こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
天野さん木下さん家永さんのアジャイルコーチお三方が、視聴者から寄せられた質問に答えてくれるというイベントです。
今回の質問は、「プロダクトオーナーが非常に忙くても、うまくやっているチームはどのような工夫をしていますか?」でした。
会の様子
ミニ講義
今日は普段と少し異なり、まず木下さんから講義形式でお話がありました。
まずプロダクトオーナーの定義ですが、プロダクトオーナーはプロダクトの価値を最大化する役割であり、
- プロダクトゴールを策定し、明示的に伝える
- プロダクトバックログアイテムを作成して明確に伝える
- プロダクトバックログアイテムを並び替える
- プロダクトバックログに透明性があり、見える化され、理解されるようにする
- プロダクトオーナーは一人の人間であり、委員会ではない
の5つを押さえておくことが重要ということです。
また、プロダクトオーナーは必ずしも全てを抱える必要はないので、一部の話を委任することもできることを覚えておいた方が良いということでした。
木下さんが支援に入る場合だと、1, 5はプロダクトオーナーに必ず役割を遂行してもらい、3は開発者とプロダクトオーナーで協力してやってもらい、2, 4は開発者が主導するという形が多いそうです。
家永さんも、2のバックログ作成はむしろ開発者に主導してもらうことが多い(細かいスライスは開発者じゃないとできない)というお話がありました
プロダクトオーナーが忙しくてうまくいかないあるあるパターンとその対応
まず、プロダクトオーナーが忙しすぎてうまく回らないパターン(お題とは逆のパターン)のお話を聞き、それに対してどのように対応していくのかの話を聞いていきました。
- 仕様に関する質問などをプロダクトオーナーに聞いてもしばらく返ってこないため先に開発した結果、想定と異なることが後で判明して作り直しになることがあった。デイリースクラムに必ずプロダクトオーナーに出席してもらい、そこで質問をするようにした結果、解決した。
- 接触機会が少なく、トップダウンでビジョン・ゴールをチームに浸透させることができない。対策として、エレベーターピッチを一緒にやるなどして、一緒にビジョンを作るようにした結果、解決した。
オーナーシップとリーダーシップとの違い
プロダクト「オーナー」であってプロダクト「リーダー」でない理由はなぜか?という質問があり、回答してくれました。
明確な資料に基づくものではなくあくまでもイメージ的な回答だということでしたが、リーダーだと開発者を下につけて何かしらをやってもらう、みたいなイメージがついてしまうことを懸念したのではないか?というお話でした。
他にも、会社に答申して獲得した予算をどう使うのかを決める&完成したプロダクトを使用してビジネスを展開していく人なのでオーナーと言っているのでは?という意見もチャットで出ていました。
POが忙しくなったときに優先順位をどうつけてもらうのか?
木下さんは、優先順位づけをしてもらうときに、インセプションデッキのやらないことリストを活用しているというお話が出ていました。
また、優先順位づけが発生したタイミングでなぜそのような優先順位になったのか?という根拠を示してもらうということです。
他にも、ゴールベースで調整していく*1ことも多いということでした。
POに差込タスクが多い場合の対応
POに突発的なタスクが多い場合は、チームの仕事はバックログに定義されている前提であれば、割り込みの傾向を記録してバッファを調整していくのが良いのでは?という話がありました。
会全体を通した感想
今回は冒頭にミニ講義があった上でその内容をもとに議論が展開されていくというスタイルが取られていたのですが、コンテキストや大枠の回答が最初に分かった状態で話が進んでいったので、非常に話がわかりやすかったです。
*1:KPIやプロダクトゴールをベースに調整...