天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

QA Career Talk vol.4 〜品質改善の取り組み アフタートーク〜に参加してきた

reiwatravel.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

QAエンジニアのキャリアをテーマに語り合うQA Career talk

第4弾は、・・・。 先日5/30に開催されたファインディ/Findy様 主催のイベント『みんなで学ぶ、QAエンジニアによる品質改善の取り組み LT大会』にてLT登壇した登壇者が大集合!当日収まり切らなかった話や登壇者同士で気になっていたポイントを、"アフタートーク"という形でパネルディスカッションします!

当日のLTの内容の深堀りから、視聴者の方からいただいたアンケートへのアンサーに応えていきながら、さらに品質改善の取り組みへのヒントをみんなで議論します。 当日は参加者みなさまからのご質問にもお答えしますので、事前アンケートで率直な疑問や気になることなどお聞かせください!!

会の様子

どういう風に考えて1からQA組織を作ったのか?

まずは10Xのtarappoさんから、どのようにしてQA組織を1から立ち上げたのか?という話を聞いていきました。
tarappoさんは、まず「どういうQAを目指したいのか?」という話を明確にした上で、カジュアル面談を重ねたそうです。

最初は応募が0という状況が続いたので非常に苦しかったという話がありましたが、採用を前提としたカジュアル面談にこだわらず、10Xっていい会社だったな、と思ってもらえるようなカジュアル面談を心がけたということでした

QA組織を立ち上げる楽しさ

続いて伊藤さんから、QA組織を0->1で立ち上げる楽しさに関する話がありました。

QA組織を一から立ち上げるのに携われるということは、自身が思い描く理想に向かって舵取りできることであるとも言えるので、非常にやりがいがあるそいうです。

一方で、自身が思う最高の組織が既存の組織カルチャーを壊してしまうのではないか?というのは日々考えるようにしているということでした。

QAチームづくり

QAチームを作るための具体的な取り組みを聞いていきました。以下のような取り組みが紹介されていました。

  • こういうQAになりたい、というのを明確に言語化していく
  • 話が合わないことを共通化するしかけを考える。例えば標準化など
  • どんなに優秀でもカルチャー違うとフィットしないので、採用段階でカルチャーフィットできるか?というのをめちゃくちゃ気にしている
  • お試し入社をしてもらう

QAの育成

基本的に、現在のフェーズがQAという観点だと0->1に近いような会社では育成のコストはあんまりかけられないのでスキルフルな人たちに来てもらうように考えているという話がありました。

また、一定QA組織の構築ができているfreeeのような場合は、レベル感に合わせた採用計画を立てているということで、採用時にはカルチャーフィットに加えて柔軟性*1をよく見るようにしているということでした。
freeeのゆもつよさんからは、スタートアップのような育成に対するコストがあまり活用できない会社は、自分たちで考えてアップデートするのはもちろん必要だけど、ベースをうまく活用するとよいという話も出ていました。

品質文化の醸成

続いて、品質文化をどのように醸成していくのか?という話を聞いていきました。以下のようなアイデアが挙がっていました。

  • テストが話題として飛び交うようにしている。今日のイベントとかもそうだし、品質を可視化したものがSlackに投稿されるようにしている。この結果、障害対策をするときにテスト技法をもとに話をするなど、徐々に品質に対する議論の解像度が上がっている印象がある
  • 週報*2を書くようにしている
  • こういうのをやっていくんですよ、みたいなのを言語化していった上でそれを全部伝える
  • 会社のメンバー全員と1on1をする
  • QAだけではなく、エンジニアも増えているのでそこにもアプローチする。例えばQAに質とスピードのような話を刷り込んでみる

品質文化を醸成していく上での苦労

上記で品質文化を醸成する方法は話しましたが、実際うまくいかないことばかりだということで、登壇者の皆さんから具体的に苦労したポイントの話を聞いていきました。以下のような話が挙がっていました。

  • もしかしたらおこがましい考え方かもしれないけれど、「自分の思い通りに行かない」というのが苦労する点。自分ならこうするなーと思っているものとぜんぜん違うものが挙がってきたりする
  • 開発炎上しているわけではないし品質も特段悪いわけではないため、品質に対する緊急度が上がってこない。そこでどうやって開発者の人がアクションをするのか?というのを試行錯誤している
  • 優先順位づけが難しい。ここは諦めないといけないんだよね、やりたいけどやれないんだよねを常に考えている

今後の挑戦

最後に、登壇者の方々が今後挑戦したいことの話がありました。

伊藤さん...QA組織のあり方も理想を模索しているところで、理想に近づけられるようなQAチームを作っていくのが今後の挑戦になっていくということでした。

tarappoさん...10XのQA像を掲げているがそこになるべく早く到達したいし、今やっていることが早く辞められるようになりたいということでした。

ゆもつよさん...QAエンジニア以外にもQAの文化を浸透させていけると嬉しいということでした。

会全体を通した感想

かなり泥臭い部分の話が聞けたのが良かったです。

特に、週報を書き続けるという話や全メンバーと1on1する話などtarappoさんの話は、非常に面白かったです。

*1:バックグラウンドが違う人を採用する場合は特に

*2:組織の規模によって書くことは変わる。初期は、具体的な案件の記述や今週こんなことをやったよ、というのを書く。現在は、組織やチームレベルで取り組んでいく