天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

LayerX CTO 松本氏 x Souzoh CTO 名村が語る「エンジニアのこれから」に参加してきた

mercari.connpass.com

今日はこちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

本イベントは株式会社LayerX 代表取締役CTOの松本勇気氏と株式会社ソウゾウ 取締役CTOの名村卓が、エンジニアを取り巻く環境、エンジニアの市場価値や評価、エンジニアの教育、など幅広いテーマで「エンジニアのこれから」についてディスカッションするイベントです。
複数プロダクト・組織の立ち上げ、拡大に携わってきた二人に、エンジニアのこれからについてあれこれトークしていただきます。

会に参加したきっかけ

自社で新卒だったり中途エンジニアの採用にも緩く携わっているため、トップクラスの技術力を持つ登壇者のお二人から見て、エンジニア採用に対してどのような意識を持っているのか?や、会のタイトル通りエンジニアのこれからについてどのように考えているのか?というのを聴くために参加しました。

会で印象的だったこと

エンジニアのサラリー

エース級のエンジニアとなると、争奪戦にすら参加できていない感覚を持つことがある(転職市場にいない)というお話がありました。
あくまでも肌感覚でありますが、200-300万円は5年前と比較して上がっているというお話で、正直耳を疑いました。

エンジニアの市場価値

名村さんは、正直エンジニアとしての市場価値を意識したことはなく、目の前に来たボールを打ち続けていた結果、結果として市場価値が跳ね上がっていったというお話でした。
そんな名村さんが大事にしていることとして挙げられていたのは、「打ち返す力が期待を常に超えているか」ということと、「如何に意思決定が責任を持ってできるか」という2つが大事だというお話でした。(意思決定は選択肢だけ提示して誰かにしてもらえたりと逃げやすいので、責任もって意思決定できる力は重要だというお話でした)

松本さんも名村さんと同意見ということで、ソフトウェア開発をしていく中では大量の責任を意思決定をする必要があると話をしていて、どちらが正解か分からない中で多数の制約条件を考えて、意思決定を繰り返していくのが大切だと話していました。

エンジニア教育

名村さんは、アルゴリズムをはじめとした技術要素(HOW)ばかり学んでいてもなかなか意思決定ができないので、なぜその技術要素が必要なのか?というWHYや何を作りたいのかというWHATを大切にして教えるということです。

松本さんは、意思決定の限界値をまずは見定めるという話をしていて、自分なりの答えが出せるぎりぎりか少し上のレベルのボールを常に渡して、アウトプット(意思決定)を責任もってさせるようにしていると話していました。

キャッチアップの仕方

名村さんは、技術の根本をまずは理解して、その上段となる技術を理解するというステップでキャッチアップをしていくということでした。
なお、動画サービスを作るにあたって必要な知識はめちゃくちゃ深くなっているものの、体系的な知識は持ち合わせていないということで、その時に必要なものをひたすら学んでいるということです。

松本さんも、名村さんと同じタイプということで、目の前の仕事で解きたい課題を解くための材料をひたすらインプットするそうです。具体的には、コンピューターサイエンスの体系的知識は持っていないものの、例えばブロックチェーンのライブラリには物凄く詳しくなっていると話していました。

これからの変化に追従するために

松本さんは変化に追従するために、解く課題に対して「今なぜその課題を解くのか?」ということを問うているということでした。

名村さんは、自分がいかにクリエイティブな課題を解くか?エンジニアとしていかに生産的に振舞えるのか?ということを自分自身に問うて、納得いく判断を常にするようにしているというお話でした。

エンジニアの採用面接

名村さんは、立場上最終面接をするというお話で、期待値チェックをすることが多いということですが、Souzohでは実際にアーキを考えてもらって、そのアーキについて深堀をしていくということでした。
これに加えて、アーキの話をその人としていて楽しいか?というのは重要視しているということで、コミュニケーション能力が低い人は結果的に採用を見送ることが多いという話をしていました。

松本さんは、やはり良質な意思決定をしてきたかが気になるというお話で、「今までで一番難しかった意思決定について、アーキ設計をしていく中でどのような比較軸があってどのような選択肢が他にあったのか?」という質問をダイレクトに聴いて、エンジニアとしての力を探るということでした。
また、コミュニケーション力も意思決定に寄与するため、名村さん同様に重視しているということです。

全体を通した感想

豪華なお二人の対談が聴けて楽しかったです!
松本さんのタイムキーピングの上手さ+司会の上手さもあって、抽象度が高い質問やふわふわとした質問に対しても、面白い答え*1を常に返してくれて、大満足でした。
Q&Aも大盛況で、事前アンケートを含めるととんでもない数が挙がっていました。

会の中で何回も出てきた、「質の高い意思決定を繰り返す」という言葉は心にとめておこうと思います。

*1:超具体的な技術要素の話から、抽象度の高いメンタル的な話を見事に行き来してくれていました