こちらのイベントに参加してきたので会の様子と感想を書いていきます。(英語での市長だったので、間違って理解している可能性がいつもより高めです)
会の概要
「エンジニアのためのマネジメントキャリアパス」の著者であるCamilleさんから、EMに必要なスキル、どのように自己研鑽していくのか、といった話を聴いていく会です。
会で印象的だったこと
EMに必要なスキル1~debugging~
チームは非常に複雑な構造をしている生き物のようなものであるため、何か思う通りにいっていない時には何が悪いかをdebuggingしていくスキルが必要だということでした。
複雑なコンテキストが入り混じっている状況では、上手くいっていないと思われるような事象にWhyを連発するのは悪手であることが多いということです。
そのため、チームの声やプロセスといった事実を集め、それらを基にソースコードをデバッグするように、一つ一つがどうチームのふるまいに関わっているのかをしていくことが重要だということです。
debuggingスキルは日々問題解決を行っているエンジニアが磨かれやすいスキルであるため、エンジニアを経験せずにマネージャーになることは勧めないという話でした。
EMに必要なスキル2~Empathy~
人の働き甲斐は給料や仕事よりも上司に大きく左右されるということで、上司が自分自身の仕事について理解をしているか、というのはチームメンバーにとって非常に大事なことです。
事実として、「あなたの仕事や出した成果物を7日以内に上司に褒められたことがありますか?」という質問に対してYesと回答したチームメンバーはエンゲージメントが極めて高い傾向にあり、メンバーが仕事のモチベーションを保てている可能性が高いということでした。
そのため、EMはメンバーの痛みに共感し、メンバーの仕事をより理解するスキルが重要だということです。
EMに必要なスキル3~judgement~
エンジニアはソースコードを書いたりと開発をしながら日々様々な判断をしていますが、EMは開発をしないで(開発を通して日々判断力を磨いていない状態かつ情報が少ない中で)判断する必要があり、エンジニア以上に難しい判断をする機会が多くなるということでした。
このような状況で正しい判断をするために、謙虚さを持ち人に質問することや、日々判断力を磨くために(衰えないようにするために)学習を積み重ねることが重要だというお話がされていました。
エンジニアとしての経験の重要性
EMになるためには、まずエンジニアとしての能力・経験が重要だという話を会の中で何度かされていました。
エンジニアでなければ、物事をdebugする勘所が掴めないだろうし、エンジニアが集中して作業している中で話しかけられることがどれ位深いかということを知らなかったり、スペックが低いPCや時代遅れなツールで開発をする辛さに共感できなかったりと、厳しい事態に陥ることになるという話をされていました。
EMは偉くない
EMが偉い、EMが主要な判断をしないといけない、といった思い込みがチームの自己効力感を奪い、チームのエンゲージメントを低下させるという話が出ていました。
全体を通した感想
当初の予告通りマネージャー向けの話をしていたのですが、主語は殆どの場面で「チームメンバー」「エンジニア」が使われており、マネージャー視点ではなくマネージャーが統率するチームメンバーを中心にスキルについて言及していた点が非常に印象的でした。
プレゼンの終盤にあった、「とにかく本を読みましょう」「とにかく学び続けましょう」という力強いメッセージからはぐっと元気をもらいました。