天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

1年で6倍にメンバーが急増したエンジニアリング組織の変遷と判断に参加してきた

sansan.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていきます。

会の概要

以下、connpassnのイベントページから引用です。

Sansanは「出会いからイノベーションを生み出す」をミッションとして掲げ、人と人、企業と企業のつながりに注目し、
ビジネスにおける出会いを後押ししています。

Sansanというと "名刺管理" という印象をお持ちの方も多いかもしれませんが、その進化を図るだけでなく、
培ったテクノロジーやノウハウを活かし、請求書・契約書、イベント分野といった隣接するビジネス分野でも、
新たなサービスの展開を進めています。

こうしたマルチプロダクト展開を支える要素の一つが、技術本部のエンジニアたちの取り組みです。

今回は、Webエンジニアとして成果を残し、拠点・組織・事業の立ち上げを経験、ピープルマネジメントから
チーム・組織マネジメント、プロダクトマネジメントまで、プロダクト開発に関わるあらゆる経験を積んできた大西より、
彼がこれまでSansanで経験してきたマネジメントの知見を、全3回のシリーズ形式でお届けします。

会で印象的だったこと

採用を増やすために

そもそもどうやってメンバー数を6倍*1にしたのかという話が挙がっていました。
ここは愚直な施策を取ったということで、カジュアル面談や広報活動、スカウトメールなどで転職希望者とfaceする機会を社員(チーム)全員で増やし、採用活動を進めていったということでした。

ドキュメントを書いて会話のきっかけとする

チームが増えた時、中々コードだけで意思疎通するのは難しいと判断したということで、ドキュメントを充実させることで、意思疎通の効率化を図ったということでした。

ただし、完璧に意思疎通が可能なドキュメントを書くのは難しいということで、会話のきっかけになるようなドキュメントを目指したということでした。*2

具体的には、ある程度の概要は掴めるドキュメントであるものの詳細は書かずにして、誰がドキュメントを書いたのかだけを記載しておいたということでした。(質問が出たところはドキュメントを徐々に補っていくイメージ)

組織拡大を見据えたリハーサル

組織拡大を見据えてメンバーがまだ少ない時点でリハーサルを事前に行い、どのような問題が起きそうなのか?というのをリハーサルし、ふりかえりを実施することで、元々いるメンバーが組織拡大に対して備えていた、というお話が出ていました。

OSTでお悩み解決

定期的にチームメンバー全員でOSTを実施することで、チームの悩みを吸い上げて、必要に応じて改善施策を打っていったというお話がありました。
OSTを実施することで、レトロスペククティブでは近視眼的になりがちで出ない話をすることができたということです。
なお、以下のようなテーマが出ていたということです。

  • 最高のエンジニア集団とは?
  • フロントエンドのディレクトリ構造の見直し
  • リファクタリング
  • 新しいマイクロサービスを作る上でどんな所に苦労しているのか?
  • テスト戦略の見直し
  • ドメインの効果的なキャッチアップ方法
  • 既存のルールや風習でどれくらいのエンジニアまで耐えれるか?

事業全体への所感を届け続ける

「ラブレター」という形で、開発責任者から事業全体への所感を届け続け、チームの存在価値や期待値を明確化したというお話がありました。

1on1の活用

朝会/昼会/夜会を実施するなど、普通のチームよりは頻繁にコミュニケーションをお互い取り合う仕組みを作っていたということでしたが、キャリアの話など普段開発をしていく中でできていないややセンシティブなテーマの会話をしたということでした。

組織拡大のノウハウをどのように学んだか

スクラムマスターの経験、アジャイルを組織で立ち上げる経験、拠点を立ち上げる経験...が役に立ったということでした。

会全体を通した感想

短期間(1年)で急拡大する組織の話はなかなか聴く機会がないので、どの話も貴重で面白かったです。

組織拡大の土壌として、コミュニケーションを取りやすくするための仕組み*3をとにかく考えるという姿勢に特に共感しました。

*1:5人→30人

*2:あくまでも、コミュニケーションを取りやすくする土壌を作る活動の一環としてドキュメントを充実させていたというお話でした

*3:気軽に話せるようにする、チームを超えてお互いに相談し合えるようにする...