天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

中村洋とゆもつよのここだけの話 〜アジャイルQAって実際どうなん?〜に参加してきた

freee.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

アジャイルコーチとしてfreeeを支援してくれている中村洋さんとfreee QAマネージャーのゆもつよをゲストに迎え、freeeの開発プロセスにおけるアジャイルなQAの在り方や、今後の伸びしろについてたっぷり1時間自由にスペシャトークしてもらいます。理論、方法論というよりはfreeeの実践的な取り組み、これまでの歴史的な歩みを中心にお話してもらう予定です。

会の様子

freeeにおけるアジャイルQAとは?

チームに入って一緒にご飯を食べたりしながら、チームの中に入り込んで品質に関する内容をリードしていくのがアジャイルQAだということでした。

また、バグ0件Mustとかテスト消化率XX%がMustみたいな話ではなく、自分たちのゴールを考えて方向転換しながら高いアジリティで動けるのもアジャイルQAだということでした。

freeeさんでは、元々は「エンジニアさん」と呼んでいたり、品質を開発者やPOと作り込むことに消極的な印象を受けていたそうですが、支援をしていったこともあって、大分踏み込めるようになってきたということです。

freeeの開発の特徴

どのチームもエンジニア/QAが存在しているのは共通で、QAとエンジニアがどれくらい協働しているのか?というのはかなりばらつきがあるということでした。(とはいえ、QAにテストを投げるみたいな関係性で働くことはない)

また、ある程度ものが作れだしてからQAがチームに入ることが多いそうで、もっと早い段階で入ってもいいのかもね、という話が出ていました。*1

開発スピードと品質の両立をどうしているか?

スプリントが終わった後にテストが終わってリリースがいつでもできる状態になっているというのはまだできていないのですが、ブロッコリーさんの資料を見たりしながら、「開発スピードを上げるために自分たちは本来こういう準備をしたいんだよね」という話が出ているのはすごくいいと思っているということでした。

また、歴史を追っていくと、より速く開発を進めながら品質を担保していくための試みが継続的に行われており、7回くらいはフローが変わっている印象があるということです。

QAの技術力をどうやって開発チームに融合していくのか?

「マニュアルがあれば何でもできる」という思想になりがちですが、ルールを知っていたり知識を持っていたりするだけでは実践ができるとは限らないので、「こうするのがベストだ」とだけ話すような状態はよくないよね、という話が出ていました。

また、ふりかえりの場などで、「QAが忙しそうだった」という話がエンジニアから出たり、「エンジニアが忙しそうでなかなかテストがこなかった」という話がQAから出ることがあるそうですが、そのときにお互いのことを知らない場合もあるということで、お互いに歩み寄っていくのが重要だということでした。

なお、「QAエンジニア」「フロントエンドエンジニア」というラベルも少し危険な匂いがあるということで、自分たちの関心領域を知らず知らずに狭めることが起きていることもあるそうです。

freeeの伸びしろ

見えているチームではやれるところが増えているものの、まだ遠慮が多く感じられたり、エンジニアとQAがお互いのことをよく知らない場面が散見されるそうで、そういった部分は伸びしろなのかな?と思うそうです。

また、経理の人など実際にプロダクトを使う人にボロクソにFBしてもらうのももっとやってほしいということでした。

会全体を通した感想

専門性が違うお二人が、似たようなことを言っているようで違うことをチームから感じ取っている様子が、個人的には一番面白かったです。

Publicなイベントということもあって、なかなか「ここだけの話」をするのは難しかったのかなあとは見ていて感じました。(とはいえ、うまくいっている面だけではなく、実際うまくいっていない面に関する話もテーマとして多く出ていたので、できる限り「ここだけの話」をしてくれている感覚はありました。)

*1:途中から入ると、ちょっと遠慮しちゃう側面もある