こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
freeeさんがTech Nightを立ち上げした5年前から比べて、freeeさんがどのような成長をしてきたのか?今後BtoB SaaS企業としてどう成長していくのか?をエンジニア観点とデザイナー観点で語ってという話を聞いていくイベントです。
会の様子
2019年〜freeeアプリストアの公開+上場〜
smallビジネスに必要な機能を作っていくに当たって、自分たちの企業に沿った内容が開発できるようにAPIを公開したところ、経理の方などがGASで活用してくれて、一定の成果を挙げることができたということです。
上場に関しては、Tech観点では「変わらないこと」を目指したそうで、あくまでも上場は一つの通過点であり、何も変わらないことが重要だ、という話をしたというお話がありました。
2020年〜様々なプロダクトリリース〜
この年はCOVID-19の流行によってリモートワークが主体となった年であり、「やりすぎ1on1」をはじめとしたコミュニケーションを密に取るような施策を実施したということです。(リモートワークに移行した直後は、リモートワークから入社した社員がなかなか定着しない問題があった)
また、この年は地方拠点が活発したことが大きかったそうで、関西を中心に東京以外で活発に開発ができたことが多くのプロダクトリリースに繋がったというお話でした。
デザイナー観点だと、この年はユーザーインタビューがリアルでできない点は一つ課題として大きかったものの、インタビュー実施コストの削減やインタビューを受けてくれるユーザーのコスト削減など、リモートワークのほうがやりやすい点もあったということでした。
2021年〜サイトビジット社やLikha-iT社のGroup Join+リブランディング〜
元々はOpen ID Connectの基盤を作っていたそうですが、新規顧客が入ってきたときにただ単にEmailをマッピングすればいいという訳ではなかったので、そういった意味でもサイトビジット社のGroup Joinは大きかったというお話がありました。
また、UI統合という観点では、どこまで合わせていこうか?というのを考えることが難しかったそうで、ここはピタッと合わせることを統一するのではなく、統一することでユーザー体験を如何に上げるか?ということを重要視して、細かい文言や色、メニューの縦横を統一していったそうです。
Likha-iT社のGroup Joinに関しては、英語を用いてグローバルチームに日本のドメイン知識を渡すことに苦労した*1想い出があるということでした。
英語を使ったコミュニケーションを取ろうとすると、特定の英語が得意な人にコミュニケーションパスが偏ったりしてしまうので、その点の工夫も必要だったということです。
なお、この年はロゴも含めたリブランディングをした年でもあり、feature flagなどを活用しながら記者会見後徐々に移行していくといった工夫をしていたということです。
2022年〜オフィス移転+1ヶ月に一つのプロダクトリリース〜
オフィス移転は、トイレが足りない+酸素濃度が低くなるの2点の問題から行われたということでした。
結果的にトイレと酸素濃度の問題が解決された上、モニタリングなどが充実した環境でできるようになったということでした。
実際に販売管理に携わっているチームの人が中心になって、エンジニアドリブンでプロダクトアウトして作るプロダクトを決めていった事例を作れたことが、この年のプロダクトリリースの特徴的な部分だということで、デザインとしても業務としても新しいチャレンジに成功できたというお話がありました。
2023年〜札幌拠点設立+ChatGPTの導入〜
コスト的に見合っているか?+リーダーとして熱い想いを持っている人がいるのか?の2点が両立できたため、札幌拠点の設立に至ったということでした。
また、ChatGPTの民主化をしていった年でもあるということで、カスタマーサクセスなどに活かしつつ、エンジニア視点でもチーム開発に紐づけていく取り組みをしていったというお話がありました。
採用観点では、これまでと比べて圧倒的に多くのエンジニアが入社した一年だったということで、採用したエンジニアたちがより早い速度で成長できるような環境を作っていきたいと思っているそうです。
会全体を通した感想
札幌拠点の話は、スクフェスニセコで聞いたfreeeさんの札幌拠点立ち上げの話とリンクして、やはり熱い想いを持ったリーダーの存在はこういった新しいチャレンジをしていくにあたって必要不可欠なんだな、というのを実感しました。
今回は年ごとのふりかえりという感じの話が多かったので、5年を一貫したふりかえりの話ができたらより良かったな、と思いました。
*1:36協定などはコンテキストの共有が難しかった