こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
以下、connpassのイベントページから引用です。
学びが多い!とご好評いただいている #開発PM勉強会 の第13回目!
今回はプロダクト開発、プロジェクト管理とは切り離せない スクラムイベントや会議の進行「ファシリテーション」技術について話します。
会の様子
営業出身PMがプロダクトチームの信頼をどう獲得していったか〜杉原 達也さん〜
チームからの信頼を獲得するために、初期にすることと後期(ある程度の信頼は獲得した後)にすることをお話ししてくれました。
初期は、ドラフト(たたき台)を作ってチームに持っていき、理解した内容を自分の言葉で翻訳して質問する、チームを知ろうとするという姿勢が必要だということです。
後期は、
- 非同期なコミュニケーションに配慮する
- 同期するときは同じ画面を見て話す
- オープンな場でコミュニケーションをとる
を意識してチームとコミュニケーションをとっていくということでした。
また、ファシリテーションする際には、発言のハードルを下げるためにコメントをもらったり、意図的に「〜さんどうですか?」と指名をして、発言内容の回収まで責任を持ったり、言い回しの引き出しを内輪ネタなどを活用して増やすといった細かな工夫もされているということです。
すぐ使えるようなTipsが多く、面白い発表でした。
チーム全員で盛り上げるファシリテーション〜久津 佑介さん〜
元々お通夜のようなスプリントレビュー*1だった状態から、どのようにしてスプリントで活発なレビューが出るような状況にまで持っていったのか?というお話を聞いていきました。
まずはとにかく発言量を増やすための仕掛けとして、チャットを盛り上げたり「どんな発言でもいいからください」と言ってみたり、前提からずれたような意見が出てもその場では感謝を示して受け入れたりする工夫をしたそうです。
そうして徐々に場が盛り上がってきた後は盛り上げに徹しつつ、Slack上で告知をするなどして多数の人を巻き込んでいき、今では社内でも「面白いことやってんじゃん」と認知されるような場になったということでした。
また、その人のキャラあってのことかもしれないが、敢えて場を凍らせてそこに対してチームメンバーが場が凍ったことを周知することで場が温まると言うのもあると話されていたのも印象的でした。
久津さんの話ぶりからも、場を盛り上げる力がすごくあるなあと感じられて、非常に面白かったです。
"ボードゲーム"から学ぶ仕事で使えるファシリテーション術〜井上 慎也さん〜
ボードゲームを参考にしながら、話術ではなく非日常感を感じさせてくれるような仕掛けを活用したファシリテーションの話をしてくれました。
具体的な仕掛けとしては、以下が紹介されていました。
- 場のルールを一目で確認できるようにする
- 期待される振る舞いを迷いなくわかるようにしておく
- 楽しそうだな、と直感的にわかるようにしておく
- 感情設計を行う
目から鱗のTipsが多く、学びが深いプレゼンでした。
リモートファシリテーションとメンタルヘルス〜Lily Okamotoさん〜
Anxietyをテーマに、ファシリテーション中に起こる不安がなぜ起きているのか、どのような出来事がトリガーとなっているのか?について、SCARF modelを中心に語ってくれました。
完璧(民主主義的に全員を幸せにすること)を目指したり、感情を無理に読み取ろうとしすぎないことが重要で、ファシリテーター自身が自分が今どういう感情を持っているかを自覚することが重要だという話は、特に共感が強かったです。
プレゼンを聞いている内に、どんどんOkamotoさんの話に引き込まれていく感覚があって、とてもインパクトが強いプレゼンテーションでした。
パネルディスカッション
以下、出てきた質問と意見を箇条書きで挙げていきます。
ファシリテーションの練習方法
- 明確な練習方法というのは難しい
- こうした場に出たり読書をしてファシリテーションが上手な人のやり方を真似る
- (社内に限らず)イベントを開催してフィードバックをもらう
- 少しハードルは高いかもしれないけれど、録画してフィードバックを得る
沈黙を防ぐ方法
- 「自分だけに話させないでよー笑」と冗談めいた発言をしたり、大きな声を敢えて出してみたりする
- Zoomの背景にツッコミどころを作っておいたりする
- まず自分がハードル低い質問をしてみる
- 「あれ、Zoom止まってます?」と言ってみる
- 「〜さん難しい顔していますけど伝わりました?」と言うふうに表現を活用する
グローバルメンバーのファシリテーション
- どういう文化を大切にするのか?会社としてどうしたいのか?と言うのをトップダウンで決めてもらう
- バイリンガルな人材は特にだが、翻訳がファシリテーションにならないようにする
- 日本人しかわからないネタ(CM, 芸能界ネタ)を使わない
場が荒れてしまう際にどう収束させるか
- 判断軸を型で用意しておく。本質が何かを示し、感情的になってしまった場合の拠り所にする
- 敢えて場を分ける。一日寝かしましょうよ等々...
- この仕事何のためにやっているんだっけ?など、エモい話に持っていく
- 普段から対立が起きないような関係性にしておく
PJMとPdMの違い
- スクラム的な考え方(PJM不要)を持っているのもあるが、チーム全員で解決することが重要だと思っている。そのため、問題解決で詰まるようなら、PJMを用いて解決するという方法は取らない。そうではなく、PdM的にチームのマインドを育てるような
- 納期があるかないか
- 視点が違う。ずっとユーザーインタビューに行ったり、いかにユーザに寄り添うか?と言う視点で考える。一方で、プロジェクトマネージャーはもっとチーム内部に視点を持つ
- 両方とも経験した自分自身から変化を考えると、PdMは何を検証していくのか?を大きな視点で考える。(プロダクト1つに対して複数のプロジェクトがある)
会全体を通した感想
楽しい話が多く、LTもパネルディスカッションも満足度が高い会でした。
特にプレゼンでは、登壇者の方の個性がすごく感じられて、多様な観点で学びが得られたのがよかったです。
*1:参加者からフィードバックは全くなく、レビューが終わった後にレビューで話したようなことや過去に伝えたことをもう一度伝えないといけないような指摘がくる...