天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

ユーザベースの技術広報戦略を紐解く!非エンジニアの手掛けるエンジニアが発信したくなる組織作りとは?に参加してきた

lapras.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

競争が激化し続けている、エンジニアの採用市場。 パーソルキャリア社が発表した2023年1月度の最新職種別有効求人倍率(※)において、 エンジニア(IT・通信)の有効求人倍率は11.17倍 と、全職種の2.34倍に比べて非常に高い倍率となっております。 (※引用:https://doda.jp/guide/kyujin_bairitsu/ )

つまりエンジニアという職種においては、企業がエンジニアを「選ぶ」のではなく、企業がエンジニアから「選ばれる」 という前提で、エンジニアから「選ばれる」企業になるためにどうすれば良いか、各企業においては採用の戦略設計の腕が試されると言えるでしょう。

今回は、その1つの手段である「技術広報」というテーマにおいて、ユーザベースの西和田様にご登壇いただき、 ユーザベースが技術広報に関する戦略をどのように考えているのか?実際にこれまで取り組んできた内容をもとにお話しいただきます。 エンジニア採用を強化したい企業様は勿論のこと、技術広報をこれから取り入れたい/悩んでいるご担当者様は、ぜひお申し込みください!

会の様子

コンテキスト整理

技術広報の体制としては、エンジニアが技術広報を兼任している/明確な採用担当がいない/非エンジニアの技術広報がいる、の3パターンがあるということで、今回は非エンジニアの技術広報がいるパターンの話だというコンテキスト整理がありました。

また、技術広報には様々な仕事がありますが、プロダクトチームの発信と底上げの戦略に関してお話がありました。
具体的な仕事レベルだと、Tech blog/技術イベント/カンファレンス準備...が挙げられていました。

技術広報のポイント

技術広報を推進していく中でどのようなことを意識すると良いのか?という話を聞いていきました。

技術広報は仕事が幅広くなりがちな部分もあるので、まずは目的を整理した上で、どのようにポジショニングを取っていくのか?だったりリーチするターゲット層を定義したりするインプットとすることが重要だということです。*1

タスクレベルで細分化すると、目的定義/ターゲット定義/対象に想起させたいイメージ整理/ポジショニング整理/ジャーニーマップ作成などを実施されているということでした。

また、目的が整理できたあとは、開発者体験などをはじめとした訴求を整理し、媒体をどうするのか考えていく必要性があるということです。

技術広報のKPI設計

あくまでも一意見ではあるものの、

  • 中長期に成果を計測する
  • 定量よりも定性を重視
  • ROIを意識しすぎない
  • 指標を見る人/見ない人を整理(エンジニアのモチベーションに寄り添う)

を意識しているということでした。

具体的には、以下のような指標としているそうです。(技術広報チームだけで確認、と書いてあるのは発信するエンジニアが関与しないようにしている部分)

Tech blog...月に発信する記事数(PV数は技術広報チームだけで確認)
技術イベント...月に開催するイベント数, 集客数(ハッシュタグや拡散数は技術広報チームだけで確認)
Podcast...月に発信するPodcastの数(再生回数は技術広報チームだけで確認)
SNS...技術広報チームだけでフォロワー数を確認
メディア露出...技術広報チームだけで年間露出数を確認

Output Experience

技術広報をしていく上では、Output Experience(発信体験)が最も重要だと考えているそうで、「発信をしてみてよかった!」とメンバーが思ってくれることを意識しているということでした。

そのために、技術広報が積極的にリアクションするのはもちろん、コミットしてくれている人からモメンタムを形成していくといった取り組みをされているそうです。

発信する内容を見つけるコツ

発信する内容を見つけるために、初期には「Let's Tech blog」というスタンプをSlack上で作って、Tech blogに書く内容を集めていたということでした。

現状はそういった仕組みを使わなくても回るようになったそうですが、ネタを簡易に集めるための仕組みづくりは必要だと考えているそうです。

会全体を通した感想

扱う内容の関係上、ふわふわしたマインドセットの話が多くなってしまうかも?という懸念があったのですが、実際に社内で設定しているKPI含めかなり具体的にやっていることを公開してくれていて、非常によかったです。

また、Output Experienceは良い単語だなあと感じました。

*1:採用だけが目的になりがちなので、インナーブランディングといった面に関しても目的の議論を必要に応じてしていけるとよい