天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

RSGT2023で個人的にヒットしたセッション

基本的に参加したカンファレンスのセッションはすべて見るようにしており、RSGT2023のセッションもすべて見終わりました。*1

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過去に何回かやったように、すべてのセッションの感想を書いていきたい気持ちがすごくあるのですが、あの記事を書くのは実は結構大変*2だったりして、今の状態ですべての感想を書こうとするのは難しいのが正直なところです。

そのため、せめてということで個人的にヒットしたセッションを無理やり4つに絞って、順に感想を書いていきます。
なお、4だと切りが悪いので5個に絞ろうと元々思っていたのですが、5個目の候補が5つくらいあり、選ぶのがめちゃくちゃ難しかったので4つに妥協し、5個目の候補は並列でざっくりと感想を書いていきます。

運用業務とスクラムは本当に組み合わせにくいのか?プロダクトオーナーから見た2つのプロダクトを担当するチームでの試行錯誤の軌跡とこれから / Is there chemistry between Operation work and Scrum? - Path of trial and error in our team -

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今年一番ヒットしたのはこちらです。

発表でも話されていましたが、「運用でスクラムは無理(or 難しい)」って色々なOSTに参加しているとそれなりの頻度で聞く話なのですが、そこに対してなぜ難しいと思われがちなのか?具体的にどうやって実際に生きた現場で対処しているのか?を、めちゃくちゃ高いクオリティで話してくれていて、これぞカンファレンスに参加したからこそ聞けるプレゼン(本を読むのでは得られない体験)というプレゼンでした。

内容が素晴らしかったのは言わずもがなですが、スライドにしてもプレゼン構成にしても話し方にしてもどれをとってもめちゃくちゃ上手で、プレゼン自体からも学ぶことが非常に多かったです。
カンファレンスに参加したり録画を見直した方複数名も、自分同様にこのプレゼンがよかったと話をしている人が自分の周りでは非常に多くて*3、本当に文句なしのセッションでした。

「私考える人、あなた作業する人」を越えて、プロダクトマネジメントがあたりまえになるチームを明日から実現していく方法

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森さんのセッションは毎回何百回と見返しているのですが、今回も自分の期待を超えてくる素晴らしいセッションでした。

これまでの話のおさらいみたいなところからスタートして、森さんらしく丁寧に一個一個の現象や問題を積み重ねていくスタイルが個人的にすごく好きというのがヒットしている理由としては一番あるのですが、今回はいつもに増してはっきりと問題提起と現実を突きつけられた感じがあった*4のがとても良かったです。

セッションを見て、この後の人生を通して向き合い続けたいと思えるようなテーマに出逢えたのは本当に久しぶりで、すごくわくわく感が溢れるセッションでした。

OSTを120%楽しもう‼︎ 誰でも簡単に実践できるtips教えます。

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プレゼンの内容+寸劇のセットで、こちらのセッションも5本の指に入るくらい印象的でした。

これまでOSTといえば及部さんのスライドのイメージが強かったのですが、そこを上書きされるような素晴らしい内容だったのに加えて、OSTでテーマを出してみることに対するハードルが一気に下がるような寸劇がセットになっていて、素晴らしかったです。

表現が難しいのですが、悪い意味でハードルが下がってテーマ自体の質も低下してしまうパターンと良い意味でハードルが下がってテーマ自体の質は低下しないパターンの2つがあると思っていて、今回は前者だったというのも個人的にはすごいなあと感じました。

実際にOSTのテーマが爆発的に増加したという形でアウトカムが出ていたのも、印象的でした。

なぜ変化を起こすのが難しいのか? - 数年以上に渡って難しさに向き合い考え取り組んできたこと / The reason why changing organization is so hard - What I thought and faced for more than several years

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「組織変革って大変だよね」「文化を変化させるのには長い時間がかかるよね」という話が主軸になるプレゼンやディスカッションは、組織やチーム関連のイベントまたはカンファレンスに参加すると必ずといっていいほど聞く話で、これまで数百回くらい聞いてきた気もするのですが笑、これまで聞いてきた話の中でももっとも素晴らしい話でした。

前半の理論的な部分は、多くの書籍をベースにした引用や説明がありましたが、知識の押しつけをされているような感覚はまったくなく、RSGTの参加者のコンテキストからすっと受け入れられるような話になっていてお見事でしたし、後半の話はiwashiさんのこれまでの経験や成し遂げられていたことがぎゅっと濃縮されて、見事な内容でした

特に後半部分は、90分丸々話さなかったことがすごくよかったと思っていて、短い時間だからこそ濃縮度がぎゅっと高まりつつRSGT参加者というコンテキストでプレゼンを聞いていた人たちの心を鷲掴みするような内容になっていて、本当に素晴らしかったです。

その他

以下、冒頭に書いた5個目の候補だったけど選びきれなかったプレゼンたちを挙げておきます。

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内容もさることながら、これまでの稲野さんの話と比べて出ていた熱量が印象的でした。稲野さんのスタイルからして、はっきりとわかりやすく熱量が上がっていたというわけではなかったのですが、プレゼンの節々から溢れていたシステムコーチングに対して抱く可能性を高い熱量で聞くのは楽しかったです。

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まず、プレゼンを聞いている人の共感を呼ぶようなプレゼン内容だったのが非常に好感を持てました。(プレゼンの一つのテーマだったナラティブを自身のプレゼンで実践されているのがすごかった)

次に、昨年のRSGTでのプレゼンやスクフェス大阪でいっしーさんが初めてスクフェスでお話されたと思われるプレゼンからのクオリティの上がり具合というのがすごく印象的で、普段いっしーさんが仕事に対してどれだけ真摯に取り組まれていてどれだけ多くのことを勉強しているのかが分かったのがすごく良かったです。

 

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これまで数々のおもちゃを作られている高橋さんだからこそできる話を、RSGTという場で聞けたことが最高でした。

もちろんどんな業界でも必ず当てはまるような話ではもしかしたらなかったかもしれませんが、ペルソナを決めて...というやり方ではなくてあくまでも個人的な欲求から入っていくというのは新しい視点で、すごく面白かったです。

あと、話もめちゃくちゃ上手で、時間の経過があっという間に感じられるセッションでした。

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丁寧な前置きからスタートして、ふわふわした内容&理解で終わりがちな内容*5に切り込んでいくスタイルが、自分が好きな近年の及部さんのスタイルらしくてよかったです。

今回は、前半に色々な文献を持ってきながら足固めをしつつ、後半にSECIモデル→YOWという流れで、及部さんがきっと面白い(好き)と感じているんだろうなあという話題を詰め込んでまとめに帰着させていたところが、いい意味で強引さ*6を感じられてすごくよかったです。

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人と価値観が違うというのはもはや当たり前に感じる話なのですが、そこで「違う人間なんだからわかりあえないのは仕方ないよね」の一歩先を行く話をコーチングを実践されているAkiさんの立場から聞けたのが非常に良かったです。

自分(というより人間?)が陥りがちなある種のバイアスを提示してくれただけではなく、20分という枠の中で、明日から行動できること(スキルを鍛える方法)までがしっかりと提示されていたのもすごく良かったです。

おまけ

めちゃくちゃ色々な方に、「aki.mさんの一番はやっぱりきょんさんでしょ?」と言われるのですが笑、(とても幸せなことに)きょんさんと一緒に働くようになってきょんさんが実際に仕事でやっていることがわかるようになり、以前はセッションのタイミングで受けていたような度肝を抜かれる感じが仕事中に移った影響で、今回のセッションを見てもこれまでのような感覚は抱かず、他のセッションと比較するとそこまで印象には残りませんでした。*7

*1:といっても見終わったの自体はだいぶ前だったのですが...

*2:「実は」はいらない説もある

*3:バイアスが掛かっている可能性も高いですが

*4:現実を突きつけて心がやられた可能性がある方へのフォローを次のセッションに投げるのはさすがみんなから怖いと言われている森さんだと思いましたがww

*5:今回であれば「安定したチーム」

*6:及部さんで言えばなんでもプロレスにしちゃうような感じ

*7:厳密に言うと、イベントなどで聞く多くのプレゼンテーションなどに比べると印象には残りますが、RSGT基準で比較するとそこまで印象には残らない