天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

『ソフトウェアテストをカイゼンする50のアイデア』読書会を聴く会に参加してきた

connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

規制産業におけるインシデントの一覧と不具合勉強会

miwaさんや咳さんが携わっている医療機器でも、本に書いてあるようなインシデント一覧を厚生労働省が出しているそうで、そちらに関してはときどき見るようにしているということでした。
また、競合相手ではないものの、会社内で問題共有や開発状況の共有をした後に自分が不具合を出したチームの開発者なら何をしたらいいのか考える不具合勉強会*1も開いているそうです。(他の人のミスを知ることでいっぱい自分もミスをすることができる)
規制産業でなくても、Twitterを活用して不具合を検索することはできるよね、という話も出ていました。

疑似体験から始めるのは大外れ

本アイデアの価値が出てくるのは、自分たちの開発の中で出てこない体験があるからこそ意味があるもので、自分たちの開発の中でまだできる体験があるのに疑似体験からスタートするのは大外れだという話が出ていました。

yoshitakeさんのチームでは、saeさんとyoshitakeさんが見つけたバグの読み合わせをチーム内で続けていたところ、チーム内で一緒に読み合わせていたメンバーがこれまでは出さなかったようなバグを出せるようになったそうで、まずは自分たちのチームで体験を積むというのは非常に共感できるということでした。

不具合から学べることの多さ

miwaさんは、他社製品で不具合が出たときに、「どういう仕組でそういう不具合が起きたんだろう?」と考えるのが好きだそうです。

また、miwaさんがなにか変な事象を起こしてどうやったら再現するのかを考えている際に、咳さんやエースプログラマーの人はすぐにどうやったら再現するかわかるそうで、羨ましいということでした。(実装から攻めているので答えにたどり着くまでが早い)
なお、どうやったら再現するかを説明するときの咳さんは得意気に説明をするそうで、miwaさんはその様子にちょっとムカついてしまうそうです笑

根本原因

咳さんは「根本」原因という言葉が嫌いだそうです。
一個だけ原因があると考えるのは下手くそ感がしてしまうのがその理由だということでした。

miwaさん咳さんのチームで使わないワード(当事者意識/品質)

miwaさん咳さんのチームでは、普段の仕事で「当事者意識」や「品質」という言葉は出てこないということで、それらの言葉が発されている時点で「当事者意識」や「品質」がないなあと思ってしまいそうという話が出ていました。(例えば「当事者意識を持とう」と言っている人がいたら、その人が「当事者意識を持とう」と言っている人に対して「当事者意識」を持てていない)

Chapter1を読み終えてみての感想戦

miwaさんyoshitakeさんからは、自分たちの開発と照らし合わせてツッコミをしながら読めたのがよかったというお話がありました。

咳さんからは、権威を利用した押し付けなどが少なく、対等な感じで読める本だったのはいいよねという話がありました。

全体を通した感想

隔週のこの時間がすごく楽しみだったので、もう終わってしまうのが寂しいです。
せっかくなので、自分がこれまでの会を通して特に印象的だったところをまとめてみます。

  • 自分たちと違うチームの開発の様子を知ることができたこと
  • 読書会で「この言葉ってどういう意味?」「よくわからないんだけど」という言葉を聞いて、普段本を読むときに何気なく「こういう意味だろう」と解釈していた言葉が如何に多いかというのを知れたこと
  • 「効率」を考えることがうまい開発を妨げているリスクがあること
  • 今日も少し話に出ていましたが、「価値」「品質」などと言った教科書とかでよく見たり現場で聞いたりする言葉*2が開発を下手にするリスクがあること

全体的にこの読書会を通して、miwaさん咳さんyoshitakeさんのファンになりました。

*1:不具合から学ぶこともそうだけれど、起きたことが自分のこととして考えられるか?が実はすごい重要でそこからスタートした

*2:もちろん自分自身が言ったこともあります