天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

Autify community meetup テスト自動化を軌道に乗せるまでの道のりに参加してきた

autifyjapan.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会で印象的だったことと感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

第8回のAutify Community Meetupのテーマは「Autifyでテスト自動化を軌道に乗せるまでの道のり」です。

Autifyをご活用いただき効率的で効果的なテスト自動化に成功されているユーザー様である、サイオステクノロジー株式会社から山根様、株式会社リンクアンドモチベーションから小島様をお招きし、特にAutifyの導入部分にフォーカスし、運用が軌道に乗るまでの課題やそれを乗り越えた工夫をご共有いただきます。

特に他のAutifyユーザーの方がどのようにAutifyの導入を進めているのか知りたい方にとって、他のユーザー様からのお話が直接聞けるおすすめの内容となっておりますので、お見逃しなく!

会で印象的だったこと

サイオステクノロジーでのAutify導入の軌跡と現状

まずは山根さんから、QA経験が薄い&権限的にトップダウンでツールの導入を決められないような状態から、どのようにAutifyを導入していったのか?というお話を聞いていきました。

タイトルの通り、Autifyの導入をするまでにやったことの話が中心だったのですが、現場で何かしら新しいツールを導入する際に役立つ話*1が多数聞けてよかったです。

Autify運用自走化の3steps, unfreeze-change-refreeze!

続いて小島さんから、自身(QAチームに所属していてAutifyについても一定の知識がある人)が極力手を動かさないようにせず、開発チーム内で自走してAutifyを運用する状態にまでどのように持っていったのか?というお話を聞いていきました。

導入前の段階で準備*2を丁寧に行った後、導入後は自動テストの意義が感じられるように&開発チームで自走できるように朝会で毎回自動テストの結果をチーム全員で見直したということで、自身は手を動かさないながらも継続的に開発チームの様子を見守っていたという話が特に印象的でした。

パネルディスカッション(Q&A)

トークセッションの後はパネルディスカッション(Q&A)がありました。

以下、トピックごとに内容をまとめていきます。

テスト仕様書の粒度

細かい部分はわからないが、元々あったE2Eのシナリオテストの仕様書を活用した。粒度は結構細かかった。

3,000シナリオ(シナリオの本数は64本)を作るまでにどれくらい時間がかかったか?

10シナリオを2週間で作った。実運用レベルで軌道に乗るまでは3ヶ月くらい。

アジャイル開発などで画面がよく変わる場合、Autifyの導入はありかなしか?

  • 一回導入してみると良いと思う。もし上手くいかなければやめればいいだけなので。
  • 画面がよく変わる場合だとしても、アジャイル開発をしていると他の機能変更時に意図せずデグレが起きたことを検知したい場面が多いので、アジャイル開発ならむしろ積極的に導入したい。

導入にあたっての失敗談

  • 開発部署外の人(営業の人)に説明する時、「これでどんどんリリースができるようになりますね!」と期待値が意図せず高くなってしまった。
  • パイロットケースを一番重要度が高いケースに設定していたが、仕様が多くインフラ構築にもかなり工数がかかってしまうものだった。(その後方向転換して、早めに効果が出るようにした)

オンボーディングサポートを受けてよかったことは?

  • 方法的な部分であった迷いがなくなった
  • 一人目の仲間になってくれること

「軌道に乗った」の判断基準は?

  • テストケースが無理なく増やせるか?
  • テスト回数が順調に重ねられるか?
  • 現場の人間が自動化を煩わしく思っていないか?
  • (導入して間もない時)チームのみんながそのチームの中で使い方について話をしているか?
  • (導入後)テストされた結果が活用されているか?

会全体を通した感想

テスト自動化に際して人をどうやって巻き込んでいくのかや軌道にどう乗せていくのか?という部分を聞くことができて、面白かったです。

登壇者お二人で毛色や経験が異なっていたのも非常によかったです。

*1:パイロットユーザから広めていく話、成功パターンを確立後に横展開...

*2:興味ある人を中心に巻き込みをお願いする、Whyをキックオフ会で認識合わせする