天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

「老舗企業のアジャイル・トランスフォーメーションの旅の途中経過」に参加してきた

distributed-agile-team.connpass.com

今週も分散アジャイルチームで講演を聴いてきたので、感想を書いていきたいと思います。

イベントの概要

以下、Conpassのイベントページから引用です。

https://confengine.com/regional-scrum-gathering-tokyo-2021/proposal/14723

老舗の大手メーカーで、ビジネスの進め方にあった健全なソフトウェア開発をすべく、2016年から全社的にアジャイルの導入展開を推進するようになりました。これまであの手この手で展開をしてきました。ここ数年、色々なところでこれまでの経緯を発表させて頂きましたが、今回は新型コロナによる分散開発やビジネス直結型の社内アジャイルコーチチームの発足など、現在直面している困難と対策、今後についてお話しさせて頂きます。

アジャイル型開発を推進するといっても、それだけでビジネスがうまくいくわけではありません。一方で機械学習などの技術は華やかで注目が集まります。そのような中、いかにして全社横断的な活動を継続、拡大しているか、現在の状況と合わせてお話させて頂きます。

現在の途中経過ではありますが、少しでも皆さんの参考になれば幸いです。

イベントで印象的だったこと

イベントを通して面白い話が聴けてボリュームも多かったのですが、特に印象的だった話を4つ書きます。

顧客中心主義

顧客を中心に考えることで、「責任の押し付け合いしてて顧客喜ぶのか?」「企画の人がソフトウェア開発のことを分からないで顧客が喜ぶものを企画できるのか?(逆も然り)」という話があり、顧客を喜ばせる(顧客が買いたくなるようなプロダクトを作る)という共通のゴールを持つ重要性を実感しました。
自分自身が、最近、顧客から期待を超えたという評価をいただいて凄い嬉しかった経験があったので、今後仕事をしていく上で、顧客中心主義を一つの軸としていきたいなあと思いました。

企画と開発の分離に立ち向かう

上記に書いた共通のゴールの話に関連して、企画と開発の分離を解消するために、「誰のどんな課題をどのように解決するか?何をどこまで作るか?」という話をお互いにしたというのを聴いて、お手本のような立ち向かい方だな、と思いました。
具体的にどういう手法を用いてお互いに話をしたり、何を作ったのかなど、具体的な話を聴けたのも実践的で良かったです。*1

会社内にコミュニティを発足した話

アジャイルな文化を、アジャイルという言葉に誤解を持たせないように広めるために社内にコミュニティを発足した話を聴きました。
コミュニティを発足させた後の話がまた凄くて、チームに社内アジャイルコーチをつけて伴走をした話、アジャイルバズワードにならないようにナレッジの展開をした話、勉強会を立ち上げて次第にスケールをしていった話...見事としかいいようがありませんでした。

自分ができるからみんなができるへ

上記で書いたコミュニティでの経験を職場で実践して個人の成長を促し、成長した個人がナレッジシェアやコミュニティ運営に積極的になるような仕掛けを数多く作り、社内全体でアジャイルなマインドや開発のメソッドを広めていったという話を聴きました。
素敵な取り組みで感動したことは勿論ですが、この仕組みづくりも会社全体を巻き込んだ精巧なものになっていて、目から鱗が落ちました。

全体を通した感想

なぜRSGTに通らなかったんだろうか...と思うくらいの素晴らしい講演でした。
分量も圧倒的でしたが、出てくる事例すべてについて、中原さんが徹底的に考え抜かれている様子が見受けられ、心に刺さりまくるプレゼンでした。
また、イベント後のOSTでは、中原さんの発表に関連するお話(アセスメント作りの話と企業内での壁の話)をgaoryuさんや森さん中心で聴けて、こちらも学びが深く面白かったです。
別イベントですが、gaoryuさんのファシリテーション・インタビューの裏話も聴けて満足でした。
いつも密度が濃くてめちゃくちゃ楽しいですが、今日は学び成分がいつもに増して多く、大満足の会でした!

*1:スライドを一部非公開にするということで、どこまで書いていいのかは分からなかったので、具体的な話は書かないようにしています