こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
以下、イベントページから引用です。
後発参入した運用型テレビCM市場にて、業界を牽引するまでに成長した「テレシー」。テレシーの重要機能であるテレビCM分析のプロダクトは、事業の立ち上げ時に海外製品をOEMする戦略でした。
ですが、当初の想像以上に日本のテレビCM市場にフィットしていませんでした。テレシーの技術者達は、フィットしない課題を感じたからこそ、テレビCM分析システム「テレシーアナリティクス」というプロダクトを0→1で自社開発しました。
今回は書籍『事業をエンジニアリングする技術者たち―フルサイクル開発者がつくるCARTAの現場』を編集いただいた和田さんをモデレーターとしてお招きし、書籍では語れなかった「これまでの開発秘話」と今後の魅力をお伝えします。CARTAからは立ち上げから携わったテレシーのメンバー(吉濱、大竹、佐々木、前田の4名)が登場します。
会の様子
今回のイベントでは、Engineers in VOYAGE ― 事業をエンジニアリングする技術者の本が出た後に起きた話を中心にしてくれました。
ダッシュボード設計の難しさ
既に巨大なレポーティングができていたという背景があり、ダッシュボードで見やすいようなレポートにする部分が非常に難しかったそうです。
とりあえず全部作ってみて、その後にひたすらいらなそうな部分を削ぎ落としていくという形で情報設計と画面設計を進めていったということでした。
お手本がない上に全世界で大竹さんの頭の中にしかないような難解な分析モデルを形にしていくというのは定跡的な進め方ができず、小さくつくるというよりはまず情報をすべて落としてから機能を削ぎ落としていくという特殊な進め方になったそうです。
プロダクトづくりでCPOがどのように貢献していたか
の3つが主な仕事だということでした。本にも詳細は書かれているそうですが、機能の大方針をCPOが決めると、そこにしたがうことはなくてボコボコに殴られるのがCARTAのすごみだという話がありました。
シナリオテストがない
がんがん仕事をお互いに取ってやっていたそうですが、そもそもシナリオテストが書けていないことに気が付き、一つ一つの仕様をひたすら定義してシナリオテストを進めていったということでした。
また、この原因分析をしたときに、リモートで仕事をしてお互いにコミュニケーションが取れずにどういう動きになっているのかが確認しあえていなかったことが問題だとなって、オンサイトで議論する時間を増やしたということでした。
オフサイト集中討論
シナリオテストの失敗もあって、オンサイトで課題を洗い出して集中的に討論する時間を増やしたということでした。
具体的には、こんなテーブルやこんなビューができるというデモなどをしたそうです。
採用の課題と今後一緒に働きたい人
データサイエンティスト×エンジニアのスキルセットを持った人が今は求められているということで、現状は研究だけできる人みたいな方を取る余裕がなかった部分はなかなか大変だったそうです。
なにもないところから0->1で仕事ができる人*2と働けるのを今後は楽しみにしているというお話もありました。
テレビが計測可能になった理由
メジャーな時系列解析をなんとかできないか?という発想からスタートして、そこをブラッシュアップしていった結果、テレビの計測が可能になったということでした。(計測手法自体は既存の手法を活用できている)
会全体を通した感想
本の内容はどうしてもsnapshot的な話になってしまうので、本のその後という観点で話を聞けたのは非常によかったです。
視聴者からの質問に応じてダイナミックに進行が変化していくのも面白かったです。