天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

フリーランストーク#1-フリーランスとしてのキャリアを成功させるアイデア&ヒントに参加してきた

dev.classmethod.jp

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

今回は独立してデザイナーからキャリアを始め、10年以上プロダクトマネジメントの支援をされている森 雄哉さんを迎えて、スキルの切り売りだけにならないための生存戦略など、長く続けられる秘訣について実際に森さんがフリーランスとして実践してきた事をベースに気になるトピックをインタビューしていきます。参加者の皆様からのご質問にもできる限り答えていきますので、お気軽にご質問ください。 なお、こちらのイベントは今後公開されるインタビュー記事の内容と連動して行いますので、合わせてお読みいただいた方がよりお楽しみいただけるかと思います。

会の様子

最初に簡単にプロパゲートの紹介があった後、森さんから話がありました。以下、内容をまとめていきます。

メインスピーカーの経歴

森さんは、学校卒業後すぐに独立し、自分で売り込みをしたもののなかなかうまくいかず、その後はデザインを中心としたクライアントワークをしていたということでした。

デザインはテクニカルデザイナーの領域からスタートし、その後はカメラマン*1iPad開発、ソーシャルゲームのディレクター、ECサイトのリニューアルなどといった領域にも範囲を広げていったそうです。
その後はプロダクトオーナーの育成やプロダクトマネジメントの支援などをスタートアップから大企業まで様々な規模の会社を支援しているそうです。

また、どうやって日々の事務作業をやっていくと良いのかが学校卒業後はさっぱりわからなかったそうで、事務の仕事を習う目的で学位授与機構*2に勤めていたこともあるそうです。(学位授与機構はマニュアルが充実していたということも)

最初はフリーランスとして仕事をどう取っていったのか?

初期は人脈もまったくないので仕事が取れるわけもなく、エージェントサービスも全然充実していなかったので、mixiの異業種交流会で人を介して案件獲得をするところからスタートしたということでした。

また、人を介して案件獲得をする際には、「自分が困った時にはこの人に仕事を頼みたいな」と思ってもらえるような振る舞いを心がけていたそうです。

学ぶモチベーションの維持

学ぶ際には楽しんで学ぶことができるようにするのを重要視しているということでした。

例えば学位授与機構に勤めて来たときも、事務作業の達人のような人をみて熟達度合いになぜこれだけの差があるのか?みたいな部分を楽しみながら見ていたそうです。

法人化のメリット

元々法人化はやむを得ず行ったそうですが、法人になったことで法人企業が行う一連のフローを理解する機会が得られて、結果的に非常に良かったそうです。(例えば、予算の流れや目的を理解したことで会社の予算獲得に合わせた提案ができるようになった)

フリーランスで1年ごとに案件を変えることと、SES企業に勤めて1年ごとに案件を変えることの違い

適切な答えができる気はあまりしないけれど、一年単位で案件を変えるみたいなことはSES企業ではできないのでは?という話がありました。

森さんは、PJ単位で契約をするというよりは、付き合いの中でマネージャーをはじめとした経営層に対して案件を提案していくような動きを中心にしているということです。(結果的に、長い付き合いになる企業が多い)

フリーランスで単価を上げる方法

シンプルに、顧客をどれだけ儲けさせることが重要だと思っているそうです。そのため、お金の問題にするのではなく、「なんとかこの問題を解決したい」と思った時に頼ってもらえるようにするということです。(QCDSのCは度外視みたいなプロジェクトもあるので、そういう案件も掴みにいくようにする。ただし、得てして大変な案件が多いのでバランスは見る必要がある)

キャリアの構築方法

森さんはキャリアをあまり意識したことがないそうで、どうやったら今の状況を活かしていくのか?を考えるようにしているということです。

これは、メディア発信したくなるような情報発信をするようにしたり、タッグを組みたいと思ってもらえるような取り組みをすることで、自分たちのリソースを超えるような成果を出していくようなスタートアップや新規事業と同様の話だと考えているそうです。

ブランディング

森さんは多数の登壇や膨大なスライドを作っていますが、これは営業をせずに優良案件を取ってくる目的もあるということでした。(面白いスライドはエンジニアの人が社内に紹介してくれるので、そこから仕事を取れることがある)

やりたいこととやれることの差を埋める方法

森さんが行うマネジメントレイヤーへの提案に対しては、自分が今やれることと自分がやりたいことを混ぜることを心がけているということでした。
そのため、プロジェクト貢献に加えてプロジェクトに参加することで自分のスキルが上がることも意識するようにしているそうです。

なお、書籍をはじめ世の中に公開されている情報は入門向けの情報が圧倒的に多く、入門書や入門的な講義と現場ではGapがあって当然なので、コミュニティに参加することで情報を得るようにしたそうです。

フリーランスとして今までやれてこれた秘訣

「運」といえばそれまでですが、運も正規分布になるため、美味しい仕事に出逢える確率をどうやって上げるかを考えているそうです。
事実としてアンコントローラブルな要素は多くあるものの、自分から提案をすることなどで良い案件に巡り会える確率を上げる工夫をしているそうです。(もちろんばらつきはある)

また、1回とかでは当然「運」になってしまうので、一年で50回とかそういった取り組みをすることも重要だということでした。

フリーランスとして長い間やっていく上で大切なこと

フリーランスになって5-10年やると、元々の取引先の人が偉くなっていることがあるため、悩みもテーマも変わってくるそうです。
その際に、その時のフェーズに応じた悩みに対して打ち返しができるようにしておくのが重要だというお話がありました。
そのため、色々な階層の人と話をすることが重要だということでした。

なお、現場ではどんどん自分との距離感が出てくるため*3、適切な距離感を作るための話し方やスキルが重要になってくるそうです。

会全体を通した感想

森さんからキャリアの話やフリーランスとしての振る舞いの話を聞く機会はパブリックな場だと少なめだったので、今回のタイミングで聞けてよかったです。

自分自身は、現状フリーランスに対してそんなに興味を持っていなかったのですが、非常に楽しい会でした。

*1:3Dソフトウェアを使いこなすためにはカメラの知識が不可欠だったので携わっていた

*2:大学入試にまつわる独立行政法人

*3:自分より若い人が増えてくるため