天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます

リモート組織PM必見!フルリモートでプロダクト開発うまくいく?【開発PM勉強会vol.15】に参加してきた

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こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

学びが多い!とご好評いただいている開発PM勉強会の第15回目!

今回は、住んでいる場所や働ける時間に縛られず、だれでも、いつでも、どこからでも関われるチームづくりをしている株式会社Lbose様のテーマ協賛で、リモート開発チームの事例を共有します。

本編では実際にフルリモートでプロダクト開発をしているPMやエンジニアの方々からのLTと、  後半には皆さんからの質問に答えるパネルディスカッションも実施します。

会の様子

信頼をベースとしたチームで挑むフルリモート開発 by山崎賢さん

まずはトラストバンクの山崎さんから話を聞いていきました。

リモートワークではコミュニケーションが希薄になる点が最大の課題だと考えている山崎さんは、密なコミュニケーションを取るためにチームを原則固定しているそうで、これが非常にうまくいっている*1という話を聞きました。

山崎さんは承認欲求がキーとなっていると考えているそうで、承認欲求を高めるためには自身を理解してくれる存在が身近にいることが重要で、そのために結束力の強いチームをキーワードとして考えているそうです。

開発Opsが立ち上がりました by 小笠原 智さん

続いて、開発Opsチームで現在働いているLboseの小笠原さんから話を聞いていきました。

Lboseではフリーランスの方々を中心に回しているというコンテキストもあって、チームに入ると自己流でガツガツキャッチアップしていき、なかなか組織にナレッジが溜まりにくくPMがプロジェクトの推進に苦戦するという課題があったそうで、その課題の解決策として開発Opsを立ち上げたそうです。

現在の開発Opsでは、PMが迷わずにプロジェクトを進行できるベースを作成する役割を担っているそうで、具体的には社内でPMのためにUXリサーチ(「PMには何が求められているか?」などを社員にインタビューする...)をし、PMが社内のPJ推進をする際に役に立つプロジェクトキットを作成しているということでした。

開発チームの成長に合わせてやったこと by栩平 智行さん

次に、ソニックガーデンの顧問CTO&DIGITALJETの創業者である栩平さんから話を聞いていきました。

プロダクトは成長するものだからチームも成長に従ったステージがあるだろうと考えているそうで、楽天大学の仲山さんが提唱されているチームの成長ステージに合わせたチームづくりをイメージされているそうです。

また、どんなステージでもザッソウ(雑談+相談)から作られるコミュニケーションがチームの基盤となっている*2と考えているそうで、ソニックガーデンではリモティと呼ばれる自社ツールを開発して、ザッソウが自然と発生しやすいような仕組みづくりを目指しているということでした。

世界最大のオールリモート企業、GitLabから学ぶリモートの秘訣 by伊藤 俊廷 さん, 佐々木 直晴 さん

最後に、GitLabの伊藤さんと佐々木さんのプレゼンテーションを聞いていきました。

まず佐々木さんから、リモート下におけるコミュニケーションについて話がありました。
リモートワークだとどうしても非同期なコミュニケーションが中心になりますが、非同期なコミュニケーションだけでは余白がなくなってしまうため、同期的なコミュニケーションを取ることをまずは重視しているそうです。
具体的な社内の事例としては、どこかしかのローカルで普段会わない人と同期的なコミュニケーションを対面で取ることを会社の予算を取って実施した例が挙がっていました。

続いて佐々木さんから、リモートで仕事をする上で大事になってくる文書化の話がありました。
文書化について、GitLabでは透明性・唯一性・編集容易性・レビュー可能であること、の4点を軸に考えているそうで、ドキュメントの種類ごとにこの4軸でどう考えられるか?を紹介してくれました。以下、その具体的な内容です。

Wiki的文書共有ツール

透明性...PJ/チームの範囲

唯一性....似て非なる文章が点在

編集容易性...画像取り込みは難しいものの難度が低い

レビュー可能であること...修正後に訂正するため難しい

GitLab Handbookなどの静的コンテンツ

透明性...配置場所次第(全社共有も可能)

唯一性...ソースコードを唯一のPJとすれば担保可能

編集容易性...エンジニア以外は難しい

レビュー可能であること...厳密なレビュープロセスを盛り込める

Google Docsのような共有ドキュメント

透明性...配置場所次第(全社共有も可能)

唯一性...構造的なファイル構成にする必要がある、別文書への参照はストレスになりがち

編集容易性...複数人同時編集も含めて容易

レビュー可能であること...簡易的であればレビュープロセスを取り込める

パネルディスカッション

セッションの後はパネルディスカッションがありました。以下、常体で質問とその回答を記載していきます。

情報共有ツールは何を使っているか?
  • Slack+Notion+Miro (トラストバンク)
  • Slack+Notion+Miro+Discord (Lbose)
  • Google Doc+自社作成ツールであるリモティ (ソニックガーデン)
  • Slack(ただし90日以上の履歴は残さない)+Google Doc+GitLab(Slackの引継先) (GitLab)
リモートワークの作業環境を教えてほしい
  • 自宅だが、子供がいるので音に一番こだわっている。(雑音が入り込まないようにしている)次に映像(表情がはっきり見えるようにしている)
  • 運動不足解消のために昇降デスクを使っている
若手や新卒をリモートでオンボーディングする際のアプローチは?
  • 会社のカルチャー伝達のために、偉い人やステークホルダーが意思決定する場に同席してもらうことは工夫している
  • 入社時説明会をスタンプラリー形式で行なっている(スタンプをもらうために色々なメンバーに声をかける仕組みを作っている)
  • 仕事の困りごとを定期的に話せる場(ワークプレイス)を作っている
  • オンボーディングプログラム
オフラインで集まった時によかったイベントはあるか?
  • 全く知らない人+ちょっと知っている人をうまく混合させた上での交流会
  • 普通にお寿司を食べた時は和んで楽しかった
業務のコンディション計測やメンタルコンディションが悪化したメンバーへの対処は?
  • 日常的にDMなどでちょこちょこ会話を持ちかける
  • 全社員のコンディションを定期的にモニタリング(その一方で、メンタルは多様性の塊だと思うので、あまり共通の物差しを使おうという発想はしておらずチーム内で試行錯誤もしている)
業務委託は募集しているか?
  • 募集していない(GitLab)
  • 募集していない。ただし論理社員という制度*3はある。(ソニックガーデン)
  • 募集している。業務委託/社員の区別をあまりしていない(トラストバンク)
  • 募集している(Lbose)

会全体を通した感想

リモートにまつわるLTをさまざまな観点で聞けて学びが深かったです。その中でもみなさんコミュニケーションに関して比重を重く置いた施策を取られているのが印象的でした。

個人的には、特にGitLabさんから聞くことができた文書化に関する考え方の部分が、特に印象的でした。

 

*1:チーム内で役割のオーバーラップが発生する、朝から晩までずっと雑談しながら仕事をテキパキと進めている、チームからずっと離れたくないという声が聞こえる...

*2:ザッソウが増えることによって、価値基準と入力情報の情報が増え、良質な判断ができてくるようになる

*3:業務委託契約になるが、社員と同様に働く。また、採用までは一年くらいかかる