こちらを読んだので、読んだ感想などを書いていこうと思います。
本を読んだきっかけ
プロダクト開発をしていると、ふりかえりの中だったり日常の業務の中で問題が出てきて、改善案が出てきます。が、個人的な経験では、劇的な変化が起こるような改善というのは経験しておらず、投資対効果が低いなあと感じていました。
そんな中、スクフェス札幌の夜のOSTで本書をkiroさんが紹介してくれていたので、読むことにしました。
本の読み方*1
いつも通り目次を1時間半くらいかけて読んで各章の内容を想像した後、1時間くらいかけて本全体を読み、その後は、以下の順で読み進めていきました。
- 本全体の構成やTWIの基本的な概念整理がされていた序章と第一部を読む
- 自分の興味があった順に、第3部(仕事の改善)→第2部(仕事の教え方)→第4部(人の扱い方)の順に読む
- 途中途中で気になった参考文献を読む
- 終章を読む
- 第3部(仕事の改善)→第2部(仕事の教え方)→第4部(人の扱い方)の順でもう一度読み返しする
本を読んで印象的だったこと
習う準備をしてもらう
JI(Job Instruction)の4段階における第一段階として、「習う準備をさせる」というものがありました。
信頼関係の構築は勿論ですが、その他にも「相手にリラックスしてもらう」「相手に教えてもらいたいという気持ちになってもらう」「相手の理解度(現状)をお互いに確認する」といった話が書いてあって、参考になりました。
日常でも、第二段階以降に書いてあった内容(例えば教える内容の整理とか)は結構していることが多いのですが、まず相手にリラックスしてもらうことだったり、現状確認などは疎かにしがちだったので、意識的に実践したいと感じました。
改善における新方法開発の仕方
JM(Job Methods)の4段階における第3段階として、改善後の新方法の開発の仕方が記載されていました。
ここでは、「要らないものを消す」「改善したい作業を細分化した後に、細分化した作業同士を統合する(同時にやる)」「改善したい作業を細分化した後に、今の順番と入れ替える」「シンプルにする」という4つの方法が挙げられていました。
言われてみれば当たり前で、作業を改善しようとするとこの4つの方法のどれかに行きつくことがはありますが、この4つの方法を認知しておくことで、改善案を考えるスピードが大分速くなりそうな気がしました。*2
人の観察
JR(Job Relations)の4段階における第一段階で(人に関する)事実を掴むという話がありました。
ここで、人に関する事実というと、物的証拠(勤怠、成果物、給与...)にだけフォーカスがあたりがちだが、人の感情についてのデータを多角的に集める必要があるというお話があり、本で紹介されていた生々しい例も相まって、自分が十分な物的証拠からその人のことを理解していたと思ってしまうと落とし穴に陥ることを痛感しました。
どんな人も正しいけどそれは一部分のみ、という話が思い出される一節でした。
全体を通した感想
TWI自体初耳だったのですが、プロセスが細分化されつつ重要な部分にはよりフォーカスを当てており、実践的ですぐに使える印象を受けました。
また、観察や仮説検証に対する解像度も上がった(観察/仮説検証と一口にいっても、どんな場面ではどんなことに気を付けて観察/仮説検証するのか)と感じる面白い本でした。
例は製造業が中心だったので、製造業の方々は特に分かりやすい本だったんじゃないかなあと思います。