こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
以下、connpassのイベントページから引用です。
喜びあるエンジニアライフを送るために、登壇者と参加者がともに学ぶ場を作りたくてCreationline MeetUpを立ち上げました。
記念すべき第1回は、ソニックガーデン倉貫さんをお招きし、「会社」という概念をアップデートし続けている倉貫さんの、次の一手は何なのか聞いてみたいという、クリエーションライン安田社長の思いから出た企画です。
会で印象的だったこと
コロナ化になる前から全員フルリモートにしていた経緯と
ソニックガーデンさんは、コロナになる前からフルリモートの開発を実践されていますが*1、最近になって物理拠点を作ったということで、その経緯に関する話を聞いていきました。
物理拠点を作ったのは、最近新卒が入った影響が大きいということで、新卒のメンバー(+新卒のメンバーを育てるためのメンバー)のコミュニケーションをより密に取りたかったのが理由だということでした。
新卒採用を始めたきっかけ
上の話に関連して、ソニックガーデンさんがここ最近なぜ新卒採用を始めたのか?というお話を聞いていきました。
ソニックガーデンさんは、エンジニアになりたい人はたくさんいるのにエンジニアは足りないと言われている現代のIT業界において、何かしら業界への貢献をしたいという想いが湧いたそうで、新卒採用を始めた*2ということです。
非常に素敵な話で印象的だったのですが、ソニックガーデンさんが掲げる「納品のない受託開発」を行うのには新卒だと特にハードルが高いと考えられますが、新卒採用をやるからには10年くらい育成に時間がかかってもいいと考えているという話*3が出ていたのが特に印象的でした。
セルフマネジメントができる人材にするための工夫
ソニックガーデンさんでは、必ずふりかえり(リフレクション、内省)を行っているということで、これがセルフマネジメントができるようになるための支援になっているというお話がありました。
具体的には、マネージャーさんが新人*4に寄り添ってこのふりかえりを一緒にするということです。
ふりかえりを一緒にする際には、コーチングのような形式で行っているということで、マネージャーは決して答えを新人に対していうのではなく、新人が内省を深めるような問いを投げかけるということでした。
会の後半でも、「自分たちはふりかえりの会社だ」という話が挙がっていて、ふりかえりを重視している様子が伺えました。
ソニックガーデンさんのソフトウェア開発に対するポリシー
ソフトウェア開発をするなら、ソフトウェアの特性に沿って開発をしていく方がいいとソニックガーデンさんは考えているという話がありました。
具体的には、以下のようなポリシーを掲げているということです。
- 人を集めれば良いものができるという考え方は持たない
- 品質や企業文化に対して理解が一致している人たちでチームを組む
- ビジネスパートナーは基本的にチームには入れない
- 締め切りを作らない。お互いに納得するまでやる。こうすることで、本当にいいものが早くリリースできると思っている*5
規則・規律に対する考え方の変遷
元々、例えば「経費はいくらでも申請して良い」といったように、規則や規律を作らずにできる限り自由にしていたそうですが、セルフマネジメントがまだできていない段階の人にこのような環境を与えると、恐怖心があり逆に行動できなくなるという事態が発生したそうで、規則や規律を定義することにしたということでした。
しかし、規則や規律を定義すると、自身でコードを書く現役エンジニアたちが揃っている会社ということもあり、今度はめちゃくちゃ具体的な規則や規律ができあがり、失敗する人が減ってしまった(=チャレンジをしなくなってしまった)ということで、ここ最近は絶対はみ出ちゃいけない最低限のラインだけを定義するようになったということでした。
人と会社の成長
ソニックガーデンさんは、会社の成長を意識することはない(結果的に成長すればよい)ということで、あくまでも社員個人の成長を第一に掲げているということでした。
これは、倉貫さん自身が、会社の数値を意識してしまったが故にのびのびできていない*6という経験をされたというのが、考え方を持つ原体験になっているそうです。
採用時のミスマッチを減らすために
会社の文化に馴染めるかどうかは本人にしか基本的には判断できないだろうと倉貫さんは考えているそうで、その判断をしてもらうために、実際に一緒に働いてみる(副業が可能なら、副業として仕事を実際にしてもらう)ということをしているというお話がありました。
会全体を通した感想
実は、倉貫さんは初めてリアルタイムでお話を聞いたのですが、めちゃくちゃ理に叶った話を多数してくれて、とても楽しかったです。
雑談タイムでは、普段全然交わらない方の話も多数聞くことができて、学びも深い素敵な時間を過ごすことができました。