこないようなことがないかは少し杞憂していますが、ぜひとも当日聞いてみたいプレゼンテーションです。

Living Process -ビジネスとチームと組織が自律的に連携と成長するフレームワーク-

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つい最近、アジャイルに対する批判が話題になっており、そこではスーパーマンのような前提がおかれて一部の人しか実践ができないような話になっているといった主旨の指摘もありましたが、その壁を乗り越えたような話が聞けるのではないかと期待を持っているプレゼンテーションです。

アジャイルのそのさきへ、に一歩と言わず二歩三歩前進することになるようなプレゼンテーションになるのではないかと思っています。

「プロダクトマネージャーがプロダクトマネジメントを失敗させる!?」カオスなプロダクト開発だったから効率化したら息苦しい官僚組織になっちゃった! 手強い罠を乗り越えて若々しいチームを実現するぞ

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自分があれこれ書くよりプロポーザルのAbstractをすべて読んでもらえばいいのではないかという気がしているのですが笑、近年話としてよく聴くフロー効率や認知負荷の低減といった話にぶっ刺さるようなプレゼンテーションになりそうで、非常に期待しています。

森さんは、2年後/3年後を見据えたプロポーザルを出しているという話を以前されており、2年前に話されたブルシットプロダクトからの隣接性に関しても非常に気になるプレゼンテーションです。