こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
以下、イベントページから引用です。
エンジニアとして自分のキャリアのロールモデルが見つからない、といった悩みはよくある悩みの一つです。
このような悩みを持つのはCTOも一緒です。
最初からCTOだった人はおらず、CTOになる前はエンジニアとしての葛藤がありました。このイベントでは、CTOがエンジニアとして何を学んできたか、そしてそれをCTOとしてどのように組織に活かしてきたかを掘り下げることで、どの立場のエンジニアにとっても成長のヒントが見つかる場を目指します。
モデレーターにはInfra Study等のシリーズでもお馴染みのまつもとりー氏をお招きしました。まつもとりー氏自身も2022年5月より株式会社COGNANOの取締役CTOを務められており、皆様と共に学びを深めていけることを期待しております。 これまで書籍をテーマにしたイベントやインフラ・フロントエンドといったような技術領域をテーマに数々のイベントを開催してきたForkwellが新たにお届けする「人」テーマの新シリーズを是非、お楽しみください。 第4回目は株式会社enechain CTOの須藤 優介氏をお招きいたします。 EM時代の葛藤を超えて、現在はCTOの須藤氏に、エンジニアからゼネリストまでの道のりを聞いてまいります。
「EMになったは良いが、技術と向き合う時間が減ってしまう一方で、この先のキャリアをどう描くのか」そんな不安を抱える方々のヒントになるかもしれません。
会の様子
エンジニアとして大切にしていることと、ゼネラリストとしてのキャリア
最初は須藤さんから基調講演として、キャリアに対する一つの考え方の話がありました。
学生時代の考え方
漫画家だったり美容師だったりふらふらとしていることが多かったそうですうが、VOYAGE GROUPのインターンでWebプログラミングを経験した際にめちゃくちゃプログラミングが楽しいことに気が付き、以降プログラミングの勉強を始めるとともにWebエンジニアになることを決意したということでした。
社会人時代の考え方(〜社会人初めての転職まで)
新卒はトランザクション量が多くお金の動きがある部署で開発ができて、非常に楽しく過ごせたということです。また、須藤さん自身が「自分がマネージャーなら...」と常に考えていたことや周囲の人に恵まれていたことから200人規模のマネジメントで結果を残すことにも成功したということです。
ただ、ここで他人に助けてもらっていたことに気が付かず調子に乗ってしまい、キャリアアップの目的で行っていた転職活動は散々な結果に終わり挫折を経験したそうです。
社会人時代の考え方(転職時のターニングポイント)
転職活動中に、ビズリーチの鈴木さんから須藤さん自身のキャリアに関するアドバイスを貰う機会ができたそうで、そこで自分がやりたいことの言語化を改めて行うことができたそうです。
また、新卒で入った会社では取締役から熱い想いを伝えられ、残留を決意することにもなったということでした。
社会人時代の考え方(新卒入社の会社転職後)
残留して自分の想いややりたいことを改めて言語化した後に転職を選択した須藤さんですが、転職後の会社では須藤さんの意見で会社が動くという経験を何度も繰り返したそうで、常に自身の意見を持つ重要性を実感したということです。
そして、その経験をした後に元々入りたかった会社に転職をすることになり、そこで初めてCTOになったということでした。*1
仕事は楽しかった一方で事業の難しさも痛感したそうで、なかなか自身の想いが伝わらないもどかしさも味わったということでした。
その後はオファーがあって現在の会社に入社したそうですが、ここでは熱意とスタートアップ感が溢れるチームや組織で日々楽しく仕事ができているということで、一人でやれることの限界を見定めながら組織やチームの組成に注力しているというお話でした。
キャリア全体のふりかえり
まず、技術力は必須だと考えているというお話がありました。
CTOになると経営者としての側面がフォーカスされがちですが、エンジニアとしての意見だしやエンジニアとしてのスペシャリティがなければCTOとしての価値発揮は難しいと考えているそうです。
また、「自分にとって本当に大事なこと」を言語化できたことが大きなターニングポイントであり、多くの仲間や周囲の人々に支えられてきたお陰で今のキャリアがあるということでした。
最後に、どんな仕事(たとえ意味がないと思ったものであっても)にも真摯に取り組む姿勢がゼネラリストとしてのキャリアを歩む上で必要不可欠だというお話がありました。
パネルディスカッション
基調講演のあとは須藤さんとまつもとりーさんでパネルディスカッションがありました。以下、質問と回答を常体で記載していきます。
「ゼネラリストのキャリアを歩む」と「技術力をつける」は両立させるのがなかなか難しいと思うのだがどのようにしているのか?
- 綺麗事は言えず、正直頑張るしかない。どこかでハードワークするタイミングが必要だと思っている
- 自分のやっている仕事に対して必死に取り組むことを繰り返していくと、技術力が身についてくると思っている。難しいを感じる前に目の前にある技術に取り組むことが重要だと思う
- 一点を深めたほうがレベルの高い会話ができるので、ゼネラリストといってもまずは一つの技術を深めるほうが良い
情熱を喪失したときにどのように立ち直ったのか?
- 簡単ではない。自分の場合は、自分に応えてくれた会社の存在が大きい
- なにかに情熱を発揮できた人は火種自体はある。そのため、火種に火がついている人たちと一緒に働くことが大事だと思っている
- 疲れた時は無理に立ち直ろうとしない
人と関わる際に気をつけていることは?
- 自分の熱に呼応してくれるように振る舞う
- 勢いを持ちすぎること。ただ、圧迫と捉えられるようになる
- CTOとして見られていることを意識して喋るようにしている
CTOとしてカルチャーづくりで大切にしていることは?
- チームの仲はすごくよいのだが会社の5つのValueを満たせているかというと疑問を持ち、ごりっと変えた。この時は、今までやってきたことを否定しないように工夫したし、議論を繰り返している
- Valueを作ったりはしている。カルチャーであっても微調整ができるように工夫することは大切にしている
「楽しさ」や夢中はスキルに本当に寄与しているのか?
- ゲームは楽しくやっているのにスキルが上がらない人も多くいる。そのため、まだ具体的な議論はできないが楽しさを噛み砕かないといけないと思う
- 会社に貢献することと楽しくやることがセットになっていないと意味がないとは思う。ただ楽しい仕事をするのはだめ
- 楽しさと苦しさは共存すると思う
- やれというつもりはないが、時には苦しいことをし続けるのも大切だと思う。ただしその後はがっつり遊んでほしい
会全体を通した感想
エモーショナルな話で、周囲の人達の助けや大切さを改めて実感する発表でした。
転職して半年くらいたったこともあり最近は薄れていたのですが、なんとなく前職時代のカルチャーを思い出す話でもありました。
*1:CTOはやりたいわけではなかったが、自身がやるのが適任かと思った