こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
- 会の概要
- 会の様子
- 基調講演〜「アジャイルチームをコーチングするってどういうこと? - 始まりはあなたから」〜
- Q&A
- 当事者としての視点とコーチとしての視点を切り替える時どんな心がけをしているのか?当事者視点になっている場合どんなことがきっかけで気づくことが多いのか?
- 企業に所属するコーチというイメージがわかないのだが、どういう立場の人がコーチになるといいのか?全く別なのか?
- アジャイルコーチとして大変なことやもっとこうすればよかったとかあるか?
- 問題解決を優先するときに、Problemとして見ずにPeopleとして見るためにできることは?
- 人間関係よりも業務を優先してオリエンテーションという部分は直感と反していたのが、どう考えるか?
- 「価値」よりも"生産性"のような言葉が横行している現場でどうふるまうか?
- ジュニアメンバーが多いチームで、スクラムマスターの素養がある人を見つけるときに考えることは?
- 会全体を通した感想
会の概要
以下、イベントページから引用です。
第46回目では『コーチングアジャイルチームス』を取り上げます。 世界中で好評を得ている原書の翻訳が今年1月に発売されました。
本書は、アジャイルチームの力を最大限に引き出せるコーチになるためのアイデアに満ちた、アジャイルなチームに関わるすべての人にとって必読の1冊です。
今回は訳者陣の中から、田中 亮 氏、知花 里香 氏のお二人をお招きし、チームのパフォーマンスを最大化させるためには、どのように始め、どのように発展させていけばよいのか、お話しいただきます。
会の様子
基調講演〜「アジャイルチームをコーチングするってどういうこと? - 始まりはあなたから」〜
アジャイル開発のスタート
どこかムーブメントの起源なのかというと諸説ありますが、OS/360で繰り返しシステムを作るプロジェクトからアジャイルの元祖となるムーブメントがスタートし、それがThe New New Product Development Gameやアジャイルソフトウェア開発宣言に繋がっていったという話がありました。
コーチングアジャイルチームスとは
PMOだったLyssaがアジャイルコーチになるまでの道のりを示した本で、Lyssaのブログ記事をもとにして作られたという話がありました。
そのため、本の中に書かれている出来事はどれも非常にリアルで、どんな体験をしたのか?というのが追体験できるということです。
また、本書は3部構成になっており、どのように読むのかはまずは本書にある本の読み方を見てほしいということでした。
どんな人におすすめか?
メインターゲットはアジャイルコーチやスクラムマスターになりますが、プロジェクトマネージャーや開発者などが読んでも学びがある内容だということでした。
この本を読むとできるようになること
本を読むと、
- アジャイルプロセスや原則を用いてチームを立ち上げ、うまくいけば浸透させられる
- どのようにチームや組織を観察するかがわかる
- 個人的な感情や偏見、価値観に気がつくことができる
- ハイパフォーマンスなチーム・組織の構成要素や探求方法を知ってコーチの立場でなすべきことがわかる
章の紹介
章の簡単な紹介がありました。以下、常体で内容を記載していきます。
1章...アジャイルコーチとは何であるのか?ということが書かれている
2章...パフォーマンスが高いチームとはどんな特徴があるのか?ということが書かれている
3章/4章...コーチングの前にまずは自分自身が変わる必要があるという話が書かれている
5章...コーチ自身のメンターになることもあるし、コーチがコーチを育てることも多くなっているので、その育て方に関する話がある
6章/7章...紹介が飛ばされていました笑
8章...システムコーチングの文脈で、「問題」に関して丁寧に話が書かれている
9章...Ryoさんが好きな章で、チームに問題があってもいいという話が書かれている。コンフリクトをレベル分けし、それぞれのコンフリクトをどのようにナビゲートするのかが書かれている
10章...ハイレベルのチームが成功例として出されることが多いが、いきなりそういうところに行くのは難しいよね?という話が書かれている
11章...困ったときに開くような部分。うっとくることが多い
12章...アジャイルコーチのロードマップやキャリア形成に関して書かれている
13章...実際にアジャイルコーチになった人の体験談が淡々と書かれている
知花さんの旅
知花さんのアジャイルコーチとしての旅の話がありました。
知花さんはエンジニアとしてのバックグラウンドがあるわけではなく、たまたまスクラムに出逢ってそこで覚えた感動が旅の始まりだったということでした。
ただ、旅を始めて最初の方は「スクラムの奴隷」として振る舞っていて、「それはスクラムでありません」という話をチームにしてしまってスクラムを辞めることになったりした経験もあるそうです。
その後は部門全体をリードする立場になり、そこで外部から支援するという文脈でアジャイルコーチを名乗れるようになったそうですが、その後にいろいろな人と会うたびに自分って何者で何が持ち味なんだろう?と悩みだしたということでした。
その後パーソナルコーチングを受けている中で、「あなたは価値ある人間なんだから価値を探そうとしなくてもいい」と言われ、そこからアジャイルコーチとしての旅が楽しくなったということでした。
Ryoさんの旅
仕事をしている中でアジャイルに出逢ったRyoさんですが、会社で広めようとしても広まらない現実が辛く、スクラムができる会社に転職したそうです。
その後は一定の成功はしたものの、チーム内部でもめ、スクラムを更に広めようと外資系企業に転職したそうですが、英語ができないことに苦しむ日々が続いたということでした。
ようやく英語ができるようになったタイミングで、会社から追い出され、そこからyamanecoに転職してからは乱高下がありながらも楽しく仕事をしたということでした。
Q&A
講演の後はQ&Aがありました。以下、一問一答形式かつ常体で記載していきます。
当事者としての視点とコーチとしての視点を切り替える時どんな心がけをしているのか?当事者視点になっている場合どんなことがきっかけで気づくことが多いのか?
- コーチのポジションをとっていく
- 五感をすごく使う
- 当事者であるときはコーチの視点はあまり使わないようにしている
- 「コーチの視点で発言して良い?」という話をする
企業に所属するコーチというイメージがわかないのだが、どういう立場の人がコーチになるといいのか?全く別なのか?
アジャイル推進室の人たちがやるみたいな例は多い
アジャイルコーチとして大変なことやもっとこうすればよかったとかあるか?
- チームがネットワークセキュリティの問題に立ち会った時、ついコーチとしての立場ではなく問題解決を自分でやってしまった
- 改善をリードする立場になったとき、自分 VS 他の人という構図になって動けなくなってしまった
問題解決を優先するときに、Problemとして見ずにPeopleとして見るためにできることは?
EQを勉強して感情を学び、自分が何でそんな感情になっているのかを深呼吸して考えてみてる
人間関係よりも業務を優先してオリエンテーションという部分は直感と反していたのが、どう考えるか?
- 人間関係も大切だけれど、生産性が上がらないとどうしようもないので直感から外れてはいない
- 業務を共通項にして話せるようになることが大事なのでまずはプロジェクトからというのもある
- ここにかかわらず、日本の文化と違う部分もあるので、直感と違うというのはあると思う
- 0/100ではないので、人間関係を無視するわけではない点に注意
「価値」よりも"生産性"のような言葉が横行している現場でどうふるまうか?
まずは言葉を合わせるところからやる
ジュニアメンバーが多いチームで、スクラムマスターの素養がある人を見つけるときに考えることは?
- プロセス面など現状に課題感を抱えているか?を見る
- 周りの声を拾うのが上手な人を探す
- コミュニケーションスタイルとして押し付けが強い人は向いていないと思う。ただし、そういった人でも淡々と「そのやり方は間違っているよ」という話を続けることで変わった事例はある
会全体を通した感想
Ryoさんと知花さんのテンポ良い会話を聞いている感じで、すごくリラックスして話を聞くことができました。
自分も翻訳レビューに参加した思い入れある書籍なので、書籍の内容が気になった方がいればぜひお手にとってもらえればと思います!*1
*1:自分には一円も入りませんが笑