天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

0→1システム開発のPMが経験してきた"PJの進め方"を聞いてみよう【開発PM勉強会vol.17】に参加してきた

peer-quest.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページからの引用です。

学びが多い!とご好評いただいている #開発PM勉強会 の第17回目!

今回は、新規事業やイノベーション創出を支援する事業共創カンパニー 株式会社Relic様 のテーマ協賛で、ゼロイチのシステム開発PM事例を共有します。

本編では実際に新規事業のシステム開発を牽引しているPMやエンジニア経験者の方々からのLTと、 後半には皆さんからの質問に答えるパネルディスカッションも実施します。

顧客の要求をヒアリングしながら新規システム開発に奮闘する皆さんに向けて、 学びになるノウハウがたくさん聞ける会にしますので、お楽しみください♪

会の様子

レガシーSier社員がアジャイルにDX企画・実装してみた

最初にますださんから、前職でアジャイル経験がほぼ0のメンバーたちが社内のDX企画を任されて実装までE2Eで行った話を聞いていきました。

最初はフレームワークを見様見真似で活用するところからのスタートだったということですが、多様性がある人達が境界なく協力できたことでメンバー全員がDXや企画に対してモチベーション高く開発ができたということでした。

年齢差が離れていても境界なく協働できたのは、メンバーに「スキ」があったのがよかったということで、ある程度弱みが見えるからこそコミュニケーションが取りやすかったのでは?ということです。

コスプレUXで仮説立案がうまくいく

立ち上げたい新規事業の人に「コスプレ」することで、仮説数を増やし、最小コストでできるだけ開発せずに仮説を検証することができるという話でした。

具体的には、インプット(ひたすら知識を詰め込む)→アクション(実際に現場に足を運ぶことで雰囲気を感じる)→イメージ(実際に買い物をしたり「ごっこ遊び」をする)→レビュー(自身の知識を専門家にレビューしてもらう)というステップを踏むということです。

このステップを踏むことで、自分の知識が生きた知識に昇華するだけではなく、実際にニーズがあるのかや世の中に既に何かしらの解決策が存在するか?が分かるということで、失敗を高速にできるようになったということでした。

新規事業におけるプロダクト開発の難しさとRelicで実施していること

最初に、新規事業におけるプロダクト開発の難しを2つの軸で言語化してくれました。

  • 時間も予算も少ない中で、何も決まっていない中で要件定義定義をして作り切ることが難しい
  • 新規事業として市場に受け入れられない

の2点がプロダクト開発では難しいと考えられているということでした。

一点目の「時間も予算も少ない中で、何も決まっていない中で要件定義定義をして作り切ることが難しい」に関しては、事前にかなり細かいヒアリングをするということで、現在の検証フェーズ/検証ポイント, 正式にリリースするまでのマイルストーン, 外部サービス連携, 最終チェックフロー, リリースの定義, 初期リリース後どのように予算を確保するのか?...などを詳細に聞くようにしているそうです。

二点目の「新規事業として市場に受け入れられない」に関しては、価値を届けるプロジェクトと価値を探すプロジェクト*1にまず分類して、どちらのプロジェクトかどうかでアプローチを変えるということでした。
また、新規事業で特にありがちな価値を探すプロジェクトに関しては、

  • 本当に必要なもののみを開発する
  • 費用対効果を考える
  • 開発チームも事業状況を理解する

の3点を意識しているということです。*2

自社プロダクトのPMばかりをやっていた私がクライアントワークのPMをやって気がついたこと*3

クライアントワークのPMをやってみて自社プロダクトのPMと感じたGapを、

  • 工数の余裕は少ない(自社プロダクトでは一定の余裕がある)
  • 要件定義において共通言語の構築からやっていく必要がある(自社プロダクトでは隣の人に気軽に話しかけるところからスタートできる)
  • 納品よりもプロダクトの価値提供(自社プロダクトと同じでプロダクトの価値提供が重要)

の3点から説明してくれました。

まず、工数の余裕はクライアントワークをしているとどうしても少なくなるため、そういった余裕が少ない状況だからこそより精緻に適切に見積もりをして、なぜこのような工数になっているのかを説明することが重要だというお話でした。

次に、要件定義における共通言語の構築ですが、ここでは要件定義三種の神器(画面一覧、ワイヤーフレーム、業務フロー)を活用しているということです。

最後に、プロダクトの価値提供に関しては、「新規事業におけるプロダクト開発の難しさとRelicで実施していること」の発表であったように、詳細なヒアリングシートを活用しているということでした。

パネルディスカッション

発表のあとはパネルディスカッションがありました。以下、質問と回答を一問一答で書いていきます。

休みは取れているのか?
  • 休みは結構取れている(全員)
価値を届ける/価値を探すプロジェクトはリリースまでどれくらいかかるのか?
  • 価値を届けるプロジェクトは3〜6ヶ月が多い。価値を探すプロジェクトは、長くても1〜2ヶ月以内に終わる。
突発的な割り込みによってスケジュールが圧迫する場合どうするのか?
  • 基本的にはスコープを削る
顧客の課題が痛みであると言えるようなポイントは?
  • お金を払いたいかどうか、あるいはお金をどれくらい積んでもいいから解決したいと思っているか?
アンケートで課金したいと答えても実際には答えてくれない場合が多いのだがどのような聞き方をするとよいのか?
  • 今お金を出していることと比較してもらって、どれくらいお金を払えるかを聞いてみる
PMとPLを分業するためのコツは?
  • そもそも分業しないようにすることも多い
  • 業務に関連するシステム群を束ねて統括を置いて、その下にPMを置くみたいなのはやる
仕様確定をどうユーザーに意識させるか?
  • 時期は必ず言う
  • 仕様確定の後に仕様変更が来たときに無理に突っぱねることはしない。これは断るなあというものでも、一度は受け止めて検討する。
POとして成長するためのキャリアパスや勉強するためのコツは?
  • まずはディレクターをやる。ただ、出身によって変えるようにしている(エンジニア出身なら開発系など)
  • エンジニア出身のPOだと縮こまっちゃう感覚はある。(あらかじめ決まっている価値を届けるなら別)
  • 色々な観点があるので難しい。色々なドメイン、色々な本を読んでみるのが重要だと思っている。

会全体を通した感想

色々な業種のPOやPMの方がどのような考え方をしているのか?というのが分かって面白かったです。

特に皆さんがどういう現場を多く経験してきたのか?という部分に関しては、学びになる点が多く参考になりました。

*1:アンケートや仮説によって価値が定義されているものはこちらに含まれる

*2:価値を届けるプロジェクトに関しては今回の発表では時間の都合上説明が割愛されました

*3:当初の予定からタイトル変更があった関係もあって正確なタイトルをメモできませんでした