天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

良質な意思決定を行うためのPdM×データ分析体制/Retty Beer Bash#3に参加してきた

retty.connpass.com

こちらのイベントに参加してきましたので、少し会の様子と感想を書いていこうと思います。(ブログ書きながら参加できなかったので投稿遅くなってしまいました。。)

会の概要

RettyではPdMが再現性高く良い意思決定をし続けるために、データドリブンなプロセスを構築しています。 3年前、データ分析チームを立ち上げたことにより可能になりました。 PdMとデータアナリストが適切に協働している現体制について、PdM、データアナリスト双方の観点からお話します。

  • データドリブンにする前と後、どう変わった?
  • 何がきっかけでデータ分析チームを立ち上げた?
  • 未経験ばかりでもデータアナリストが育成できたのはなぜ?
  • PdMとデータアナリスト、役割や責任はどう分担している?

会の様子

最初に参加者向けにアンケート(どのテーマが聴きたいか?)があり、その後に聞きたい人が多いテーマから順に、説明&質疑応答、という流れで進んでいきました。

ユーザーストーリー実装までの具体的な流れ

最初にPM側から超ざっくりと、こんなことがやりたい、という相談が来て、この相談を基に最初は定量分析→定性分析の順をPMとデータアナリストの間で徹底的に行うという所がスタートということです。
その後は、早い段階からエンジニアが入って、課題解決や解決案の具体化を進めて、その後はデータアナリストが主導して事前検証をして、最後に優先度判断をPM、データアナリスト全員でされているということでした。

説明や質疑応答を通して、

  • 責任分担が明確にされている
  • 複数の指標を用いて、判断を定量的にされている

の2点が伺えたのが、個人的には印象に残りました。

分析の民主化

誰でも分析ができるように、

  • 分析データをBigQueryに集約
  • 誰でもシンプルなSQLでデータ抽出するためのDWH開発
  • BigQueryの勉強会*1

を実践されたというお話がありました。
PMが自らデータを手に入れて分析することができて、更に踏み込んだ分析やレポーティングスキルはデータアナリストがサポートするという体制を敷かれているという所は、属人性の排除を一定しつつも、専門領域はデータアナリストが担当する、という理想的な協働関係が築けていて素敵だなあと思って聴いていました。

定量・定性データの使い分け

ここはシンプルに目的に応じて使い分けしているということで、行動分析やログ収集は定量的に、使用したい理由や心理状態を明らかにする時は定性的なデータを使うということでした。

また、Rettyのことを好きなユーザーが多いため、ユーザーインタビューに答えてくれるユーザーがいるのも強みだということでした。
ユーザーとの関係性をどういう形で築いていくのかという話で、Retty主導のアンケートに答えてもらう、イベントで知り合った人にアンケート、社内リファラル、リクルーティング...というのを聴けたのも非常に良かったです。

数値を見る文化の作り方*2

BIツールを、BIツールの落とし穴*3を回避しつつ活用しているというお話でした。
数値を見ることに難色を示す人も多い実感があるのですが、複雑化を防ぐことで数値文化を根付かせているというのは実践的で、面白かったです。

この話は、田中さんのnoteにかなり詳しく書いてあります!

note.com

データアナリストからのPM転向

飯田さんのキャリア紹介という形で、データアナリストからどういうキャリア変遷でPMになったのか?という話を聴いていきました。
一見大胆なキャリア転向にも思えますが、アナリスト時代のスキルセット*4がPMの仕事にも生きているという話があって、PMの一つのキャリアとして参考にできる話だなあと思いました。

会全体の感想

え、こんな細かい粒度で説明してもらえるの!?と驚く位、具体的な話を聴くことができて驚きました。
話が具体的なこともあってか、質問も他イベントと比較するとかなり活発に出ていて、出てきた質問についても一つ一つ丁寧に答えてくれていた姿が非常に印象的でした。

常松さんの影響もあってRettyさんのイベントはいつもチェックしているのですが、中々イベントの日程が合わず参加できていなかったので、今回初めて参加できてとっても嬉しかったです!
期待を裏切らない、有意義な時間を過ごせるイベントでした。

*1:サポーターが一人ついて分からない人をフォロー。勉強会は強制力を働かせるのではなく、コミットメントしてくれるだろうと期待できる人や領域的に優先度が高い人に参加してもらったということでした

*2:数値文化は、Rettyさんの「なぜこの仕事をやるのか?」に拘る人が多いというカルチャーが背景にあるということです

*3:①BIツールにデータを入れる人が限定的②ダッシュボードを見ている人見ていない人の差が出る③見たい人がどんどん指標を細かくした結果、ダッシュボードの難度が上がって殆どの人は理解できずBIツール不要論が広がる

*4:論理的思考力、SQL、統計知識...