educational-psychology.connpass.com
こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
14章のエキスパート活動
最初にエキスパート活動をしていきました。以下、話をしたトピックを記載していきます。
学校で一番楽しいこと
学校で一番楽しいことと聞かれたとき、勉強をしに行っているのにもかかわらず勉強が一番楽しいと答える人は2%-5%ということがありました。
「一番たのしいこと」ではなくて「楽しいこと」(勉強は楽しいか?)で聴いたらどうかという話はありつつも、確かに課題意識としては分かるという話をしました。
また、都心の子の方がより楽しめていないという話があり、農村は座学以外の体験活動が楽しいからではないか?という話も出ていました。
同一賃金の理由は?
結局よくわからないねで終わってしまいましたが、同一賃金にしている理由はなんだろう?という話が出ていました。
目標とする子供像への違和感
目標とする子供像の中身自体には違和感がないのですが、一人一人に合わせた学びを提供すると言いながら「理想的な子供」を定義していることに違和感があるよねという話をしていきました。
政治的な問題(国や保護者への説明)で、設定している内容なのかな?という話をしました。
当時の文脈のカウンターカルチャー
教育にまつわる当時の流れに対するカウンターカルチャーで、原則みたいなものは決めたのかな?という話がありました。(〜ではなく〜という形でまとめられていたため)
名目と本音
実際に勉強することを楽しめていたとしても、学校は勉強するためにあるという名目があり、本音は友達との協調学習などが楽しいという話があるのかな?という意見が出ていました。
やや危険なプロジェクト
プロジェクトの選定が崖近くの道づくりというのは、ちょっと怖いなという話をしました。
時代背景もあるだろうという話があり、上から落ちたら一歩間違えたら命を落とすようなジャングルジムが2000年代にはまだあったよねという話題も出ていました。
学力が上がるメカニズム
プロジェクトをやっている子供は学力が上がる(プロジェクトを経験していた子供は高校の定期試験でも優秀な結果を残す)という話があったのですが、これはどういうメカニズムで上がっているんだろうか?という話をしていきました。
本の中では明確な記載はなくて、「高校の方が範囲も決められているし先生の話を聞くだけで良いから楽」というインタビュー結果だけ乗っていましたが、舐めてかかるとむしろ成績が下がってしまうみたいな人も多いので、あんまりメカニズムの説明っぽくなっておらず、どういう理由があるんだろうね?という話をしていました。(自己効力感が育まれているから、遅延評価学習法的なスタイルが身についているから...)
ジグソー活動
13-15章のジグソー活動をしていきました。以下、本の著作権に抵触しないように、内容を箇条書きでざっくりと記載していきます。
- 個別学習は計画〜ふりかえりのプロセスに関してスクラムとの類似点が多く見られた
- 個人の学びの成果をコミュニティに還元するというのは、まさにアジャイルやスクラムのコミュニティに近いと感じた
- 受験という周りとの競争が求められる状況とフレネ教育は相性が悪そう
- 基礎学習みたいな部分で創発的に学ぶ癖がついている結果、成績が上がっているのではないか?と感じた
- デジタル端末が揃ったのは、国の強力なトップダウンリーダーシップがあるんではないか?と思った
- 親の経済性のみならず、親がリモートワークをしているかなど、旅する高校PJは本人のハードルが非常に高そうだと感じた
- 心理的安全性があったうえでそれを土台にしてメンバーで議論して創意工夫ができるという話は教育現場でも証明されているんだなあと思った
クロストーク
会社の教育などの文脈での混乱や悩みを考えると、教育の現場と社会人ってもう少し近づけないんだろうか?という話をしていきました。
どうしても受験中心に学習が構成されているから、高校が終わったらもう教育現場とは距離が置かれてしまう問題がありそうということでした。また、偏見はあるけれど学校になってくるとどうしても効率化というよりはハートとか社会意義みたいなものが大切にされがちだったりするのもなかなか距離が近づかない理由かもしれないという話もありました。
本書の内容に沿うならば、教師が個別最適な学びをして、社会人と協働的な学びを広げられるようにしていくのは面白いんじゃないかという意見が出ていました。
また、コミケの運営は数千人規模になるとめちゃくちゃ大企業的な雰囲気になってしまうという話が最近あったそうで、エンジニア以外だとなかなか協働的に学ぶようなコミュニティはないよねということです。
全体を通した感想
無事に一冊完走ができてよかったです!
エンジニアコミュニティにおける学びの還元や、個々人の学びの深化という観点で、非常に印象深い話が多い本でした。