天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

「はじめての人類学」読書会 第2回(全3回)に参加してきた

anthropology-starting-with-everyone.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。(最後5分くらい?続いたであろうフリーディスカッションは聞けませんでした)

会の概要

はじめての人類学」の読書会です。3回に分けて、書籍を読み進めていく予定になっています。(今日は2回目)

会の様子

前回と異なり、フリーディスカッションで話があったトピックごとにテーマを切っていきます。

親族研究

ヨーロッパ系の人類学のほうががっつりと親族研究をしている印象があり、アメリカの人類学だと現象的な記述が多いという話がありました。(欧米社会はガッツリ伝統に乗っかっているため、そっちに目がいったのではないか?ということです)

また、レヴィ=ストロースが研究する前はそもそもインセントタブーがなぜあるのかが明らかになっていなかったそうで、クラインの壺とある島の婚姻形態が相似している点から話が出てきたということです。

構造主義とシステム思考

構造機能主義だったり、ジュリアンスチュワードの影響でシステム思考が出てきたのではないか?という考え方はありつつも、システム思考が出たのはMITなど工学的な話がベースなので、ルーツと言い切ることは難しいのではないか?ということでした。

また、解剖生理学を勉強されていた方からは、構造があるからこそ機能するものだという考え方の紹介があり、一から構造をつくるというよりは認知していないにせよ何かしらの構造は存在するのではないか?という捉え方の紹介がありました。(心理学のアイスバーグ理論にも似たところはある)

bluelogic.jp

エントロピーと社会

エントロピーが増大しない社会は冷たい社会と一緒に感じるという話がありました。

ただし、構造主義を冷たい社会とそのまま当てはめてしまうと、実際変化が何かしら訪れていることは説明できなくなってしまうという問題はあるということでした。

冷たい社会と組織運営

冷たい社会の話から、人間の営みは変化し続けることこそがよいという思い込みがあったという話が出ていました。(エンジニアだと、新しい技術覚えて成長がんがんしていこうが良いことだというのが当然として扱われている)

とはいえ冷たい社会は、外から見ていると変わっていないけれど中身はめちゃくちゃ流動的になっているので、変化していない訳ではなく、なにか持続的な組織運営をするヒントがある気がするというお話がありました。
チームビルディングして、元々のチームと違う人達が入っても同じようにチームが振る舞うというのはまさに冷たい社会?という話もありましたが、動的平衡をはじめテセウスの船的な事象は自然界ではたくさん起きていることを踏まえると「元々」が何なのかが難しいよね、という議論もあり、まさに自己同一性で面白いという感想も出ていました。

また、線形的な運動に対して制御の話が出てくることを踏まえると、冷たい/熱いとは違う新しい現代的メタファーが存在しても良いのでは?という意見もありました。(ぬるい社会など)

人類学と相対主義

ネオナチも相対主義になるため、現代の人類学は相対主義を手放しで良いという考え方はあまりないという話がありました。

現代の人類学は、多様な価値観を認めながら模索をしていくようなことを重要視しているため、インタビューでも違いを認めつつも共通点を見つけることが大切にしているということです。(アフリカでは前借りを意図的にして借金があるように見せることで、むしり取られるのを避ける文脈があるが、こういうのは違いと共通点それぞれに注目しないと出てこない)

イデオロギー

イデオロギーに関しては、冷戦の文脈でイデオロギーに引っ張られる時代が出てきて、そこでこれは間違っているよね、と揺り戻しが出てくるということでした。

ミードの悪ふざけ

あのとき嘘を言ったという嘘をついた可能性もあるため、ここは話をそのまま信じずに根本的な検証が必要だということでした。

異文化交流

植民地ができたからこそ人類学の研究が進んだという話から、異文化と接触すると、何かしらの影響を受けて人類学的要素が生まれるのは当たり前だという話や、一口に異文化交流と言っても島国の交流か地続きの交流かで話は変わってきそうだという話がありました。

全体を通した感想

本自体は丁寧にやさしく説明をしてくれているのですが、参加メンバーの知識量や洞察力がすごく、なかなか他のコミュニティで聞けない話が聞けて楽しかったです。

今日聴いた単語をきっかけにしながら、色々と学ぶ領域を広げていきたいな、というのを強く思う会でした。