スクラムフェス仙台にプロポーザルを出したので、今日はその告知です。
プロポーザル
■ 概要
本セッションでは、令和の学習指導要領の内容を紐解くことで、スクラムなどの知識を職場やコミュニティで広げようとしている方がより効果的に学びを伝えられるような場の形成方法や、個々人がそれぞれのペースで学びを促進するための勉強会の設計をお伝えします。
■ 詳細
学習指導要領は、文部科学省が作成する日本の小中高等学校における教育内容や目標を定めたガイドラインです。各教科の学習内容、指導方法、学年ごとの学習進度などが具体的に示されています。
日本の小中高等学校を対象にしたものですので、会社での学びとはあまり関係がなさそうな印象を持ちますが、少し中身を見てみると色々と興味深い内容が記載されています。
例えば、学習指導要領のタイトルとして『「生きる力 学びの、その先へ」』という言葉が記載されています。
また、学習指導要領本文の前文には育成を目指す児童生徒の姿について、以下のような記述があります。 一人一人の児童が,自分のよさや可能性を認識するとともに,あらゆる他者を価値のある存在として尊重し,多様な人々と協働しながら様々な社会的変化を乗り越え,豊かな人生を切り拓ひらき,持続可能な社会の創り手となることができるようにすることが求められる このような内容は私たち社会人においても重要なものなので、学習指導要領が考える学習環境から職場での学びに活かせるものが何か学べるものがあるのではないかと考えました。
こうした資質を育むために注目されているのが、「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」です。これは、従来型の教室での一斉授業ではなく、ICTなどを活用して個別の指導を設計していく「個別最適な学び」と、学習者同士や地域の人など様々な他者と関わりながら学ぶ「協働的な学び」を同時に行うことで、主体的・対話的で深い学びの実現を目指すものです。詳しい内容を説明するものとして学習指導要領の趣旨の実現に向けた 個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実に関する 参考資料という資料もあります。
当たり前ですが、興味関心を持つ内容は人によって異なります。どのように、どのくらいの時間かけて、学ぶと理解しやすいかも人によって異なります。個人個人に合った学びを行っていくことは重要ですが、コストがとても高くなります。つまり、従来型の一斉授業はあるべき学びの場というよりは、コストを考えて選ばれていたという側面もあるのです。こうした背景の中で、教員が前に立って説明する授業の進め方ではなく、ICTを活用して個々人が学びながら教員はそれをサポートするというような、これまでと違った教育の実践が行われています。
一方で、職場における学びでも同様に以下のような現実があります。
- 個々人によって学びのスタイルは異なるが、全員に対して同じ手順でオンボーディングを実施する
- 個々人で興味関心領域は異なるが、カリキュラムやキャリアパスをもとに全員に対して画一的な研修を実施する
- 協働的・対話的に学びを深めたいが、"教えてあげる"、"教えてもらう"の関係性になってしまう
このセッションでは、「個別最適な学びと協働的な学びの一体的な充実」を目指す教育の現場においてどのような事例があるのかを紹介し、それが職場での学びにどう活かせそうかを検討します。
例えば、一方的に教える形から個々の学びをサポートする形へと教員の役割が変化する話をアジャイルコーチやスクラムマスターにつなげたりなど、教育指導要領に基づく実践の中で、特に職場の学びにも役立ちそうなものを紹介しながら、その活用を考えます。 また、まだ思考段階でありますが私たちが取り組もうとしている職場での学習方法の実践案もご紹介できればと考えています。
プロポーザルを出したきっかけ
スクラムフェス仙台にどんなプロポーザルを出そうか考えていた結果、仙台は学生さんも多く参加するイメージがあるので教育関連の話がしたいなーと思いました。
そこで、今年学びと心理学のコミュニティでみんなと読んでいた「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を目指しての書籍を題材にしてプロポーザルを書きたいなあと思っていたところ、おがさわらさんが既に出していたプロポーザルとめちゃくちゃ内容が近しいことに気が付き、これなら一緒に登壇したい!と思い至りました。
おがさわらさんに共同登壇をお願いしたところ、快く引き受けていただき、プロポーザを無事に出すことができました。
今回チャレンジしたいこと
共同登壇は、プレゼンテーションの作り込み方やスライドの作り方といったプレゼンテーション全般に通じる部分でも学びが多いですし、コンテンツとしてもお互いが考えていた内容に対してフィードバックをし合うことで中身を深めることもできるため、二人でプロポーザルを作る過程を楽しめるようにまずしたいと思っています。
また、自分から積極的に発表準備をするのはもちろんですが、おがさわらさんがどんな感じでスライドを作ろうとするのかや発表コンテンツの考え方なども勉強できたらよいなあと思っています。
おわりに
共同登壇は色々と考えることもありますし、会社の手続きなどの観点でも幾つかハードルがあるのですが、それを踏まえてでも共同登壇したい想いが勝りました。
普段以上にAcceptされたい想いが強いのですが、自分がなにかすることもこの後はできないので、どうなるかを待とうと思います。