天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます

精神と自然 生きた世界の認識論の読書会をしてきた

educational-psychology.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会で話されていたことと感想を書いていきます。

結びつけられたパターン

パターンの結びつきに着目することで、新たな関係性や新たな認識を生み出すというのが、システム・コーチングっぽさもあり面白かったです。
何か課題があったり苦手な人がいた時に、その課題や苦手な人に目を向けるのではなく、課題を課題としている周囲のコンテキストや苦手な人と比較している人に対して目を向けることで、新しい問題解決が見えたり、その人が苦手だという認識が変わったりするのかな、と思いました。

ストカスティック

物事があたかも偶然に起きているように感じる時や、何かラッキーなことが周りに起きたように感じる時はありますが、このストカスティックという考え方を学ぶと、ランダム(偶然)に思えるものはランダムではあるものの、あくまでも決められた範囲内でのランダムでしかないよね、という話が出ていました。

関連して、偶然は計画されたものでもあるという話も出ていて、面白かったです。

世界の全てが繋がっている(役に立つ知識と役に立たない知識)

本書の主張でもある世界の全てが繋がっているという話から、どんな学問でも学ぶ意義はあるよね(学ぶことでこれまで知っていたものの認識が変わったりするよね)という話になり、学ぶモチベーションがより高まりました。

また、そう考えると役に立つ知識とか役に立たない知識というのはあくまでも一面的な見方でしかなく、役に立たない知識分野だから学ばない、というのは危険な考え方だなという話が出ていました。

因果と論理

論理で言う"ならば"と因果で言う"ならば"の違いの話から、観察を誤りがちなスクラムマスターの話やメカニズムを捉えることができずに誤った解釈をした例の話など、論理と因果を誤って使ってしまう危険性を皆で話し合いました。

豚やココナツのことを考えている人間の頭の中に、豚やココナツはない

二人で同じものを見ていた時、それが例え同じ色だという理解で一致していたとしても、確実に別のものを見ているというのは忘れちゃいけないし面白い考え方だよね、という話が出ていました。

SCP財団における認知を曲げる怪物の話なども出てきたり、認識にまつわるカントの見解に対しての議論をしたりと、かなり盛り上がりました。

論理階型

マルクス経済学の破綻だったり「変われば変わるほど変わらない」という言葉遊びから生まれる示唆だったりを考えていきました。
論理階型を間違える(変化させる)ことで、矛盾した主張をすることになったり、一見すると意味が分からない言葉が作れたりするんだろうな、というお話をしていきました。

翻訳可能性

幾何学代数学の翻訳可能性の話*1から、0, 1, 0, 1, 0, 1...といった数列をX軸/Y軸にマッピングしていくと、振動や三角関数、ひいては円の回転にもなるかもしれないという数学ガールの話に繋がり、一つの面で事実だと思っていたことをある面から翻訳することで、新しい見方が生まれるよね、という話をしていきました。

重なり

二つの異なるものを重ねることで差異が生まれ、新たな情報が生まれるという話が面白く、盛り上がっていきました。
一方で、重なりで情報を生むというプロセスが世界が全てつながっていることの証明に繋がるという話は、よく分からず今後の展開に期待したいです。

分かりやすさと分かりにくさ

直近NFTの説明で何も言っていないのに「分かりやすい」と話題になっていた動画があったのですが、この話を基にして、「分かりやすい説明」って何だろう?というお話をしていきました。
また、役に立つ知識/役に立たない知識の話とも関連しますが、「分かりやすい話」というのはむしろ危険だとも言えるし、「分かりやすい」という感覚が生み出す情報って何だろう?という議論をしていきました。

全体を通した感想

自分たちの行動変容につなげるための議論をしたり、「この話を聴いてこういうことを思い出した!」という話をお互いにしあったりして、充実した時間でした。
いつもの教育心理学のメンバーに加えて哲学に詳しいphilomagiさんもいらして、議論が終始絶えない濃密な時間を過ごすことができたと思います。

この後どんどん難しくなっていくということですが、今の所めちゃくちゃ面白い本なので、今後の展開もめちゃくちゃ楽しみです!

*1:[a+b]の2乗を代数と幾何学の両面から証明する