ふりかえりカンファレンス2023に参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
- カンファレンス概要
- カンファレンスの様子
- 全体を通した感想
カンファレンス概要
以下、イベントページから引用です。
ふりかえりカンファレンスは、 ふりかえりを実践している方々、ふりかえりに興味がある方々に向け、マインドセットや新しい手法の提案などに加えて、ワークショップでふりかえりを体験できるカンファレンスです。
全世界どこからでも参加ができ、エンジニアに留まらず、どんな職種の方でもどんな業界の方でも、学生も、どなたでもご参加いただける、交流の場を目指しています。ふりかえりを体験したい方、お気軽にご参加ください。
カンファレンスの様子
オープニング
- Miroの使い方説明
- 行動規範の説明
- 今回のテーマである「ふりかえりに味変を」の説明
- スポンサー紹介
を聞いていきました。
ふりかえり変幻自在
やっとむさんのkeynoteを聞いていきました。
「味変といえば唐揚げが思いついた」というメタファーからのスタートでしたが、そこからぐんぐんと話が伸び、唐揚げはもちろん途中で出てきた大富豪のメタファーからやっとむさんが考えている味変のイメージがひしひしと伝わってきました。
もちろんメタファー紹介だけに閉じず具体的にやっとむさんがやっていることも紹介してくれたのですが、やっとむさんは再現性がある形での言語化/話の整理がめちゃくちゃ上手だなあというのが素直な感想で、プレゼン自体からも学ぶことが多くありました。
また、Fun/Done/Learnが生まれた場で起きていたことや、Fun/Done/Learnが育っていく過程の話を聞くことができたのも、何かしらが生まれる過程の話を聞くのが好きな自分にとっては最高でした。
登壇
登壇してきました。(Proposal段階で裏番組のいくおさんのセッションをめちゃくちゃ楽しみにしていたので、まさかの被りが残念...)
登壇の詳細やふりかえりは明日にじっくり記事にしようと思います。
「ふりかえりアレルギー」だった私がFun Done Learnをここまで好きになった理由
piyoさんのFun/Done/Learnの歌のふりかえりカンファレンスバージョンが聞けるということで参加してきました。
ふりかえりアレルギーだったところからFun/Done/Learnの歌を作るまでふりかえりが好きになった理由や、そこに寄与したいきいきとした楽しい職場の話を聞くことができて、元気をもらえる発表でした。
最後はお待ちかねのFun/Done/Learnの歌のふりかえりカンファレンスバージョンを聞いて、DiscordやMiroも大盛りあがりでした。
実録!ふりかえりを400日間続けると人はどう変わるのか?ふりかえりをふりかえり!
昨年楽しかったセッションの続編ということで、こちらのセッションを聞いていきました。
400日続けようとしてみた結果、その過程で起きたことや続ける際のモチベーション...の話をそれぞれ異なる視点で聞けたので、「自分の場合もそうなりそうだなー」「自分の場合はこうならないなー」みたいなことを考えながら楽しく想像できて、とっても楽しかったです。
最後の実践ふりかえりのところは、昨年以上に皆さんの仲の良さを実感することができて、ほっこりしました。
DevOpsに投資するリソースの無いスタートアップがふりかえりを改革して自己組織化されたチームへ近づいている話
スタートアップという多忙なコンテキストになりがちな環境で、如何にしてふりかえりを活用していったか?というのを聞くことができる発表でした。
keynoteから怒涛のFun/Done/Learn祭りで、Fun/Done/Learnのパワーを実感できたのが非常に印象的だったのと、忙しいからこそふりかえりが強力なプラクティスになるんだなあというのがまじまじと感じられるプレゼンで楽しかったです。
また、発表の内容とは直接関係ないのですが、「ふりかえりが趣味なんですよねー」「ふりかえりが好きなんですよねー」という方は自分の周りだとたくさんいらっしゃるのですが、毎日ふりかえりを続けて3年40冊というのは圧巻でした...!
シリコンバレーのチームで経験したふりかえり - 共通点とギャップ
日本でもシリコンバレーでもふりかえりを経験したよこなさんから、ふりかえりをしていて気がついた共通点や微妙に違っていた点の話を聞いていきました。
よこなさんも話していた通り、シリコンバレーの一社だけの話ではありますが、ふりかえりで出てくるテーマの違いやAgile Retrospectivesの話をはじめ、聞いていて思わず「へー」という言葉が自然と出てくるような話が幾つも聞けて面白かったです。
特に、Easter RetrospectiveやThanks Giving Retrospectiveといった手法は、使用しているメタファーの視点が普段の話と絶妙にずれていたので、ぜひ一度Tryしてみようと思いました。
(以降はプレゼンの直接的な内容に対してのコメントというわけではないのですが)よこなさんのチャレンジと行われている取り組みや考え方にはいつも刺激を受けていて本当に尊敬しています。大変なことは幾つもあるかと思うのですが、よこなさんがわくわくするような選択がこのあとできるようになることを、心から願っています。
ポジティブとネガティブを両立させる ふりかえりのファシリテーション - Deep Democracy Retrospective -
LT前最後のセッションとして、Ryoさんから学びの最大化をするためにネガティブポジティブを両立させようというお話を聞いていきました。
場の流れに合わせて無理やり処理するのではなく他社の発言をまず認めるというお話や、そうして発散したふりかえりの場を如何にして閉じるのか?という話など、あまり他の発表では聞けないような発表を聞くことができて楽しかったです。
ふりかえりをファシリテートしているときの根本的な問題意識というのは2年前にされていた発表と大きくは変わっていないのかなーと思いながら聞いていたのですが、その問題に対してのアプローチや状況の取り扱い方というのは全然変わっていて、非常に面白かったです。
LT
フィードバックが欲しいと言われたインターンシップにふりかえりを導入してみた話
インターンにふりかえりを組み込むことで、インターン生の学びを増幅させたお話を聞いていきました。
インターンにふりかえりを盛り込んだという取組ももちろん素晴らしかったのですが、積極的に自らインターンの担当に立候補して取組を考えたり、外部のカンファレンスで得た学びを積極的に社内に取り入れているのも素晴らしいなあと感じました。
好きな歌を手がかりに新しいふりかえりをつくろう! - GetWildの場合
Get Wildリリース日にGet Wildを活用したふりかえり手法の提案を聞いていきました。
LTらしいネタ発表かと思っていたのですが、ふりかえりとしての完成度がめちゃくちゃ高かった上に歌詞も1番2番を見事に活用されていて、手法としても歌の利用度としても完璧な手法になっていて、普通に自分自身で一度やってみようと思いました。
「ふりかえり」は、Retrospectiveか、Reflectionか
続いて、KPTの第一人者である天野さんの発表を聞いていきました。
ふりかえりというとRetrospectiveのイメージが自分の場合は強いのですが、Reflectionのイメージが強いという方も多く、そのあたりの差分がチーム/個人の文脈で出てくるのが発表で明らかになって、面白かったです。
天野さんらしく、丁寧に原典からRetrospectiveとReflectionの整理をしてくれていて発表のクオリティがめちゃくちゃ高かったのはさすがでした。
プロダクトチームから他部署に伝播するふりかえり文化
自分が好きなふりかえりをどのように広げていったのか?というのを聞いていきました。
取組自体がすごく素敵だったのでそこへの共感が強かったのですが、自身がやられた活動を丁寧に言語化してくれた発表で、取組が浸透するまでの過程を追えたのはすごくよかったです。
また、経理担当者とふりかえりの相性の良さというのは今まで聞いたことがない話だったので、そこも面白かったです。
ダイエットはいいぞ!! ふりかえりに臨む前にもう一つ必要なこと
続いて、アジャイルを知った経緯はダイエットというパワフルな出だしから始まるこちらの発表を聞いていきました。
ダイエット×ふりかえりというのはなんとなく相性の良さを感じてはいましたが、実績を出している方からの言葉に重みがあったことも影響したのか、ふりかえりなしでダイエットをするのは不可能なのではないかと思わされるほどインパクトが個人的にはありました。
ふりかえりとの共通点が学べたのはよかったのですが、ダイエット方法も知りたかったです笑
これまで10年くらいふりかえり続けて思ったふりかえりに必要なたった1つのこと
yumechiさんの10年間の経験から、ふりかえりはアクションが重要だと思い至った経験談、コミュニティやカンファレンスでふりかえりが機能しやすい理由などを聞いていきました。
10年ふりかえりを続けているというのは単位がすごいなあと思って、n=1とはいえアクションがたった一つの大切なことになると考える理由にも納得していたのですが、途中からしれっと展開が変わって2つ目に愛が追加されていくというのは笑いましたw
KPT-TOD(KPTを味変してみた)
続いて、海外開発拠点で多国籍なシステム開発の協働経験やふりかえり経験があるというTakaさんからの話を聞いていきました。
馴染み深いKPTの気軽なアレンジ方法としてTry Oldというお手軽なやり方を提案してくれたのですが、多くの現場で行われているKPTからの一工夫という点で実践容易性がありそうでしたし、実践した際の効果も実感できて興味深かったです。
HYOW/JYOWにしてみたYOW!〜YOWに背景(Haikei)や状態(Joutai)を足してみた
最後にとんでもないキラーコンテンツがぶちこまれた発表でした。
YOWのカスタマイズをなにかをYOWに加えるという形でしている話はあまりみてこなかったのでどんな工夫でどんなことが起きるのか楽しみにしていたのですが、コンテンツ力があまりにも高すぎて、肝心の内容がさっぱり頭に入ってきませんでしたwww
ふりかえりカンファレンスをフリカエル
ふりかえりカンファレンスをふりかえっていきました。
自分が見ていたセッションを思い出せるというのはもちろん良かったですし、見ていないセッションでも多数気になるセッションの話を聞くことができて録画視聴の優先順位づけが自然とできた最高の時間でした。
他にも、セッションのつながりというのがフーリーとカエリーによって表現されているのは素晴らしかったです。
最後にふりかえりがたっぷり45分近くあるというのは本当によくて、なかなか時間の余裕がないことは承知の上で全カンファレンスで取り入れてほしいです。
クロージング
最後にみんなでFun/Done/Learnでふりかえっていきました。100人超のカンファレンスでFun/Done/Learnが行われるのは圧巻でした。
最後はもちろんFun/Done/Learnの歌で会が閉められました。
全体を通した感想
一日ずっとふりかえりをしていて、何なら登壇の中でもふりかえりをしていたのが印象的でした。
最近のカンファレンスやイベントはオンサイト開催やハイブリッド開催が増えてきて久しぶりのオンライン参加だったのですが、ふりかえりカンファレンスはオンラインカンファレンスとしての完成度が非常に高く、今後はオンライン参加も増やそうかなあと思える最高のカンファレンスでした。