天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

なぜプロダクト開発はアジャイルでないといけないか ?に参加してきた

aws-dev-live-show.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

私達が手掛ける開発は「ソフトウェアづくり」なのか、「プロダクトづくり」なのかで、大きな違いがあります。一見同じことのように思えて、ソフトウェアとみるか、プロダクトとみるかで、開発の狙いも制約も変わります。プロダクトづくりを行うならば、私達はより「価値とはなにか」、また生み出すことは「誰にとってのどんな嬉しさなのか」を問う必要があります。こうした価値づくりに向き合っていくために期待される開発のあり方とはどのようなものなのでしょうか。

そこで今回の AWS Developer Live Show では、より適した開発にシフトする際に直面する課題とはなにか。どう乗り越えていくのか。みなさんと対話したいと思います。

会の様子

市谷さんの講演

ソフトウェアとプロダクト

「仕様がないといけない」「要件定義をまずはしないと」と言った意見はある意味正しく、これはソフトウェアとプロダクトが同じものであることが多いからこそ起きることだという話がありました。

例えば要件定義であれば、ソフトウェアを開発するという意味では重要なアプローチであるものの、価値とはなにか?が分からないような状態で行う要件定義は無意味になるということです。(間違ったものを正しく作るスクラムになってしまう)

アウトカムという言葉に込められたもの

プロダクトを作るるというのは単なるアウトプットですし、プロダクトを届けることもユーザーが使えていなければゴミを届けることになってしまうので、ユーザーが使えるものを届けるアウトカムが重要だという話がありました。

また、こう言う話をすると、「収益」がまっすぐに浮かびますが、収益はあくまでも動力源であるためそれが目的になることは企業活動ではあまりなく、価値を届けられるかどうかではなくあくまでも儲かるかしか見られない可能性があるということでした。

プロダクトにおける成果
  • ユーザーに届いているか?
  • チームが健全であるか?
  • プロダクトをすぐに反映できる状況なのか?

という3点が重要だという話がありました。

たまに、チームやユーザーはプロダクトを届けるための手段の一つと捉えている方もいるそうですが、それは典型的な非プロダクト思考だと考えているそうで、上記3つのトライアングルのバランスを常に見るために、探索が重要だと思っているそうです。

探索

ウォーターフォールでは、問題は分かっているし解決策は決められる前提で動いていルノに対して、アジャイルは問題は分かっているけれど解決手段は決められないという前提で考えているという話がありました。

これに対し、問題が分からない場合(解決策も当然わからない)というのも当然あるよねということで、このときに取るのが探索アプローチだということです。

探索をする際には、できるかぎり多くの選択肢を取ることと、探索とフォーカスのフェーズを分けることが重要だということでした。

Q&A

市谷さんの講演の後はQ&Aがありました。以下、質問と回答を一問一答形式かつ常体で記載していきます。

早く失敗できるようにお客さんに言う事は?

確かに、失敗をしてはいけないという組織は多くある。いろいろな伝え方をしないといけないのだが、今届けている価値を誰に届けられているのか?というのは考えないといけない。

価値を見出すためにやることは?

やっている仕事や事業によって違うし、毎回使えるこれが価値だという話はないが、価値とはなにかを確かめ続けるために動くことが多い。

受託開発をしている人に対してなにを伝えるか?

ソフトウェアを通じて他の人ができなかったことをできるようにする、というのが重要なので、ただ言われていることをそのままソフトウェアに落とすことはしないでほしい。皆で何が価値かを考えるようにしてほしい。

組織の改善のきっかけはどういうものが多いか?

プロダクトづくりが組織変革に繋がると思っている。
プロダクトづくりのためには探索が必要であり、探索を行うことでユーザーの価値に向き合う文化ができる。

予算が行動変容のボトルネックになっている場合何をするのか?

細かいハックをすることも多い。要件定義をするといいながら仮説検証をするなど。

大企業や政府などに市谷さんは多く関わっている印象があるが、これはどういうモチベーションなのか?

探索やアジャイルが遠いと考えている組織があると思っていた。
42歳になるまでは、そういった組織は大変だということでどちらかというと避けていたが、若い組織には若い人の方が力を発揮できると思うようになって、自分のミッションはそういった組織での変革なのかな?ということで関わりだした。

ただ、あと4年で引退しようとは思っている。

会全体を通した感想

角さんの話などを思い出しながら、重なるところも多くあるなあと思って聴いていました。

プロダクトづくりが先なのか?組織変革が先なのか?という話は、あんまりこれまで考えたことがなかったのですが、面白そうなテーマだなあと思って聴いていました。