天の月

ソフトウェア開発をしていく上での悩み, 考えたこと, 学びを書いてきます(たまに関係ない雑記も)

データ民主化の現在地〜「誰もがアクセスできる」のその次へ〜に参加してきた

findy.connpass.com

こちらのイベントに参加してきたので、会の様子と感想を書いていこうと思います。

会の概要

以下、イベントページから引用です。

会の様子

ばんくしさんのLT

最初にばんくしさんからLTがありました。

ばんくしさんが所属しているエムスリーでは、コロナの患者推計などを行っているそうで、データエンジニアの人たちは利益貢献や事業価値の高いデータ基盤を社内外に提供できるようにしているということです。

なぜこのような考え方を持っているかというと、データが扱えるのみならず利用が促されてデータ基盤構築に参加してもらえるような状態を理想が前提にあるということでした。
この理想に到達するためには、優れたデータ基盤やBIツールの仕組みが必要だと考えているそうで、その仕組みを実現するデータ関連チームやエンジニアといったユーザ意識が重要であり更に言えばそのユーザー意識を支える売上やデータ市場が必要だと考えているそうです。

土川さんのLT

続いて土川さんからのLTがありました。

土川さんは社内の誰もがデータにアクセスして理解し活用できる環境を構築できることがデータの民主化だと捉えているそうで、社員の従業員数が一気に増えた中でどのようにデータ活用に関して考えていったのかの変遷に関して紹介がありました。

初期はRedashやLooker StudioによるBIツールを整備しながらSQLを皆がかけるようにすることで徐々にデータ活用のハードルを下げていったそうです。

そんな中で中期になり、社内誰もがSQLを書けるようにするというよりはデータをもとに素早く意思決定できるかのほうが重要だと思いだしたそうで、Lookerを導入して指標統一をしてLooker活用人材を目指したということでした。

こうした取り組みは成果を上げた一方ユースケースが爆発的に増えてしまい、最近はデータ生成者やデータ利用者が一緒にデータ民主化を目指すようになったそうです。

パネルディスカッションとQ&A

登壇の後はパネルディスカッションがありました。以下、テーマと回答を一問一答形式かつ常体で記載していきます。

データ民主化の理想形態は?
  • ビジネスは大体ないデータが価値を生むことが多いので、データがほしいと思ったら生み出せるような状態になることが理想的である
  • 社内データチームを介さずともデータが使えるようになること
LLMがデータを内包してくのではないかと思っているのだが、各社その世界に向けてやっていることはあるのか?
  • ユニークなデータを作ること
  • アウトプットの自動化をしていくためには使えるがアウトプットの信憑性が薄いというのが原因であんまり上手く使えていない
  • 計算リソースが足りていなさすぎる
データ民主化を進める時によくある失敗と対策
  • 社員の人数が多くなってユースケースが増えてしまい、取り組みをしようと思うと影響範囲が大きすぎてなかなか取り組みが進まない。そのため、ミニマムに実験しながら取り組むようにしている
  • このデータがあればこういうことができそうだ、が先行してしまい、そのデータをどうやったら使えるのか?みたいなのがわからなくなってしまう
組織が増えていくことで変わったことと変わらなかったこと
  • データを使う文化というのは変わらなかった
  • みんながデータに対して意識を持ち続けていること
  • グループ会社が増えてくるとデータに関する要件がどんどん増えていった。そのため、仕組みやデータのパターンを作るようにしていった
データ関係者以外がデータを発見できるようにするために担当レベルのデータエンジニアができることがあれば教えてほしい
  • データの活用方法を学んできた人とかはいないので、データ活用事例をたくさん知ってもらうようにすることが重要だと思う
  • 社内のデータ活用事例をリーダーが積極的に進める
Timeeではデータを具体的にどのように使っているのか?
  • ヘルスケアやダッシュボードを見ているし、優先順位付けにも使っている
ユーザー側のデータも営業は分析しているのか?見られるデータが多すぎると情報過多になってしまう
  • 与え過ぎはよくないというのはそのとおりだが、一応営業がユーザーのデータも見ている

会全体を通した感想

かなりの大人数の方がデータを使い、データの種類やユースケースとしても相当多い状況でどう活用していくのか?という話が聞けたのは特によかったなと思いました。

LLM登場の話もありましたが、データの利用者という観点でもデータはどんどん増えていくんだろうなあという予感が強まるイベントでした。