天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

【オンライン】医療スタートアップ開発裏側に参加してきた

henry.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

「医療は難しそう」という印象が強いのか、エンジニアの就職や転職先として想起されにくい・・?!というイメージを払拭するべく、異業種・職種出身でエンジニアとして医療スタートアップで活躍する3名が登壇します。

社会インフラの一つである医療に関わる事業は社会的意義も高く、問題解決ドリブンなエンジニアにとってやりがいも大きい!まさに、業界のスタンダードを変えるプロダクトづくりに関われる環境です。

異業種・職種出身のエンジニア3名がなぜこの業界を選んだのか、業界の経験がないエンジニアがどのように活躍しているのか、どんな組織やチーム構成なのか、そして3名がそれぞれ今の会社でどのような挑戦をしているのかをお話します。

会の様子

入社3ヶ月目のエンジニアから見たカケハシ by椎葉さん

まずは椎葉さんからお話がありました。

カケハシに入社したのは、椎葉さんがICとして結果にこだわりたいという想いがあったからだということで、

  • 100人規模という組織規模がちょうどよかった
  • アジャイル開発が前提となっていた
  • 椎葉さんが背中を預けられるようなメンバーがいた
  • 開発が自分よりできる人がいた

を理由としていたそうです。入社してみると期待通りであり、毎週違うチャレンジができていて、今のところ非常に楽しく開発ができているということでした。

椎葉さんのソフトウェアエンジニアとしてのキャリアパスの話が聞けたのがすごく面白かったです。

盛り上がっている医療スタートアップ by今泉さん

続いて、薬剤師からエンジニアにロールチェンジした今泉さんの話を聞いていきました。

今泉さんは、薬剤師として働いているときからITを活用すれば患者体験価値をもっと生み出せるよなあと思っており、それなら自分自身が手を動かすことで実現しよう!ということでエンジニアにロールチェンジしたということでした。

医療は規制産業のイメージが強いですが、昨今は医療制度がどんどん整備されている状況であるため、システムとの親和性もどんどん上がっており、今泉さんもFastDOCTOR社さんでスタートアップらしくスピード感を持った開発を日々行っているということです。

中小病院向けレセコン一体型電子カルテの開発の面白さ by永田さん

最後は、永田さんから発表がありました。

永田さんが所属するHenry社さんでは、電子カルテの普及率の低さに問題意識を抱えているということで、電子カルテにレセコンが内包されているレセコン一体型の電子カルテを開発しているそうです。

レセコン一体型の電子カルテ開発によって

  • 医療と関係ない業務を削減できる
  • サイロ化するシステムから統合的なシステムへ変更することで医療の形を変える可能性がある
  • ユーザーに沿って概念解決したりエンジニアリングを通して業務を簡素化できる

が期待できるということで、永田さん自身も非常に楽しみにしているというお話がありました。

Q&A

発表直後はQ&Aがありました。以下、質問内容と回答を一問一答かつ常体で記載していきます。

医療関連のシステム会社に入って感じた違和感は?
  • 違和感とはちょっと違うのだが、専門用語が多い印象がある
  • ステークホルダーが非常に多い(病院という一つの組織を見て考える必要がある)
薬剤師(エンジニア以外)からエンジニアに転職した人はどれくらいいるのか?前職の経験は活きるのか?
  • 現状は会社で一人しか射ない。経験としては、医療マスタデータの持ち方などは役に立つ。
  • CSからフロントエンドエンジニアになる人はいる。リアルなユースケースで指摘ができるのはメリットだと思う
  • そこそこいる。現場でのリアルな体験をシステム開発に活かしてもらっている
非常に大変なチャレンジに思えるが、チームが疲弊しないためにやっていることはあるか?
  • ロードマップをひいて一つずつクリアする。また、積み上げの先に何があるかを共有する
  • 今のチームは疲れる人がいない笑
  • 知る必要がある情報が膨大なので、チームを3-4名に分けて、キャッチアップの範囲を意図的に狭めるようにしている。また、フレックス制を導入している
エンジニア採用において医療業界への関心はどれくらい重視しているか?
  • ハードルが高いと思うのでそんなに重視していない
  • 業界に興味を持っているか?は採用段階であまり重視していないが、カルチャーフィットやHRTはかなり重視している
  • 医療業界自体が外から見てわかるようなものではないので、ちょっと興味があるならいいねくらいのスタンス。また、「医療」よりも小さい範囲で関与してもらうようなキャリアを描けるようにしている

会全体を通した感想

規制産業で開発をされている方々の話を聞けるのはめちゃくちゃ貴重で、すごく面白かったです。

規制産業といいつつも風向きが変わりつつあるというトレンドや、規制があるからこそ変革の余地が多く残されているしエンジニアリングのやりがいも大きいという部分は、規制産業との関わりが長い身としては非常に共感できるお話でした。