天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます

「(オンライン読書会) 誘惑される意志 人はなぜ自滅的行動をするのか」の読書会(第三回)に参加してきた

educational-psychology.connpass.com

の3回目(最終回)に参加してきたので、会で出た印象的な話と感想を書いていこうと思います。

意志ってどんなもの?

意志について、それぞれ立場が違う考え方をしている4つの理論「帰無理論」「器官理論」「明確な選択理論」「パターン探求理論」について、参加者の皆さんはどの理論が一番しっくりときますか?という、非常に面白い問いかけが山田さんからありました。
自分は、「器官理論」*1が一番しっくりきていたのですが、「帰無理論」*2や「明確な選択理論」*3を推す意見もあって、楽しかったです。

ユニークさやレアリティは双曲割引線にどう影響するのだろう?

本が終盤に差し掛かるにあたって、急にレアリティやユニークさみたいな話が出てきて、これって双曲割引線とどう関わってきているのだろうという話題がありました。
この本は全体を通して、モデルが駆使されて経済理論として語られている部分と、素朴理論として語られている部分があるので、こじつけ感がどうしても強く感じられてしまい、もやもやした状態に参加者一同でなっていました。

意志は決して完全なものではなく、欲望や感情も大切

この本の前半部分では、意志が欲望に負ける例が多数紹介されていた上に、意志が欲望に負けないようにするためにはどうしたらいいのか?という具体的な方策も書かれていたので、意志を如何に突き通すか(如何に欲望に負けたり感情に動かされないようにすればいいのか)を主張したいのだと途中からは思っていました。
そのため、最後まで読み終えても前半部分の主張が印象に残りすぎて、やはり意志を尊重する思考に傾いていたのですが、エキスパート活動で、あれこれと章に対する解釈を小笠原さんと意見交換している中で、欲望や感情が必要である場面の例が幾つか出てきて、筆者は実は、意志に傾倒しすぎることに警鐘を鳴らしたかったのではないかという考えに辿りつくことができました。
その後のジグソー活動や全体トークでも、山田さんを中心とした皆さんから、仕事で判断をしたり仕組みを作る時にはどうしても感情やバイアスのようなものを排除して、できる限り合理的に(意志にしたがって)物事を決めてしまうけど、それって本当に自分たちが求めている姿なんだっけ?という話をして、意志と欲望のバランスを取った仕組みづくりや考え方をしていく*4重要性を実感することができました。

全体を通した感想

章の後半から、いきなり筆者の主張が転換したような印象を受ける、不思議な本でした。読みにくかったり理解が良くできない部分も多かったですが、読書会駆動で参加者の皆さんに助けてもらいながら何とか読み切ることができました。
知識構成ジグソー法を用いた読書会は今回初めてでしたが、皆さんとああだこうだ議論する中で、一人で読んだときは理解できていなかった点が明らかになったり、自分の考えが一段階深まるような意見をもらえたり、現場で役立てるなら...という視点で考えられたりして、学びが多くて参加していて楽しかったです。

コミュニティでは次の読書会も企画しているということで、次回の読書会も都合が合えば是非参加したいと思いました!
また、次回は次の読書会を企画するイベントをやるということで、これも楽しみにしたいと思います!

*1:意志には強い・弱いの概念があって、筋肉と同じように動かせるものであるという考え方

*2:意志という概念は実は作り物の概念であるという考え

*3:意志は計画の変更を合理的に避けることで、伝統的な効用を最大化するものだという考え

*4:本書では間接性と表現されていました