天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

(オンライン読書会) 「個別最適な学び」と「協働的な学び」の一体的な充実を目指してに参加してきた

educational-psychology.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会で話したことと感想を書いていこうと思います。(前半10分と後半20分は離席したり別のことをしたりで参加できていませんでした)

自己調整学習者

第4章で言われている内容を見るに、本書で言われている「個別最適な学び」と「協働的な学び」をする最終的な目標としては自己調整学習者の養成なのかな?という話をしていきました。

ダイバーシティの難しさ

ダイバーシティインクルージョンの考え方を小さい頃から身につけてそのまま社会に出す、という話を教育の一つとして掲げているというのは素晴らしい一方で、実際にダイバーシティをスーパーサイエンススクール的な場所で経験した人は逆にダイバーシティに対してあまり良い反応ができなくなったという話もあり、難しいなあという話をしていきました。

学習方略の分類

学習方略を4つに分けて考えるというのは面白いし、分類の仕方としてわかりやすいなあという話をしていきました。

本書によると、どれが大事というよりもそれぞれバランスよく鍛えられていくものだという話はありましたが、特にメタ認知的学習方略は起点になってくるんじゃないのかな?という話が議論では出ていました。

また、学習方略の分類に関しては書かれているものの、それぞれの方略に関して、教師がどのようにして支援するのかは記載が薄めだよね、という感想もありました。

他律的な学びの定義

定義の厳密性にはそこまで意味はないとわかりつつも、自律的な学び/他律的な学びという定義に対して、例えば、場作りやChatGPTで出てきた回答やアドバイスに従うことは他律的な学びにあたるんだろうか?という話をしていきました。

他者から何かしらの影響を受けている時点で自律的な学びとは言えない気がするものの、他の子が自律的な学びをしている事例から学んだりすることは素晴らしいし、そもそも他律的な学びが絶対いけないものだとかはなく、それぞれの割合にグラデーションがあるようなものなんだろうなあという意見が出ていました。

ガイドライン

ガイドラインやXXスタンダードというものに対して本書では批判的な記述がなされていましたが、ガイドラインに問題があるというよりもガイドラインに盲目的に従ったり、絶対に書いてあるとおりにやらないといけないものだと信じ込んでしまう人の方に問題があるのではないか?という話をしていきました。
このあたりは、ガイドラインを出発点と捉えるか終着点と捉えるかが人によって違いそうで、そういった思想の違いが出ているのかもしれないということです。

また、ガイドラインが渡されたときに、それが個性を潰すからという理由で全部ガイドラインを無視して教育してしまうのもそれはそれで問題だよね、という意見も出て言いました。

制度の充実がゴールではない

本書にある話を聞いたときに、「そもそも教育制度的にうちではできないんです」「国立と違って予算がないのでうちではできないんです」といった反応が教師から出てしまう現場を見たという話を聞いていきました。

自分たちに置き換えてみると、アジャイルでも「うちは特別な会社なのでできないんです」という話が出たりするので、そういう話が出てくる事自体は分かるなあと思いつつも、制度や環境整備がいくら進んでも思い込みによってできないというのはありそうだよね、という話がありました。

レディネスの把握

大人だと眠いから今日はもうやめておこうとかができるものの、子供だとレディネス(特に身体的な要素)でない状態でフォローすることが大変そうだという話をしていきました。

ダイバーシティインクルージョンを実践するうえでの障壁

ダイバーシティインクルージョンに関して、説明されれば分かるものの、

  • 自分より手厚い支援を受けている人が周りにいることが許せなくなってしまう
  • 支援するための資源に限界がある
  • 平等であることがよしとされるカルチャーがある

といった状態だと、なかなか実践するのが難しそうだという話をしていきました。

ジグソー活動

他章でエキスパート活動をしてきた人たちから、どんな議論をしていたのか聴きました。以下、話していたというトピックを章ごとに箇条書きで記載していきます。

5章

  • 幼児教育の重要性が解かれているからこそ、保育園や幼稚園の先生の給料は大学などと比べると低いというのは大きな問題なのではないかと思ってしまう
  • P116にある「フレーベル的」というのは、子供主体の学びを提唱したフレーベル教育のことをおそらく指していそう
  • A児の事例は、保育士がすごいと思うのだがどういう支援をしているの?が気になった(自分たちの子どもを預けている保育士に聞いてみたいけれど引かれちゃいそう)
  • 小学校はフィードバックあるけど保育園や幼稚園はフィードバックないので自分の子供の状態や先生が考えていることをもっとコミュニケーションとして取ってほしいと感じた
  • 発達の最近接領域の話などの理論って保育士が体系的に学ぶのは難しそうな気がしたのだが、実際のところどうなのかは気になった

6章

  • 不登校の主な原因は授業がつまらないから、というのは嘘ではないか?
  • ATI学習で生徒に教材や方略をすべて考えてもらうのは丸投げに近いのかもしれないと感じた。教育コストがかなり高い印象
  • まとめの論理展開は飛躍がありそうな印象を受けた。(地球温暖化の諸問題のくだり)
  • 探求の「繰り返し方式」は学校だと難度が高そうだが、研修会社の商品にできそう

全体を通した感想

今回も前回に引き続き、章の理解の整理というよりも章で書かれている内容に関する議論が盛り上がった印象がありました。(自分自身もそちらの方に身が入った気がします笑)

自分個人としては、個人に対して最終的にフォーカスしていくという部分と、ガイドラインの使い方に関しては現場でも特に使えるのかなあという印象があったので、このあたりを仕事に適用していくことを目指したいと思います。