こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
以下、イベントページから引用です。
今回 エンジニアの処方箋 #5 では、【「アジャイル式」健康カイゼンガイド】の著者のお二人である、あずさんと懸田さんにお越しいただきます。
心と身体の健康は密接に関係しています。 これまでシリーズでは、主に心の健康に着目して先生方にお話していただきましたが、今回は心と身体の関係性について、そして健康をどう継続できるかをお二人に教えていただきます。
また今回の健康カイゼンガイドは、みなさんに馴染みのある「アジャイル」を取り入れたものです。
今回の「アジャイル式」健康カイゼンガイドの価値と原則はなんなのか。ぜひみなさん一緒にアジャイルを健康に取り入れませんか? これから、健やかにエンジニアとして日々過ごしていくためのヒントになること間違いなしです!
会の様子
基調講演
最初にあずさんと懸田さんから基調講演がありました。
カラダと心と生活のつながり
カラダと心は一体だというのに賛成する人は多いはずですが、イメージとしては分けられるものだと考える人が多いという話がありました。(例えば深呼吸をしたら心が少し落ち着いたり、強いストレスが続くと頭痛や腹痛になったり前頭前野の働きが低下する...)
また、カラダと心に加えて生活もつながっているということで、朝食を摂ると体内時計がリセットされ体温が上がり、頑張ろうという気持ちになるという例や睡眠不足が疲労感に繋がり血圧や血糖値, 中性脂肪の値が上がる例、動かないことで酸素の循環不良になって疲労感に繋がる話などが挙げられました。
脳の3つのネットワーク
最近の研究で明らかになっていることとして、(仮説に近い部分はあるものの)
- CEN(セントラルエグゼクティブネットワーク、人が意図的に集中しているときに働く)
- SN(セイリエンスネットワーク、変化や情報を検知し切り替えるときに働く)
- DMN(デフォルトモードネットワーク、ぼーっとしていたりするときに働く)
の3つが挙げられました。
ここから、やる気があるはずなのになかなか集中できないときなどは、栄養や睡眠、休養が足りていない可能性があるという考えられるということです。
自律神経
基本的な生命維持機能を調整している自律神経は、交感神経と副交感神経にわかれるということで、乱れてしまうと消化器や神経系、運動器などに異常が出てしまうということです。
自律神経を整えるためにできることはたくさんありますが、食事・運動・睡眠に加えて深呼吸をすっきりとることが重要だというお話がありました。
では何をすればいいのか?の前に大切なこと
ここまでの話を聞くと色々大切なことは分かったけれど何が大切なのか?となると思いますが、その前の前提として大切なことの話がありました。
今回の本では、健康という(人によっていうことがバラバラという意味で)正解がなかなかないテーマに対して、具体的なやることよりも価値観を提示したいという想いがあったそうで、アジャイルソフトウェア開発宣言に習い、
- プロセスやツールから、自分との対話へ(HRVなどを測るなど健康ツールも大切だけど自分自身が感じていることを不快感情も含めて素直に信じてほしい)
- 部分的な取り組みから、全体的な取り組みへ(できることから始めて全体調和へ)
- 計画やルールに従うことから、状況変化への対応へ(計画を立ててやるのも大切だけど、できなくてもその状況にあわせてやり方を変え、ラプスをどう乗り越えるかが重要)
- 短期的成果から、長期的継続へ(短期的な大きな変化はストレスにも繋がる)
- 専門家への依存から、専門家との協調へ(専門家の意見も大切だが自分を一番知るのは自分自身である)
の5つを考えたということです。
プロセスを続けるコツ
プロセスを続けるためには、楽しいことをコミュニティの仲間と、多重な目的で行うことが重要だという話がありました。
小さく進めるコツ
小さく進めるためには、自分自身へのハードルを下げ、心のゆとりを持ちながら無理をしないことが大切だという話がありました。
自己接待最優先
ここまで話してきたことを実践する重要性として、まずは自分が満たされていないと、他者を満たすこともできないという話が最後にありました。
Q&A
講演の後はQ&Aがありました。以下、常体かつ一問一答形式で内容を記載します。
マネージャー視点でメンバーが不調になったときにすべきこと/すべきでないことを知りたい
- 表情や雰囲気を観察したり、いつもならしないミスをしているかをチェックしたりすることがまずやってみる。そのうえで、本人にI messageなどで自分が心配しているという気持ちを伝えて人につなぐのがよいのではないか
- 病気だと決めつけたり、こうしたほうがいいというのを決めつけたりすることはすべきではない。また、健康面に関する判断をくだすこともやってはいけない
リモートワークで早く不調に気がつくためのコツは?
- カメラをONにするなかでどうやって不調に気がつく?というのを話してみる
- 非言語情報が限られているので、信頼関係を築くためのコミュニケーションは大切
- 雑談をするだけの時間も組み込む
メンタル不調の相談をこの場でしてほしい
- (相談者)正直メンタル不調ではないのだが、1on1など高い集中力が必要な仕事が続くと集中ができなくなるタイミングがある(他のことがおろそかになってしまう)のだが、どうするとよいのか?
- (回答者)普通だし本当にメンタル不調の人じゃないと難しいかもしれない
メンタル問題の一番の解決策は転職だと思ってしまうのだがそれって良いことなのか?
- メンタル問題のパターンや転職しようと思うパターンに関して自覚できるとまずよい
- 転職して解決することは何も悪いことではない。悪いパターンとして、自分がいけないからこの場にいないといけないみたいな考え方になるパターンがあるので、問題ない
エンジニア特有のメンタル問題を知りたい
- リモートワークを選択しやすいので、太陽の光を浴びていないことでの負の影響を受けている人が多い印象がある(イライラしやすいなど)
- 「自分がメンタル問題だなんて睡眠も取れているはずだし、そんなはずがない」とか「健康の定義を考えると、その定義上は健康なはずだ」など、自身の感覚よりも論理を優先してしまう
成功体験の判断基準を知りたい(運動しているのに成功しない(体重が減らない)からどんどん負荷を上げて苦しくなってしまう)
- なんで体重減らすの?は気になる。減らさない選択肢も存在する可能性がある
- 運動があっていない気がする
- 体重以外に判断基準があってもいいと思う。階段上がるのが苦にならなくなったとかでもいい。主観的な数値でもいい
- 負荷を上げれば良い訳では無いので、自分にあった運動というのを試してみてもいいと思う
会全体を通した感想
運動に関して自重運動で済ませることもあるのですが、運動はカロリーを消費するといった以外の目的(太陽の光を浴びる)もあるんだなあというのは特に面白かったです。
主観的な評価を信じられない(脈拍などが高くなければ多少疲れている気がしても大丈夫だろうと思ってしまう)のはめちゃくちゃ心当たりがあったので、気をつけようと想いました。