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こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
噛み合わない会話と対立で、不快な気持ちになったり対立が深まったといった経験は、皆さんもお持ちではないでしょうか。こうした対立は、output/outcomeを出せずチームや個人のパフォーマンスを低下させるだけではなく、チームや個人のストレスを高め、チームの分解や離職のリスクにもつながり得ます。一方でこれらの対立の裏側には、ある一定のメカニズムがあり、これを理解することで解決が可能です。加えてその方法は、学習可能なスキルです。
今回のセッションでは、「噛み合わない会話と対立」を解決するスキルを、アンガーマネジメント・NVC(Nonviolent Communication)・マインドフルネスの3つの観点から、講演者自身の実践事例を含めてお話します。「噛み合わない会話と対立」を克服し、「笑顔の合意」に至るためのスキルを、共に学習し高めていきましょう!
会の様子
噛み合わない会話と対立のメカニズム
まずは導入として、実装を依頼したらネストや変数名、カバレッジなどが依頼側からすると不十分な状態で帰ってきた話を例に、噛み合わない対話の例とメカニズムがあることやそのメカニズムを知ることで対立の解消方法が後天的に身につけられることを説明してくれました。
アンガーマネジメント:対立に気づく
「怒り」に自分を支配されないようにするアンガーマネジメントの話として、「コアビリーフ」の紹介がありました。
「コアビリーフ」は「〜べき」のような思想で、自身と同じコアビリーフを他者も持っていると思いがちなのが特徴とのことです。
この「コアビリーフ」を認識し、自分の「コアビリーフ」が何なのかコミュニケーションを取り合うことが、対立を避ける第一歩になるということでした。
NVC: 要求を明確する
続いてNVCの紹介がありました。
NVCを意識して言葉の使い方の工夫をすることで自他への思いやりを増やし、QOLを改善させることができるという話でした。
ただし、人は自分の認識を正しく認知できない上に人の認識を正しく解釈することもできないため、
- 観察する
- 自分が読み取れた感情を表現してみる
- 感情がどのようなニーズから来ているのかを考える
- これまでの話を踏まえて要求を推測する
という順でコミュニケーションを繰り返すことで、非難や批判を交えない表現・理解ができるようになるということです。
マインドフルネス: 「怒り」を他人事化する
人間は外部の刺激に反応して情動を生んでその情動を基に行動するため、人間が怒っているときは他者に怒らされているのではなく自分自身で怒っているんだという話がありました。
そこでマインドフルネス瞑想を取り入れることで、情動と行動を分離し、「怒り」という情動を体で経験する状態に持っていくことができるということです。
ここまでの話を活用した対立克服事例
これまでの話を踏まえ、アジャイルコーチとして対立を克服した事例を紹介してくれました。
伊藤さんは以下のステップを踏んで対立を解消したということです。
- 依頼主の話を聞く(Devのスキルが低いという不満を依頼主が持っていることが判明する)
- Devを観察すると、長時間残業していること、自動テストの実装、複雑な実装をしていることを見つけた
- Devからの話をコアビリーフ/感情/ニーズの観点で整理した(POの方が立場が上だというコアビリーフを持っている、PBIに不足や曖昧な点があって不安を感じているという感情、POにPBIの内容を十分かつ明確に記載してほしいというニーズを持っている)
- POとDevの対話がないことや、POから技術的に実現困難なものを要求されていたが跳ね返せなかったことが判明した
- 双方のズレを明確にし、POとDevにそれぞれずれている部分をアドバイスした
会全体を通した感想
RSGTでもお話を聞かせてもらいましたが、完成度が上がっていて素晴らしかったです。
ちょこちょこ話を補足してくれる福井さんや松本さんもすごく尊くて、話を深めてくれたり一見難度が高いと思えるような話のハードルを下げるような説明をしてくれて、非常に助かりました。