天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

プロダクトマネジメント 先達に倣う実践事例 Lunch LTに参加してきた

findy.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

SaaSサービスをはじめとしたITプロダクトの増加から、より利用者に親しまれ長く使ってもらえるように開発からマーケティング、改善等とプロダクトを育て、顧客満足度を向上させていく必要性が高まっています。

今回はこれまでPdMをはじめとして製品開発をリードされてこられた方々にお話を伺い、プロダクト管理における工夫点や注意点、テクニック等を広く共有していただくことで、明日から使える技術やノウハウの参考になる場を目指します。

会の様子

捨てて加速するプロダクト開発

最初にころちゃんさんから発表がありました。

エンジニア視点だと、技術的負債の問題などに対する実感を深く持っているため、機能を捨てることに対して感度を高く持ちやすいという話がありました。

機能を捨てる際には、

  • 職能間で気軽に話せる状態にする
  • 顧客に聞く
  • しれっと消してみる
  • 仕様変更の選択肢に機能削除を入れる
  • 機能フラグで段階的に消す
  • ベータ版として提供する
  • アクセスログから計測
  • ヒートマップを導入して計測する

といった取り組みを具体的にやってみるとよいということでした。

イデアを形にするまでのプロダクトマネジメント

続いて浪花さんから、直近1年間のプロダクト開発をする際に気をつけた内容に関して発表がありました。(プロダクトはメンタルケアにまつわるということもあり非公開)

まず、プロダクト開発時は、アイデア検証→UXUI検証→MVP開発→事業化検証という流れで進んだそうですが、前半は着地させない議論と着地させる議論を使い分け、後半は着地させる議論になるようにファシリテートすることを心がけたということでした。

次に、UXを作り込む際には、PdMが主体的に動くように心がけたそうで、そのお陰でビジョン/ユーザー/ビジネス/テクノロジーの4観点でバランスよく判断できたということです。

最後に、プロジェクトマネジメントの際に、PdM単体で完結できることと完結できないことを最初に洗い出したことで、リスク管理やリソース管理の観点でマネジメントが成功したという話が出ていました。

プロダクトマネジメントしやすい状況をつくる

続いて菊池さんから、チームで補完しあいながらプロダクトマネジメントをしていく方法に関して話がありました。

菊池さんは、プロダクトマネジメントを「プロダクトの価値やROIを最大化すること」だと考えていると同時に、この責務をPdMの力だけで果たすのは難しいと考えているそうです。

このようにPdM以外の力を借りるためには、共通言語の形成が重要だということで、例えば

  • 要求定義/要件定義でプロダクト価値を可視化
  • ドメインモデルの獲得
  • ドメイン知識として過去の失敗の共有
  • ドメイン知識として最近の取り組みを共有

などが具体的な取り組みとして考えられるということです。

アンラーニングし続けるプロダクトマネジメント

最後に久津さんから、プロダクトマネジメントでその時々の正解を見つけるためのヒントになる話が久津さんのキャリアをふりかえる形でありました。

以下、久津さんからあった話をキャリアごとに記載していきます。

  • リクルート...高い技術リテラシーを持っている人たちのもとで、意思決定プロセスを時にはハックしながら各種KPIを達成していく
  • CAMPFIRE...リクルート時代の進め方ではうまくいかないため、プロセスは何も気にせず、カオスな中で不確実性を許容した進め方をする
  • GLOBIS(Phase1)...これまでのやり方ではやはりうまくいかず、意思決定プロセスよりも価値観を揃えながらとにかく前に進み、信頼貯金を貯める
  • GLOBIS(Phase2)...ビジョナリーな動き方にシフトし、色々な人に仕事を任せるようにした(目標の抽象度が高すぎてしまった)
  • GLOBIS(Phase3)...基準を作り、優先順位付けの壁を突破する

こうした風にやり方を変える際には、システム思考、常識を疑うこと、他者評価をもらうこと、を活用していたそうで、最後は自分自身の中で意思決定していくことが重要だと考えているということでした。

会全体を通した感想

若干ふわふわした内容が多かった印象もありますが、みなさんが長い期間で養ってきた力や経験をぎゅっと濃縮した発表が多くて面白かったです。

他のPdM系のイベントと比較して、エンジニアのバックグラウンドがある方が多かったので、個人的に共感できる話も多かったです。