天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

2020年のふりかえり~下半期をふりかえる~

昨日に引き続き、2020年をふりかえっていきます。
今日は下半期をふりかえります。

 

aki-m.hatenadiary.com

 

7月

6月から引き続き、ひたすら勉強をする。
勉強をするたびに、自分が今まで常識だと思っていたことが壊れる。*1
勉強を進める内に、オンラインイベントやコミュニティの存在を知る。
一度参加するも、発表内容がさっぱり分からない。質問する人や発表している人が恐ろしく優秀な人ばかりな気した。結局イベントの内容は良く分からないまま終わる。*2
文字に起こすと辛そうに見えるが、毎日充実していた。自分の常識を壊すのは楽しかった。
当時は自分が学びを深めて成長しているから楽しいんだと思っていたが、今改めてふりかえると、苦境に陥っていたプロダクトやチームに多数の伸びしろがあることを感じていて楽しかった面が強かった気がする。

8月

2020年9月末までにリリース必達の案件の雲行きが明らかに怪しくなり、再見積した結果、2021年4月に完了予定であることが分かる。*3
顧客と協力してMVPを考えだし、チーム全員で9月末まで突き進むことを誓う。
ふりかえると、不安な気持ちは強かったものの、勉強の成果が少しずつ仕事で出ていたので、心の底ではいけるだろうと思っていたような気がする。

9月

チーム全員で協力してプロダクトを開発する。初めてアジャイル開発を経験する。*4
WIP制限, TDD, 探索的テスト...多数のプラクティスを初めて導入しながら、順調に開発を進める。*5
ふりかえりではチームに対する手応えの声が上がり、スプリントプランニングで予定したPBIがすべて完了するスプリントが続く。
プロダクトの品質も高く、テストフェーズで出るバグも普段の1/3程度に収まる。無事にリリースも完了する。
強い達成感を感じたし、チームで協力して開発することがやっぱり自分は好きなんだと再認知していた気がする。
また、仕事が一段落したこともあり、勇気を持ってもう一度コミュニティに参加することを決意する。
connpassでアカウントを作り、初心者向けのイベントを探し、Yahoo! JAPAN Agile 1stに辿り着く。*6
さらに、現場で技術的な課題に直面していたこともあり、Scrum Developers Night! Online 〜1st〜 - connpassに申し込む。初めてOSTを経験したが、金井さんや高橋さん、松下さんなど多数の方々が自分が悩んでいた課題に対して真剣に向き合ってくれて、感動した。どうしても感謝の気持ちを伝えたくて、Twitterのアカウントを作って、感謝の気持ちを伝えた。
さらに、自分と同じ年次なのに高い技術力を持っているこまさんからフォローされて、凄い刺激になったことを覚えている。
自分もこういう風に他の人に勇気を与える人になってみたいな、という気持ちが芽生えた。この気持ちが、積極的にイベント参加したり勉強をする姿勢の原点な気がする。

10月

仕事は9月の状況が一転して、中々上手くいかなくなる。
SBLが終わらずベロシティ0のスプリントが続いたり、個人行動(PBLやSBLにない仕事を率先してこなす...)が目立ち出すなど、明らかに上手くいっていないことを実感する。
また、組織*7でも体を壊して休職/退職する人が後を絶たず、一転して壁にぶちあたる感覚を持つ。
そんな中、きょんさんやAkiさん、及部さんの存在を知る。さらにその3人が参加している、分散アジャイルの会を知る。
すさまじくレベルが高くて会話についていけないんじゃないか、自分が発言したらぼこぼこになって一生のトラウマになるのではという恐れから、一度はイベント参加を見送る。
が、どう考えても学びが深いこのイベントを逃していては、組織のプロダクトやチームを良くするという自分の目標に到達するのが遅くなると考え、思い切って参加する。
なお、この不安は全くの杞憂だった。分散アジャイルの会は、ただただ楽しくて学びが深い、最高のコミュニティだった。きょんさんやAkiさん、及部さんも怖い人じゃなかった。
仕事の悩みは尽きなかったが、知識も相談できる環境も増えてきて、前進は確実にしていると感じていた。

11月

初めて参加したスクラムフェス(スクフェス札幌)でとんでもなく大きいパワーをもらった。
江端さんや島田さんをはじめ、錚々たる面々が普通に発表しているのを聞いて、夢のような空間だった。
改めてふりかえると本当に素晴らしいイベントで、一生忘れることはないと思う。
以下、スクフェス札幌のことをふりかえってみる。

  • 同じ会社(全く別の部署)の人に知り合えた。
  • 中村さんにコーチーズクリニックしてもらった。その後DMでもフォローしてくれて、また話の続きとか上手くいったこと/いかなかったことを教えてくれれば個別でいつでも相談に乗ると言ってもらえた。
  • 江端さんの基調講演で、価値観が大きく変わった。これまでは漠然と組織を変えたいと思っていたが、組織を変えようとすることにもっと責任を持とうと思った。自己研鑽をこれまで以上にしようと思った。
  • 自分がこのフェスで一番得たかった、組織を良くするためのヒントを色んな所で得れた。特に及部さんの講演は良かった。分散アジャイルの会をはじめ、今後も多数のイベントに積極的に参加しようと思った。
  • 島田さんの講演が凄く刺さった。人ではなくプロセスを動かすという話、アジャイル札幌の秘話ぼ部分は、何十回でも聞ける話だった。
  • そこら中に学びが転がっていて、何をどこで学ぼうか考えるワクワク感と、OSTで感じた何がどこで起こるかわからないワクワク感が最高だった。
  • 自分と同じ年代のオキザリスの人たちのアウトプットスキルに驚愕した。成長のブーストが起きている姿に刺激を受けた。
  • 苦しみながら組織を良くしようとするたくさんの人たちの存在が刺激になった。

ここでオキザリスチームから刺激を受けて、ブログも始めた。学びのスピードが一気に加速した感覚があった。

12月

12/31に改めてふりかえりたいが、11月の勢いをそのまま継続させることができた月だったと思う。
1on1カンファレンスに参加して1対1のコミュニケーションの大切さや難しさを実感したり、CSMを取るためにスクラムの勉強を1からしたり、とりあえず毎日ブログを書いてみたり、新しいことにチャレンジし続ける毎日を送ることができた。
ただ、仕事ではそこまで劇的な変化を感じないので、何か頑張っている気になっているだけの人間になっていないかは不安に思っている。
良い方向への変化は、少なくとも自分が所属しているチームでは少しずつであるものの見られているので、過度に焦ることはせず、ステップバイステップで組織を良くしていきたい。
また、アウトプットをすることで自分の理解の浅さや知識のなさを痛感する場面も多く(特に技術力の観点)、伸びしろしかないことを実感している。

下半期をふりかえっての感想

下半期は、外部のコミュニティやイベント, そしてそこで出会った方々に支えられました。
上半期に自分自身がチーム開発が好きなことを認知したり、行動をすることで何かを変えることができるという手応えを持てたタイミングで、外部のコミュニティやイベントが背中を押してくれて、一気に走りだせたのではないかと、改めてふりかえった結果思いました。
外部のコミュニティやイベントの話は、明日のふりかえりで詳しく書いていこうと思います。

*1:複雑なソースコードにif文を追加, 引数が5個あるようなメソッドにさらに引数を追加, 要件定義書でスコープを握って変更を受け付けない, 怪しい進捗管理(設計がXX%完了した, 実装がXX%できた), 因子が数十個あるようなFixtureをExcelで数百個自動生成して@DataPointsで制御, 大量のキャプチャをExcelに貼り付ける手打鍵, 開発の5割以上を占めるIT工数, 時間見積, リソース効率を100%にするマネジメント, 責任追及と問題解決を目的とするふりかえり, 進捗報告と遅延の弁明をする朝会, メンバーの危機を煽ってモチベーションを常に高める...挙げるときりがない

*2:以後、しばらくイベント参加を見送ることになる

*3:顧客と2020年9月リリースを約束したのは2020年5月頃だったが、途中で障害対応が挟まったりチームが立ち上がったばかりで進捗が安定せず、当初想定から見積が大きくぶれてしまった

*4:9月以前から、既存のWF開発からアジャイル開発に少しずつシフトしていた

*5:改修対象のソースコードリファクタリングも実施した

*6:イベントは初心者向けに設計されていて、学びが多くて楽しかった

*7:現職は階層構造(4階層くらい)になっている。この文章での組織は、階層の一番下位レベルに位置する組織なので、会社のことを指しているわけではない