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こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていきます。
会の概要
Regional Scrum Gathering Tokyo 2022 - モダンオフショアを支えるグローバルアーキテクト | ConfEngine - Conference Platform
を藤村新さんに話してもらおうというイベントです。
会で印象的だったこと
新さん×オフショアのストーリー
オフショアと言うと新さんが浮かぶくらい、オフショアの印象が強い新さんですが、そんな新さんがどのような経験を経てオフショアに辿り着いたか、その過程でどのような出逢いがあったのか、どんな心境の変化があったのか...新さんのストーリーを話してもらうことができました。
自分も知っているような方々の話が出てきたり、聴いたことがなかったけど大分衝撃的な話を聴くことができたり、純粋に楽しかったですし、話を全て実際にその当時の写真やスクショを見せながらしてくれるので、プレゼンにのめり込みながら聴くことができました。
2層スクラム
ベトナムメンバーと日本のメンバーで共創していくにあたって、プランニングを2部制としたい、母国語でレトロスペクティブを行って議論を活性化させたいといったモチベーションから、2層スクラムと呼ばれる仕組み*1を取り入れているということでした。
この2層スクラムの鍵を握るのが、後述するグローバルアーキテクトだとういうことです。
オフショアメンバーの力を活かす工夫として面白いなーと思いました。
BSEが嫌い
ベトナムのオフショアチームと日本のメンバーをつなぐ際に、Bridge SEの存在がベトナムのオフショアチームが持つ開発力を活かすことができないという話がありました。
Bridge SEは、ベトナムのオフショアチームに対してWhyやHowを伝えるなど干渉を強くし過ぎることで、技術力のボトルネックになってしまうパターンが多く、新さんは嫌いだということでした。
リーダーとチームを橋渡しするサブリーダー的なポジションを作った結果、サブリーダーがボトルネックになってチームが全然力を発揮できなかったりチームの自己効力感を低下させてしまうケースを何回か見てきたので、個人的に刺さる話でした。
グローバルアーキテクト
ベトナムのオフショアチームを支援する役割として、グローバルアーキテクトという役割を置いているという話でした。*2
グローバルアーキテクトの仕事内容
一言で言うと、「オフショアチームと顧客の組織(PO)に奉仕する真のリーダー」がグローバルアーキテクトということです。もう少し具体的に言うと、
- PBIの確認事項を技術面でサポートする
- プランニングでどのPBIまで着手するかを決める
- オフショアチームからの技術的な質問に答える
- オフショアチームがどのようにタスクを分割するかの支援
- オフショアチームが作ったPBIのデモをPOに実施
- フィードバックをオフショアチーム、日本のチームに与える
- PBIの見積もりをサポート(一緒に実施)
の仕事をしているということでした。
Bridge SEとは何が違うの?
仕事の内容としてはBridge SEと似ている感じがありますが、マインドセットやチームに対してのふるまいが決定的に違うということでした。
当事者意識が高く、実際に現場でハングリーなオフショアチームと一緒に仕事をするようなふるまいが求められるということでした。
また、ただPOの橋渡しをするようなBridge SEとは違い、オフショアチームの意見を聴いてPOの決定を覆したり、フィードバックをお互いに与えて時には喧嘩もしながら仕事をするようなコーチ的なふるまいが求められるということです。
モダンオフショアの実力
オフレコの話もあるので詳しくは書けない部分もあるのですが、モダンオフショアを実際に導入して成果を出した事例の威力が高すぎて、思わず画面越しで「すごい」と声が出てしまいました。
プレゼンの締めということもあって、2022年以降は本当にモダンオフショアの時代が来るんじゃないかと思わされるような話でした。
会の感想
新さんのプレゼンがめちゃくちゃ上手で、コメントを打つのを忘れるほどプレゼンにのめり込んでいました。
オフショアチームのハングリーさや高い技術力*3というのに刺激を受けましたし、発表を聴いてチームの可能性をこれまで以上に強く感じました。
また、モダンオフショアが今後一つのムーブメントを起こすのではないかと個人的には感じる内容でした。
新さんの気概や仕事に対しての姿勢にも胸を打たれるものがあり、自身の日々のふるまいを顧みるいいきっかけにもなりました。