こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
天野さん家永さん木下さんのアジャイルコーチお三方が、アジャイル実践者の視聴者からの悩みに答えていく会です。
今日のお題は「インセプションデッキの作り方は?」でした。
会の様子
インセプションデッキの説明
こちらの記事をもとにインセプションデッキの解説がありました。
天野さんはトレードオフ・スライダーが好きだそうで、これを早めに決めておくことが多いそうで、木下さんはパッケージデザインを皆で作るようなワークを早めにやることが多く、家永さんはやらないことリストを作るのが大切だと考えているというコメントがありました。
集まる時期
チームが出入りするとき/PJが立ち上がるときに集まることが多いというお話でした。
事前にリーンキャンバスなどでプロダクトの全体像がある程度決まった後にやるのが効果的だということで、ディスカバリーフェーズの収束時期に行うことが重要だということでした。
どのスライドから作るか?
何はともあれ最初はWhyの部分から作ることが多いということでした。
家永さんは出だしはなぜここからスタートすることが多いものの、アイスブレイク的な感じで気になるスライドからやったり前から順にやることが多いそうです。
天野さんも基本的には前から進めるそうですが、やらないことリストからスタートしたときは結構手応えがあったそうで、特に強い想いを持ったリーダーがいないような状態では特によいのでは?ということでした。
木下さんも天野さんの意見に共感しており、「なんでここに来たかった上司に言われたからです。。。」といったテンションの人たちが多い時期では、なぜここからスタートするのはうまくいかないことも多いということでした。*1
また、作るものが決まってない時にインセプションデッキを作ろうとするようなときは、インセプションデッキを作る過程でステークホルダーとの会話などが挟まることもあるので、そのあたりは心構えとして持っておくことが重要だということです。
難航するデッキはどのように対応する?
最初に家永さんから、実は複数人の思惑が結構あるといった場合は、時間を意図的に区切ったりちょっと置いておくことが多いというお話がありました。
木下さんは、やらないことリストを作ろうとしたときに「なんでこれから前向きなものづくりの話をしようとしているときにやらないことを作ろうとしているんですか?」と怒られたことがあるそうで、POと開発者の関係性づくりやPOの判断基準を知るワークとして捉えて対処するようにしているということでした。
作ったデックの評価基準は?
前提として作成過程のほうが作成結果より価値が大きいことは意識しておいたほうがいいということです。
評価としては、特定の一人が作っているような場合や誰かに質問する会になっているような場合は評価が低いということでした。(類似事例としてたたき台を持ってくるような状況や話が上手い人が主導するようなパターンはだめ)
そのため、個人ワークをしてから全体に向けて発表といったワークの進行をすることも多いということです。
質問〜初めてインセプションデッキをやったときのきっかけや出来事を知りたい〜
家永さんはアジャイルサムライを翻訳している最中に西村さんとインセプションデッキづくりを実施したそうですが、大変だった想い出が強いということです。
木下さんもアジャイルサムライの翻訳中に顧客と一緒にやったことがあるそうで、提案前のワークとして実施したそうです。
なお、平鍋さんは書籍のアジャイルプロジェクトマネジメントの簡易版だよ、という捉え方をして実施をしていたという裏話もありました。
会全体を通した感想
インセプションデッキは古くなってきた感覚があって最近書き直しをしようという動きがあったり、内容をアップデートしたいという話があったりしましたが、その中でかなり初期からインセプションデッキづくりに携わっている方々の意見を聞く場があって非常によかったです。
関連して、平鍋さんとインセプションデッキの話も面白かったです。
*1:7分間の奇跡の事例を紹介することもある