こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。
会の概要
以下、イベントページから引用です。
2023年11月6日にユーザーが自然言語でカスタマイズできるGPTsがリリースされ、2024年初頭では既に300万以上のGPTsが作成されています。
そして2024年1月10日にGPT Sroreが公開され、便利で人気のGPTsを見つけることができるようになりました。 ChatGPTよりもさらに身近で便利な生成AIが登場することで、開発生産性はより向上していくことでしょう。
そのために多くの事例を知ることは大切です。そこで、Forkwellでは、公開されたGPTsを紹介するLT大会を開催します
GPTsのチームでの導入事例や開発生産性向上の体験談、個人の生産性をあげるおススメのGPTs活用方など、 このイベントに参加していろんなGPTsの活用事例を知り、明日から実践してみましょう!
会の様子
LT1 「人とAIが協調するHuman-in-the-Loopへ」
Human-in-the-Loopの基本原則*1が紹介された後、現状だとAIが人間の専門知識に勝てないという話がありました。
現状はデータの増加速度に対してモデルの学習速度が及ばないため、どうしても専門的知識のキャッチアップは遅れるということです。
次に、Human-in-the-Loopデータ処理パイプラインとして、データ処理とモデルトレーニングのパフォーマンスを変えるために人間が反復ラベリングに介入する手法の紹介がありました。
Human-in-the-Loopデータ処理パイプラインでは、データ処理→データアノテーション→モデルトレーニングの後に人間が反復ラベリングを行い、再度データ処理へ移るプロセスで、このプロセスを適用することによってモデルの学習が早く進むということです。
このようなパフォーマンスを出すためには、AIを開発することだけではなく活用することに目を向ける必要もあるということで、その一例としてHuman-in-the-Loopシステムの一つであるHuman-in-the-Loopセキュリティ・システムなどがあるそうです。
Human-in-the-Loopはウイルス検出、プライバシー保護、スパムフィルタリングなどで特に高いパフォーマンスを発揮しているということで、幾つかのSurveyでもその結果が証明されているそうです。
実際に発表者の二本松さんは「GPTs初号機 レイ」「GPTs零号機 ゆかり」「GPTs弐号機 まもる」を開発してみたということです。
LT2「GPTsの可能性」
簡単にGPTsの紹介があった後、Claude3が強すぎるという話がありました。
ベンチマークを見てもClaude3のほうがGPTにほとんど勝っていると言えそうで、現状GPTsが存在することくらいがGPTの強さになっていると考えられているということです。
そこでGPTsの可能性を考えていくと、
- マネタイズ(日本に関してはそこまで期待できない上、ストアのSEO等不透明な部分が多い。また、ノーコードということで文系の人が受託してマネタイズするような形もとれる)
- 業務効率化(MidjourneyやReddit、DALLE、Sheets Maker、Pre Pre AGIなど生成AIの強みを活かした業務効率化が期待される。一方で、本当に使えそうなものはあまり外部に公開されていないというのはある)
の2つが挙げられますが、現状だとGPTsだけでのマネタイズは厳しく、業務に使うにせよチューニングが必要になってくるというのが結論だということです。
LT3「100人参加ハッカソンから学ぶGPTsの活用方法」
GPTsを作るハッカソンを開催してみたところ、エンジニアだけではなく営業の方もざっくりとしたアイデアから様々なGPTsが作られたという話を聴いていきました。
優秀作品として選ばれたのは、
- FPプランナーGPTs(家計の相談に乗りつつ相談の前準備を行う)
- スタートアップ評価GPTs(スタートアップが長期的に事業継続できるのかを考える)
- 最新論文検索GPTs(ユーザが指定した分野のおすすめ論文を元論文+Gemini解説してくれる)
の3つだそうで、エンジニアからコンサルタントまでまったく異なるバックグラウンドを持った方々がそれぞれのアイデアを実現していたということです。
Q&A
LTの後はQ&Aがありました。以下、内容と回答を常体かつ一問一答形式で記載していきます。
OpenAIにはセキュリティ面で懸念があるが、どう考えているか?
ChatGPTのセキュリティが問題というよりも、インターネットとしての脆弱性も影響しているので、使い手側のリテラシーに依存してくるのは事実だと思う。
GPTsの作成にはどれくらい時間がかかるのか?
ものによると思うが1-2時間でできるものから半日くらいかかるものまであると思う。最近は1-2行だけしか書かないこともある。
勉強資料のおすすめはあるのか?
- 海外の最新情報のキャッチアップが重要なので、OpenAIのDeveloper forumなどを見たりしている。
- 自分で使ってわからないところを学んだり気づきを得るのが一番おすすめ
- ChatGPT
- 現状だとブログとかの方が最新情報が落ちている
GPTsを作るテクニックのキャッチアップは?
- 体系的にまとめているメディアはほとんどない
- ChatGPTに聞きまくる
- 東大の松尾研究会のコンテンツ
作成したGPTsをテストする勘所を知りたい
- 実用的になにか必ず正解を出さないといけない、みたいな使い方はあまり向いていないので、プログラミングにおけるテストとは違うイメージ。そのため、いい壁打ち相手になるのかな?とは思うが、正確にこういう回答がもらえるか?はテストしていない
- 頭で思いついた挙動の動作チェックレベルしかしていない
- シンプルなプロンプトを書くことが重要だと思う
会全体を通した感想
GPTsを過度に推しすぎることなく、フラットにいろいろな使い方や意見を聞くことができたのでよかったです。
色々ツールを知れたのはよかったですが、現状はなにか体系的なナレッジというよりも自分で手を動かして試行錯誤をたくさんするのが重要そうだと感じました。